Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20161015+dfsg-1_all bug

名前

       nm - オブジェクトファイルのシンボルをリストする

書式

       nm     [-a|--debug-syms] [-g|--extern-only] [-B] [-C|--demangle] [-D|--dynamic]
              [-s|--print-armap] [-o|--print-file-name] [-n|--numeric-sort] [-p|--no-sort]
              [-r|--reverse-sort] [--size-sort] [-u|--undefined-only] [-l|--line-numbers]
              [--help] [--version] [-t radix|--radix=radix] [-P|--portability] [-f
              format|--format=format] [--target=bfdname] [objfile...]

説明

       GNU  nm はオブジェクトファイル objfile からシンボルを抽出して表示する。 引数にオブジェクト
       ファイルが与えられ なかった場合は、 a.out ファイルに対して動作する。

オプション

       オプションには長い形式と短い形式がある。並べて書いてある場合は、それら  が等価なオプション
       であることを意味する。

       -A

       -o

       --print-file-name
              それぞれのシンボルの前に、そのシンボルが含まれていた入力ファイルの名前     を配置す
              る。通常は入力ファイルは一度だけ表示し、その後にそのファイルに 含まれているシンボル
              の一覧が続く。

       -a

       --debug-syms
              デバッガ専用のシンボルも表示する。これらは通常はリストされない。

       -B     --format=bsd と同じ (MIPS の nm との互換性のために用意された)。

       -C

       --demangle
              低位レベルのシンボル名をユーザーレベルの名前にデコード  (demangle) する。システムに
              よって追加された、先頭部のアンダース コアを全て削除するほか、 C++  の関数名を可読に
              する。

       -D

       --dynamic
              通常のシンボルではなく動的  (dynamic) なシンボルを表示する。これはある 種の共有ライ
              ブラリなど、動的なオブジェクトに対してのみ意味を持つ。

       -f format
              出力フォーマットに format を用いる。 format には ``bsd''、 ``sysv''、 ``posix''  の
              いずれかを指定する。デフォルトは ``bsd'' である。 format で認識されるのは最初の一文
              字だけである。大文字小文字は関 係ない。

       -g

       --extern-only
              外部シンボル (external symbol) のみを表示する。

       -n

       -v

       --numeric-sort
              シンボルをアドレスの数値によってソートする。通常は名前のアルファベット 順にソートさ
              れる。

       -p

       --no-sort
              シンボルをまったくソートしない。単純に現われた順に表示する。

       -P

       --portability
              出力フォーマットに、デフォルトのものではなく  POSIX.2  標準のものを用い  る。  ``-f
              posix'' と等価。

       -s

       --print-armap
              書庫のメンバーからシンボルをリストするとき、インデックスをインクルード   する。イン
              デックスとは  ar  または  ranlib によって書庫に追加されるもので、その書庫にあるどの
              ファイルにどんな名前 定義が含まれているかをマップする。

       -r

       --reverse-sort
              ソート順を逆にする (数値の場合でもアルファベット順の場合でも)。最後の  ものが最初に
              来ることになる。

       --size-sort
              シンボルをサイズの順にソートする。サイズはシンボルの値を、次に現われる シンボルの値
              から引いた物である。シンボルの値ではなく、サイズが表示される。

       -t radix

       --radix=radix
              radix をシンボルの値を表示するときの基数にする。 10 進数の場合は ``d''、 8 進数には
              ``o''、 16 進数には ``x'' を指定する。

       --target=bfdname
              オブジェクトコードのフォーマットを指定する。通常はシステムのデフォルト であるフォー
              マットが用いられる。指定できるフォーマットに関する情報を得   るための手法については
              objdump(1) を見よ。

       -u

       --undefined-only
              未定義なシンボル (それぞれのオブジェクトファイルの外部にあるもの) のみ を表示する。

       -l

       --line-numbers
              それぞれのシンボルに対して、デバッグ情報を用いてファイル名と行番号を見 つけようとす
              る。定義されているシンボルに対しては、シンボルのアドレスの 行番号を探す。未定義なシ
              ンボルに対しては、シンボルを参照しているリロケー ションエントリの行番号を探す。行番
              号の情報を見つけることができたら、他 のシンボルの情報に続いてそれを表示する。

       -V

       --version
              nm のバージョン番号を表示して終了する。

       --help nm のオプション一覧を表示して終了する。

関連項目

       info の ` binutils ' エントリ、 The GNU Binary Utilities, Roland H. Pesch (October 1991)、
       ar(1)、 objdump(1) ranlib(1)

著作権

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