Provided by: debhelper_11.1.6ubuntu2_all bug

名前

       dh_auto_install - make install や類似コマンドを自動的に実行する

書式

       dh_auto_install [build system オプション] [debhelper オプション] [-- params]

説明

       dh_auto_install プログラムは、ビルドしたファイルを自動的にインストールしようとする
       debhelper プログラムです。パッケージが利用するビルドシステムを判定し、そのビルドシステムに
       対して適切なコマンドを実行することでインストールを行います。例えば、Makefile が存在し、中
       に install ターゲットが存在する場合 (あるいは、MAKE 環境変数が設定されている場合)、make を
       実行します)。もし、setup.pyBuild.PL が存在すれば、こちらが利用されます。なお、Ant ビル
       ドシステムはインストールをサポートしていません。そのため、dh_auto_install は Ant を使って
       ビルドしたファイルをインストールしないことに注意してください。

       --destdir オプションを指定せず単一のバイナリのみ生成する場合、ファイルは debian/package/
       以下にインストールされます。また、--destdir オプションを指定せずに複数のバイナリパッケージ
       を生成する場合は、代わりに debian/tmp/ 以下にインストールされます。この場合、生成したファ
       イルは、dh_install(1) を使って適切なパッケージビルドディレクトリに移動する必要があります。

       DESTDIR は生成したファイルをどこに置くべきかを指定する時に利用します。もし Makefileが
       Makefile.PL を使って MakeMaker から生成される場合、生成された Makefile の為に、さらに自動
       的に PREFIX=/usr がインストールディレクトリとして指定されます。

       このコマンドはほぼ 90 %のパッケージに対してうまく動作するように設計されています。うまく動
       かない場合、あるいは、間違ったインストールターゲットを使ってしまうような場合に
       は、dh_auto_install を完全に省略して make install を手動で実行することを推奨します。

オプション

       "ビルドシステム用オプション" in debhelper(7) には、よく使われるビルドシステムと、制御オプ
       ションが列挙されています。

       --destdir=directory
           指定した directory 以下にファイルをインストールします。このオプションを指定しない場
           合、インストール先は "説明" 章で説明するディレクトリになるように自動的に指定されます。

       -- params
           params を実行するプログラムに渡すには、dh_auto_install に通常指定するパラメータの後に
           param を指定してください。

参照

       debhelper(7)

       このプログラムは debhelper の一部です。

作者

       Joey Hess <joeyh@debian.org>