Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20161015+dfsg-1_all bug

名前

       erfc, erfcf, erfcl - 相補誤差関数

書式

       #include <math.h>

       double erfc(double x);
       float erfcf(float x);
       long double erfcl(long double x);

       -lm でリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       erfc():
           _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE || _ISOC99_SOURCE ||
           _POSIX_C_SOURCE >= 200112L;
           or cc -std=c99
       erfcf(), erfcl():
           _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE >= 600 || _ISOC99_SOURCE ||
           _POSIX_C_SOURCE >= 200112L;
           or cc -std=c99

説明

       erfc()  関数は x の相補誤差関数、つまり 1.0 - erf(x) を返す。

返り値

       成功すると、これらの関数は x の相補誤差関数を返す。 返り値は [0,2] の範囲となる。

       x が NaN の場合、NaN が返される。

       x が +0 か -0 の場合、1 が返される。

       x が正の無限大の場合、+0 が返される。

       x が負の無限大の場合、+2 が返される。

       関数の結果がアンダーフローし、表現できない値となる場合は、 返り値は 0.0 となる。

       関数の結果がアンダーフローするが、  表現できる値 (つまり非正規化数 (subnormal)) となる場合
       は、 その値が返され、範囲エラー (range error) が発生する。

エラー

       これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7)  を
       参照のこと。

       以下のエラーが発生する可能性がある。

       範囲エラー: 結果のアンダーフロー (結果が非正規化数)
              アンダーフロー浮動小数点例外 (FE_UNDERFLOW)  が上がる。

       これらの関数は errno を設定しない。

属性

   マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
       関数 erfc(), erfcf(), erfcl() はスレッドセーフである。

準拠

       C99, POSIX.1-2001.  double 版の関数は SVr4, 4.3BSD にも準拠している。

注意

       関数 erfc(), erfcf(), erfcl() が提供されているのは、 x が大きな値の場合に (erf(x) の値は 1
       に近付いていくことで)  1-erf(x) の計算において精度が失われるのを避けるためである。

関連項目

       cerf(3), erf(3), exp(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。