Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20180315+dfsg-1_all bug

名前

       lilo.conf - lilo の設定ファイル

説明

       このファイル  (デフォルトでは  /etc/lilo.conf) は、ブートローダのインストーラである 'lilo'
       が読み込む (lilo(8) を参照)。

       内容は例えば以下のようになっている:

              # lilo.conf
              #
              #  global options:
              boot=/dev/hda
              prompt
              timeout=150
              lba32
              compact
              vga=normal
              root=/dev/hda1
              read-only
              menu-title=" John's Computer "
              #
              #  bootable kernel images:
              image=/boot/zImage-1.5.99
                   label=try
              image=/boot/zImage-1.0.9
                   label=1.0.9
              image=/tamu/vmlinuz
                   label=tamu
                   root=/dev/hdb2
                   vga=ask
              #
              #  other operating systems:
              other=/dev/hda3
                   label=dos
              other=/dev/hdb5
                   label=os2
                   loader=/boot/os2_d.b
                   table=E:

       この設定ファイルでは、 lilo が /dev/hda の Master Boot  Record  を  用いるように記述してあ
       る。  (色々な  lilo の使い方や、他のオペレーティングシステムとの関係 に関する詳細は、 lilo
       のドキュメントにある user.tex を 読むこと。)

       ブートローダはブート時に、 boot:  というプロンプトを出して、ユーザーが希望するカーネルのラ
       ベル  (とオプション) が入力されるのを待つ。 [Tab] を入力すれば、いつでもカーネルとラベルの
       一覧を見ることができる。 boot-menu.b ブートローダがインストールされている場合、 選んだカー
       ネルのブートオプションのメニューが表示される。 何も入力しない場合、15 秒 (15 × 1/10 秒) の
       タイムアウトの後、 初めに記述されているデフォルトのカーネルイメージ  (/boot/zImage-1.5.99)
       がブートされる。 lilo.conf には最大 16 個のイメージを記述することができる。

       上記のように、設定ファイルはいくつかのグローバルオプション   (例では最初の  9  行)  で始ま
       り、種々の image セクションがそれに続く。 image セクションに書かれているオプションは、  グ
       ローバルオプションを上書きする。

       コメント行はどこに書いても構わず、"#" 文字で始まる。

グローバルオプション

       多くのキーワードがある。以下の説明はほとんど user.tex と同じである (ちょっとだけ短い)。

       backup=<backup-file>
              元の  ブートセクタを /boot/boot.NNNN ではなく、 backup-file にコピーする (/dev/null
              などのデバイスファイルを指定することも可能である)。

       bitmap=<bitmap-file>
              ブートメニューを表示するときの背景に使う 640x480x16  のビットマップファイルを指定す
              る。 'message=' が指定されている場合には使ってはならない。 ビットマップを表示できる
              ブートローダ (例えば boot-bmp.b) を 'install=' を使って指定する必要がある。

       bmp-colors=<fg>,<bg>,<sh>,<hfg>,<hbg>,<hsh>
              'bitmap=' で指定した背景上でメニューを表示する際に使われる色を 10  進数で指定する。
              このリストは  6 つのエントリから構成され、 始めの 3 つは標準時の文字色であり、 その
              後の 3 つはハイライト時の文字色である。 3  色組は前景色・背景色・陰影色という順番に
              なっている。  背景色が指定されていない場合は、「透明  (transparent)」であると仮定す
              る。 陰影色が指定されていない場合は、「なし (none)」であると仮定する。 リストのエン
              トリは、スペースを入れずにコンマで区切られる。

       bmp-table=<x>,<y>,<ncol>,<nrow>,<xsep>
              メニューテーブルの位置と配置を指定する。 <x>,<y> は、文字座標おけるテーブルの左上の
              x 座標と y 座標を指定し、 x は [1..80], y は  [1..25]  の範囲である。  <ncol>  はメ
              ニューの列数で  (1..3) の範囲である。 <nrow> は各列の行数である。 列数を 2 以上に指
              定した場合、 <xsep> は各列の左端の文字の間の文字数を指定し、(18..40) の範囲である。
              文字数ではなくピクセル値で位置を指定する場合は、  10  進数の値の後ろに 'p' を付けて
              <x>, <y>, <xsep> を指定する。

