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名前

       mouse - シリアルマウスインターフェース

設定

       シリアルマウスは  RS232/V24  ダイアルアウトラインに接続される。 RS232/V24 ダイアルアウトライン については
       ttyS(4) を参照のこと。

説明

   概説
       シリアルマウスで使われる普通の 9 ピンプラグのピン配列は以下である:

                                           pin   name   used for
                                             2    RX    Data
                                             3    TX    -12 V, Imax = 10 mA
                                             4   DTR    +12 V, Imax = 10 mA
                                             7   RTS    +12 V, Imax = 10 mA
                                             5   GND    Ground

       これは仕様書であり、実際はほとんどのマウスでは 9 V で十分である。

       マウスドライバは RTS をロー(low)に落し、再び上げることによって、マウスを認識でき る。およそ 14 ms  後、マ
       ウスはデータライン上に  0x4D  ('M')  を送るだろう。さら  に 63ms あと、マイクロソフト互換 3ボタンマウスは
       0x33 ('3') を送る。

       マウスの相対的な移動は、dx(正が右)とdy(正が下)として伝えられる。 各種のマウスは異なったスピードで操作でき
       る。スピードを選択するには、 下の表の2文字を送ってから 0.1 秒待つことで、9600, 4800, 2400, 1200 bit/s を
       順に選べる。 以下の表では選択可能なスピードとそれを選択するための文字列を示している。

                                                    bit/s   string
                                                    9600    *q
                                                    4800    *p
                                                    2400    *o
                                                    1200    *n

       データパケットの第 1 バイトは同期をとるのに利用できる。

   マイクロソフト プロトコル(Microsoft Protocol)
       マイクロソフトプロトコルは、1200 bits/sec のスピードで、1 ス タートビット(1 start bit)、7  データビット(7
       data  bits)、パリティな し、1 ストップビット(1 stop bit)である。 データは RxD に 3 バイトのパケットとして
       送られる。dxdy の動きは 2 の補数表示で送られ、左(右)のボタンが押された時には lb (rb)がセットされる。

                                     byte   d6   d5    d4    d3    d2    d1    d0
                                        1   1    lb    rb    dy7   dy6   dx7   dx6
                                        2   0    dx5   dx4   dx3   dx2   dx1   dx0
                                        3   0    dy5   dy4   dy3   dy2   dy1   dy0

   3つボタン マイクロソフト プロトコル(3-button Microsoft protocol)
       本来のマイクロソフトマウスは 2 つのボタンしか持たない。しかし、3 つボタン  のマウスでマイクロソフトプロト
       コルの物も存在する。真中のボタンを押す、 または放すということは、動きゼロでボタンが押されていないというパ
       ケット  を送ることで伝えられる。(従って他の二つのボタンと違い、真中のボタ  ンのステータスは、それぞれのパ
       ケットからは伝わって来ない。)

   ロジテック プロトコル(Logitech protocol)
       ロジテック  シリアル 3つボタンマウスは、マイクロソフト プロトコルとは 異なった拡張をしている。:真中のボタ
       ンが押されてないと、上記 3バイトの  パケットが送られる。真中のボタンが押されていると、4バイトのパケットが
       送られる。第4バイトは  0x20  の値を持っている(あるいは、少なくとも  0x20  ビットがセットされている)。 但
       し、他のボタンが押されていない状態で、 真中のボタンが押されると、0,0,0,0x20 と伝えられる。

   マウスシステムズ プロトコル(Mousesystems protocol)
       マウスシステムズプロトコルは、1200 bits/secで、1 スタートビット、 8 データビット、パリティなし、2  ストッ
       プビットである。  データは、RxD  に 5 バイトのパケットとして送られる。dx は 2 つの 2 の補数の和として送ら
       れ、dy は 2 つの 2 の補数の和の否定 として送られる。左(中、右)のボタンが押された時にはlb (mb, rb)  がクリ
       アされる。

                              byte   d7    d6     d5     d4     d3     d2     d1     d0
                                 1   1     0      0      0      0      lb     mb     rb
                                 2   0    dxa6   dxa5   dxa4   dxa3   dxa2   dxa1   dxa0
                                 3   0    dya6   dya5   dya4   dya3   dya2   dya1   dya0
                                 4   0    dxb6   dxb5   dxb4   dxb3   dxb2   dxb1   dxb0
                                 5   0    dyb6   dyb5   dyb4   dyb3   dyb2   dyb1   dyb0

       第 4,5 バイトには、第 2,3 バイトが送られたあと生じた変更が記述される。

   サン プロトコル(Sun protocol)
       サン  プロトコルは、上記の  5 バイト マウスシステムプロトコルの 3 バイト版です。後の 2 バイトは送られませ
       ん。

   MM プロトコル(MM protocol)
       MM プロトコルは 1200 bits/sec で 1 スタートビット、8 データビッ ト、奇数パリティ、  1  ストップビットを使
       う。データは RxD に 3 バイトのパ ケットとして送られる。dxdy は一つの符号つきの値として 送られ、サイン
       ビットは負の値を表す。左(中、右)のボタンが押された時には lb (mb, rb)がセットされる。

                                  byte   d7   d6    d5    d4    d3    d2    d1    d0
                                     1   1     0     0    dxs   dys   lb    mb    rb
                                     2   0    dx6   dx5   dx4   dx3   dx2   dx1   dx0
                                     3   0    dy6   dy5   dy4   dy3   dy2   dy1   dy0

ファイル

       /dev/mouse
              一般的にマウスデバイスをさすのに使われるシンボリックリンク

関連項目

       ttyS(4), gpm(8)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告
       に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。