Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20180315+dfsg-1_all bug

名前

       apmsleep - サスペンド/スタンバイモードに入り、後で復帰する

書式

       apmsleep  [-sSnwhVd]  [--suspend]  [--standby]  [--noapm]  [--wait]  [--help]  [--version]
       [--debug] [+]hh:mm

説明

       コンピュータの中には (特にラップトップには)、 リアルタイムクロック (RTC) を用いて 低電力サ
       スペンドモードから DRAM モードに復帰できるタイプのものがある。 apmsleep を使うと、RTC の「
       目覚まし時刻」を設定してから  システムをサスペンドモード・スタンバイモードにすることができ
       る。 RTC からの割り込みがあると、コンピュータは目を覚ます。 このプログラムは、カーネル時刻
       の不連続な変化 (leap) を待つことによってこのイベントを検知し、成功を返して終了する。  一分
       以内に時刻の leap がなかったり、何かまずいことがおこったら、 0 以外の値を返して終了する。

       復帰時刻の指定には 2 つの形式がある。

       +hh:mm  は現在の時刻からの相対的なオフセットを指定する。  コンピュータが復帰するまでには、
       hh 時間と mm 分に加えて何秒かが必要となる。

       hh:mm は復帰時刻を 24 時間フォーマットのローカル時刻で指定する。 RTC  に保存されているのが
       GMT  かそうでないかは気にしなくてよい。 TZ 環境変数でタイムゾーンを変更していても良い。 夏
       時間はこのバージョンでは考慮していないが、将来は対応する予定である。

オプション

       -V, --version
              ampsleep プログラムのバージョンを表示してただちに終了する。

       -s, --suspend
              可能ならマシンをサスペンドモードにする (デフォルト)。  作者のラップトップでは、サス
              ペンドモードはメモリ以外のすべての電源を遮断する。

       -S, --standby
              可能ならマシンをスタンバイモードにする。 作者のラップトップでは、スタンバイモードは
              スクリーン・ハードディスク・CPU の電源を遮断する。

       -w, --wait
              時刻の leap をいつまでも待ち続ける。

       -n, --noapm
              コンピュータをサスペンドさせるときに /usr/bin/apm を呼ばない。 アラームクロックを有
              効にして時刻の leap を待つだけ。

       -d, --debug
              何が起こっているのか、情報を表示する。

必要となるシステム設定

       カーネル
              スペシャル・キャラクタ・デバイス /dev/rtc が存在し、 Linux カーネルを APM と RTC を
              サポートするように   コンパイルしておかなければならない   (CONFIG_RTC    と、適切な
              CONFIG_APM* オプション)。

       BIOS   BIOS  設定で、コンピュータの  "suspend  to RAM" 機能を 有効にしておかなければならな
              い。 "suspend to Disk" は動作しない。  これはコンピュータの電源を完全に遮断してしま
              うからである。 ALARM タイマーは有効にしなくてもよい。これは apmsleep によって有効に
              される。ボードによっては、   サスペンドモードから復帰させる割り込みを選べることもあ
              る。 このようなボードを使っている場合は、キーボード (IRQ 1) と RTC (IRQ 8) がその中
              に含まれているかを確かめておくと良いだろう。

       権限   このプログラムは root 権限で実行するか、 SUID 属性を設定する必要がある (chmod(1) を
              見よ)。

バグ

       apmsleep   はどのイベントがサスペンド状態を終了させたかを検知できない。   可能性のあるもの
       は、キーボード・マウスへの入力、モデムへの着信、 RTC  からのアラーム、その他あらゆる割り込
       み、など。

       このプログラムは Winbook XL ラップトップ (Pentium) でしかテストされていない。 あなたのハー
       ドウェアでは動作しないかもしれない。

著者

       このプログラムは Peter Englmaier (ppe@pa.uky.edu) によって書かれ、 GNU  一般公共使用許諾の
       もとで自由に再配布できる。 このコードは Paul Gortmacher の RTC テスト/例示プログラムを元に
       している。 このプログラムは「完全に無保証」である。現在の管理者は Peter Englmaier である。

関連項目

       xapm(1), apmd(8), rtc.txt (Linux Kernel Documentation)