       bmp-timer=<x>,<y>,<fg>,<bg>,<sh>
              カウントダウンタイマー  'timeout='  のオプション指定。  <x>,<y>  は、前述の   'bmp-
              table='  と同様に、 タイマーの位置を文字列 (またはピクセル) 座標で指定する。 また 3
              色の組は、前述の 'bmp-colors=' と同様に、文字の色属性を指定する。  ただし、背景色を
              指定しなければならないboot=<boot-device>
              ブートセクターを含むデバイス (例えばハードディスクのパーティション) の デバイスファ
              イル名を設定する。このキーワードが省略された場合、 ブートセクターは現在ルートとして
              マウントされているデバイスから 読み込み (およびおそらく書き出し) を行う。 raid 装置
              は、たとえば "boot=/dev/md0" というように、 RAID1  デバイスをブートデバイスに指定し
              て初期化される。 LILO のバージョン 22.0 以降では、 ブートレコードの実際の位置が以前
              のものと異なる。

       change-rules
              パーティションのタイプ番号のブート時変更  (パーティションを隠すかどうか)   を定義す
              る。

              change-rules
                 reset
                 type=DOS12
                    normal=1
                    hidden=0x11
                 type=DOS16_small
                    normal=4
                    hidden=0x14
                 type=DOS16_big
                    normal=0x06
                    hidden=0x16

              上に示した設定ファイルからの抜粋では、  全てのデフォルト  change-rules  が ("reset"
              で) 削除されてから、 3 つのパーティションタイプについての change-rules が指定されて
              いる。  reset  を指定しないと、指定された  3  つのタイプが 既存のデフォルト change-
              rules に追加される。 通常は、デフォルトのルールで充分である。  パーティションタイプ
              を定義する文字列は、  サフィックス "_normal" または "_hidden" を後ろにつけて change
              セクションで使われる (下記参照)。 詳細は user.tex  の中の  "Partition  type  change
              rules" セクションを参照すること。

       compact
              ブートセクター付近への  readリクエストを、1 回にまとめられるか試行する。 マップを小
              さく保ったままで、ロード時間を非常に短縮できる。 特にフロッピィディスクからのブート
              を行う場合は `compact' を使うことを 薦める。

       default=<name>
              指定されたカーネルイメージをデフォルトのブートイメージとする。 `default' が省略され
              た場合、設定ファイルの最初に 記述が現れたカーネルイメージがデフォルトとなる。

       delay=<tsecs>
              ブートローダが自動的にブートするまでの待ち時間を 0.1 秒単位で指定する。  現在ロック
              されているコマンドライン、 または "lilo -R" で前もって設定されたコマンドライン、 ま
              たはデフォルトの `image=' や `other=' で指定された コマンドラインを使ってブートされ
              る。 `delay' が 0 でない場合、ブートローダは指定された秒数の間だけ 割り込みが行われ
              るのを待つ。 割り込みを受け取った場合、または割り込みを待っている間は、  プロンプト
              boot:  を表示して、自動ブートを行わない。 CAPS LOCK や SCROLL LOCK が ON になってい
              る場合、 または ALT, CTRL,  SHIFT  のどれかが押された場合、  割り込みとして解釈され
              る。

              この動作は `prompt' を指定することで変更できる (下記参照)。

       disk=<device-name>
              指定されたディスク対する非標準的なパラメータを定義する。   詳細は  user.tex  の中の
              "Disk geometry" セクションを参照すること。  特に  `bios='  パラメータは便利である。
              BIOS  はディスクを 0x80, 0x81 という風に番号づけするため、Linux カーネルでの ディス
              クの認識と BIOS でのディスクの認識の間で不整合が生ずる場合がある (これは BIOS  の種
              類と設定に依存する)。 よって、もし Linux カーネルと BIOS でのディスクの認識を通常と
              異なる設定にしたい場合は、このパラメータによって対応を記述する必要がある。 次に例を
              挙げる。

                     disk=/dev/sda
                          bios=0x80
                     disk=/dev/hda
                          bios=0x81

