Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20161015+dfsg-1_all bug

名前

       arch_prctl - アーキテクチャー固有のスレッド状態を設定する

書式

       #include <asm/prctl.h>
       #include <sys/prctl.h>

       int arch_prctl(int code, unsigned long *addr);

説明

       arch_prctl()   関数はアーキテクチャー固有のプロセス状態またはスレッド状態を設定する。 code
       は副機能を選択し、引き数 addr を副機能に渡す。 addr は、"set" 操作では unsigned long  とし
       て、"get" 操作では unsigned long * として解釈される。

       x86-64 の副機能は以下の通り:

       ARCH_SET_FS
              FS レジスターの 64 ビットベースを addr に設定する。

       ARCH_GET_FS
              現在のスレッドの FS レジスターの 64 ビットベース値を、 addr が指す unsigned long の
              領域に格納する。

       ARCH_SET_GS
              GS レジスターの 64 ビットベースを addr に設定する。

       ARCH_GET_GS
              現在のスレッドの GS レジスターの 64 ビットベース値を、 addr が指す unsigned long の
              領域に格納する。

返り値

       成功すると、 arch_prctl()  は 0 を返す。エラーの場合、-1 を返し、 errno をエラーを示す値に
       設定する。

エラー

       EFAULT addr がアンマップされたアドレスを指しているか、プロセスのアドレス空間の外にある。

       EINVAL code が有効なサブコマンドでない。

       EPERM  addr がプロセスのアドレス空間の外にある。

準拠

       arch_prctl()  は Linux/x86-64 拡張であり、移植性を意図したプログラムでは使うべきでない。

注意

       arch_prctl()  は現在のところ Linux/x86-64 上の  64  ビットプログラムでのみサポートされてい
       る。

       新しい 32 ビットセグメントセレクタがロードされた場合、 64 ビットベースは変更される。

       ARCH_SET_GS が無効にされているカーネルもある。

       64  ビットセグメントベースのコンテキストスイッチは、やや高価である。  LDT を modify_ldt(2)
       で設定してセグメントセレクタを使うか、 (カーネル 2.5 以降の)  set_thread_area(2)  システム
       コールを使うことにより、  32 ビットベースを設定するという高速な代替手段もある。 4GB より大
       きなベースを設定したい場合にのみ、 arch_prctl() が必要である。 アドレス空間の最初の 2GB に
       あるメモリーは、 mmap(2)  に MAP_32BIT フラグを指定して割り当てることができる。

       バージョン  2.7  時点では、glibc  には arch_prctl()  のプロトタイプがない。 今のところユー
       ザーは自分自身で宣言する必要がある。 これは将来の glibc のバージョンで修正されるかもしれな
       い。

       FS はスレッドライブラリで既に使われているかもしれない。

関連項目

       mmap(2), modify_ldt(2), prctl(2), set_thread_area(2)

       AMD X86-64 Programmer's manual

この文書について

       この  man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。