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名前

       getmntent,  setmntent, addmntent, endmntent, hasmntopt, getmntent_r - ファイルシステム記述
       ファイルのエントリーを取得する

書式

       #include <stdio.h>
       #include <mntent.h>

       FILE *setmntent(const char *filename, const char *type);

       struct mntent *getmntent(FILE *stream);

       int addmntent(FILE *stream, const struct mntent *mnt);

       int endmntent(FILE *streamp);

       char *hasmntopt(const struct mntent *mnt, const char *opt);

       /* GNU による拡張 */
       #include <mntent.h>

       struct mntent *getmntent_r(FILE *streamp, struct mntent *mntbuf,
                                  char *buf, int buflen);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       getmntent_r(): _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE

説明

       これらのルーチンは、ファイルシステムを記述したファイル  /etc/fstab  と、マウントされている
       ファイルシステムを記述したファイル /etc/mtab にアクセスするために用いられる。

       setmntent()  関数は、ファイルシステムの記述ファイル filename をオープンして、 そのファイル
       ポインターを返す。このファイルポインターは getmntent()  によって用いられる。引き数 type は
       要求するアクセス形式で、 fopen(3)  の mode 引き数と同じ値を取ることができる。

       getmntent()  関数は stream からファイルシステムの記述ファイルの次の行を読み込み、 読み込ん
       だ行をフィールドに分割した内容を収めた構造体へのポインターを返す。  ポインターはメモリーの
       静的な領域を指しており、この領域は getmntent() を次に呼び出したときに上書きされてしまう。

       addmntent()   関数は  mntent 構造体 mnt の内容を、オープンされている stream の最後に追加す
       る。

       endmntent() 関数はファイルシステムの記述ファイルに関連付けられている stream を閉じる。

       hasmntopt()  関数は mntent 構造体 mntmnt_opts フィールド  (下記  参照)  をスキャンし、
       opt  に一致する部分文字列があるかを調べる。  有効なマウントオプションについては <mntent.h>mount(8)  を参照のこと。

       リエントラントな関数  getmntent_r()   は  getmntent()    と同じだが、   ユーザーが用意した
       *mntbufstruct mount を格納し、その構造体の各エントリーが指し示す文字列を ユーザーが用
       意した大きさ buflen の配列 buf に書き込む。

       mntent 構造体は <mntent.h> で以下のように定義されている。

           struct mntent {
               char *mnt_fsname;   /* name of mounted file system */
               char *mnt_dir;      /* file system path prefix */
               char *mnt_type;     /* mount type (see mntent.h) */
               char *mnt_opts;     /* mount options (see mntent.h) */
               int   mnt_freq;     /* dump frequency in days */
               int   mnt_passno;   /* pass number on parallel fsck */
           };

       mtab や  fstab  ファイルでは、各フィールドは空白で区切られているので、  スペース、タブ、改
       行、バックスラッシュの  4文字をこれらのファイルで 使いたい場合で、かつ mntent 構造体の 4つ
       の文字列メンバーのいずれかに対応するフィールド内で 使いたい場合には、8進のエスケープ表記を
       使って表現する:  スペース  (\040),  タブ  (\011),  改行  (\012), バックスラッシュ (\134)。
       addmntent()  と getmntent()   は、文字列表現から  エスケープ表現への変換、およびその逆を行
       う。

返り値

       getmntent()   と getmntent_r()  は mntent 構造体へのポインターを返す。 失敗した場合は NULL
       を返す。

       addmntent()  関数は成功したら 0 を返し、失敗したら 1 を返す。

       endmntent()  関数はつねに 1 を返す。

       hasmntopt()  関数は、マッチした場合は部分文字列へのアドレスを返し、 マッチしなければ  NULL
       を返す。

ファイル

       /etc/fstab          ファイルシステム記述ファイル
       /etc/mtab           マウントされたファイルシステムの記述ファイル

準拠

       リエントラントでない関数は SunOS 4.1.3 由来のものである。 getmntent_r()  関数は HPUX 10 で
       導入されたが、このバージョンでは int を返す。 上記に示したプロトタイプは glibc  独自のもの
       である。

注意

       System  V  にも getmntent()  関数はあるが、 呼び出し手順が異なり、返される構造体も異なる。
       System V では /etc/mnttab が用いられる。 4.4BSD と Digital UNIX には getmntinfo()   がある
       が、 システムコール getfsstat()  のラッパー関数である。

関連項目

       fopen(3), fstab(5), mount(8)

この文書について

       この  man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2015-01-22                               GETMNTENT(3)