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名前

     magic_open, magic_close, magic_error, magic_file, magic_buffer, magic_setflags, magic_check,
     magic_compile, magic_load — マジックナンバー識別ライブラリ

ライブラリ

     Magic Number Recognition Library (libmagic, -lmagic)

書式

     <magic.h> magic_t magic_open(int flags) void magic_close(magic_t cookie) const char *
     magic_error(magic_t cookie) int magic_errno(magic_t cookie) const char * magic_file(magic_t
     cookie, const char *filename) const char * magic_buffer(magic_t cookie, const void *buffer,
     size_t length) int magic_setflags(magic_t cookie, int flags) int magic_check(magic_t cookie,
     const char *filename) int magic_compile(magic_t cookie, const char *filename) int
     magic_load(magic_t cookie, const char *filename)

説明

     これらの関数は magic(4) に記述されている magic データベースファイルを操作する。

     関数 magic_open() はマジッククッキーポインタを生成して返す。 マジッククッキーの割り当てにエ
     ラーがあった場合、 この関数は NULL を返す。 flags 引き数は、他のマジック関数の挙動を指定す
     る。

     MAGIC_NONE      特別な処理を行わない。

     MAGIC_DEBUG     標準エラー出力にデバッグメッセージを表示する。

     MAGIC_SYMLINK   クエリしたファイルがシンボリックリンクであった場合は、それを辿る。

     MAGIC_COMPRESS  ファイルが圧縮されていた場合は、展開して内容を読み込む。

     MAGIC_DEVICES   ファイルがブロックスペシャルデバイスまたは キャラクタスペシャルデバイスで
                     あった場合、 デバイスをオープンして内容を読み込もうとする。

     MAGIC_MIME      説明文ではなく mime 文字列を返す。

     MAGIC_CONTINUE  最初にマッチしたものだけではなく、マッチした全てを返す。

     MAGIC_CHECK     magic データベースの整合性をチェックし、 標準エラー出力に警告を表示する。

     MAGIC_PRESERVE_ATIME
                     utime(2) または utimes(2) をサポートするシステムでは、 解析されたファイルの
                     アクセス時刻を保存しようとする。

     MAGIC_RAW       印刷不能文字を \ooo のような 8 進数表現に変換しない。

     MAGIC_ERROR     ファイルやシンボリックリンクをオープンしようとしている間に OS のエラーが起
                     こった場合、 マジックバッファにエラーを表示せず、実際のエラーとして扱う。

     magic_close() 関数は magic(4) データベースをクローズして、使用されている全てのリソースを解放
     する。

     magic_error() 関数は最後に発生したエラーの説明文を返す。 エラーがない場合は NULL を返す。

     magic_errno() 関数はシステムコールによって最後に発生した OS エラーの番号 (errno(3)) を返す。

     magic_file() 関数は filename 引き数で指定されたファイルの内容についての説明文を返す。 エラー
     が起った場合は NULL を返す。 filename が NULL の場合は標準入力を使う。

     magic_buffer() 関数はバイトサイズ length の引き数 buffer の内容について、説明文を返す。

     magic_setflags() 関数は上記の flags を設定する。

     magic_check() 関数を使って、データベースファイルのエントリが有効であるかを検証できる。 検証
     されるデータベースは、コロン区切りのファイルリストの形式で、 filename で指定される。
     filename が NULL の場合はデフォルトのデータベースを検証する。 検証が成功した場合は 0 を返
     し、 失敗した場合は -1 を返す。

     magic_compile() 関数を使って、データベースをコンパイルできる。 コンパイルされるデータベース
     は、コロン区切りのファイルリストの形式で、 filename で指定される。 filename が NULL の場合
     は、デフォルトのデータベースがコンパイルされる。 コンパイルが成功した場合は 0 を返し、 失敗
     した場合は -1 を返す。 コンパイルして生成されたファイルの名前は、 各ファイル引き数に
     basename(1) を適用して ".mgc" を追加したものになる。

     何かマジッククエリを実行する前には、 magic_load() 関数を使ってデータベースファイルをロードし
     なければならない。 ロードするデータベースは、コロン区切りのファイルリストの形式で、 filename
     で指定される。 filename が NULL の場合は、デフォルトのデータベースがロードされる。

     デフォルトのデータベースファイルは、 環境変数 MAGIC によって名前が指定される。 この環境変数
     が設定されない場合、 デフォルトのデータベースファイル名は /usr/share/file/magic である。

     magic_load() データベースファイル名に ".mime" と ".mgc" を適宜追加する (どちらか一方の場合も
     ある)。

返り値

     関数 magic_open() が成功した場合はマジッククッキーが返される。 失敗した場合は NULL が返され
     て、 errno が適切な値に設定される。 サポートされていない値がフラグに指定された場合、 errno
     が EINVAL に設定される。 magic_load(), magic_compile(), magic_check() 関数が成功した場合は 0
     が返され、失敗した場合は -1 が返される。 magic_file(), magic_buffer() 関数が成功した場合は文
     字列が返され、失敗した場合は NULL が返される。 magic_error() 関数は上記の関数のエラーの説明
     文を返す。 エラーがない場合は NULL を返す。 そして、 utime(2) または utimes(2) がサポートさ
     れていないシステムで MAGIC_PRESERVE_ATIME が設定されると、 magic_setflags() は -1 を返す。

ファイル

     /usr/share/file/magic.mime      コンパイルされていないデフォルトの magic mime データベース。
     /usr/share/file/magic.mime.mgc  コンパイル済みのデフォルトの magic mime データベース。
     /usr/share/file/magic           コンパイルされていないデフォルトの magic データベース。
     /usr/share/file/magic.mgc       コンパイル済みのデフォルトの magic データベース。

関連項目

     file(1), magic(4)

著者

     Mans Rullgard が最初の libmagic の実装と構成を行った。 Christos Zoulas は API を整理し、 エ
     ラーコードと (マジッククッキーの) 割り当てを実装した。