              上の記述では、SCSI  ディスクを BIOS が認識する 1 番目のディスクとし、 (プライマリマ
              スタにつながっている) IDE のディスクを BIOS が認識する 2 番目のディスクとする。

       disktab=<disktab-file>
              ディスクのパラメータテーブル名を指定する。 `disktab' が省略されていた場合、マップイ
              ンストーラは /etc/disktab を参照する。 `disktab' を使用することはあまりお薦めできな
              い。

       fix-table
              lilo にパーティションテーブルの 3D (sector/head/cylinder)  アドレスの  調節を許可す
              る。それぞれのパーティションエントリには、  最初と最後のセクタのリニアアドレスと 3D
              アドレスが入っている。 同じディスクを他の OS (例えば、MS/PC-DOS や OS/2) が使ってい
              る場合や パーティションがトラックに切られていない場合には、 3D アドレスが変わるかも
              しれない。 lilo は両者のアドレスタイプが一致した パーティションにだけブートセクタを
              保存できる。  `fix-table' をセットすると、lilo は間違った 3D スタートアドレスを修正
              する。

              警告: 他のOS が後でアドレスを上書きする可能性がある。 また、これは思わぬ副作用を引
              き起こすかもしれない。  正しい修正であっても、パーティションを トラックに合わせよう
              とするようなプログラムでは、   これによって再パーティションがされてしまうかも知れな
              い。  またある種のディスク (例えばアドレス変換の可能ないくつかの Large EIDE) では、
              パーティションテーブルの内容がコンフリクトし、 修正できなくなる場合がありうる。

       force-backup=<backup-file>
              `backup' と同様だが、バックアップが存在しても上書きする。

       geometric
              以前のバージョンの LILO と互換性のあるディスクアドレスを使わせる。 ジオメトリアドレ
              スには sector/head/cylinder という形式が使われ、 ディスクシリンダ数が 1023 に制限さ
              れている。 アクセスできないシリンダが参照されている場合、  ブート時ではなく、ブート
              ローダのインストール時に診断メッセージが出される。 最近の BIOS の場合は、'lba32' の
              使用を推奨する。

       ignore-table
              おかしくなったパーティションテーブルを無視するよう lilo に指示する。

       install=<boot-loader>
              指定されたファイルを新しいブートローダとしてインストールする。 バージョン 21.5 から
              は、 boot-text.bboot-menu.b の 2 つのブートローダが使用可能になった。 boot.b は
              後者へのシンボリックリンクである。 両方のブートローダで、全く同じ形式の  カーネルコ
              マンドラインオプションのエントリを使うことができる。   さらに両方ともシリアルライン
              (下記の serial= を参照) が 完全にサポートされているが、シリアル端末にはメニュー機能
              がない。    前者は以前の    LILO   との厳密な互換性を持たせるために使用可能である。
              `install' が省略されると、 /boot/boot.b がデフォルトで使われる。

       lba32  sector/head/cylinder 形式のアドレスではなく、 32 ビットの論理ブロックアドレス (LBA)
              を生成する。 BIOS がパケットアドレッシングに対応している場合、 ディスクにアクセスす
              るときにパケットコールを用いる。 これにより、1024  シリンダ以上あるディスクの  どの
              パーティションからでもブートできるようになる。  BIOS がパケットアドレスに対応してい
              ない場合、 'lba32' アドレスは「リニアアドレス」として sector/head/cylinder 形式 (ジ
              オメトリアドレス) に変換される。 フロッピーディスクへの参照は、C:H:S 形式のままであ
              る。 1998 年以降の全てのシステムに対して、'lba32'  の使用を推奨する。  LILO  のバー
              ジョン 22 からは、'lba32' がディスクアドレス指定の デフォルトの方式となった。

       linear sector/head/cylinder  という形式の (ジオメトリ) アドレスを指定する代わりに、 セクタ
              の 24 ビットのリニアアドレスを使用する。 リニアアドレスは実行時にジオメトリアドレス
              に変換される。   リニアアドレスは   cylinder   の値が  1023  以下に制限されている。
              `linear' オプションを容量の大きいディスクで使うと /sbin/lilo はアクセスできないディ
              スクシリンダへの参照をつくるかもしれない。  `lba32' オプションを指定すれば、 これら
              の多くの落し穴をパケットアドレッシングを使って回避できるが、 最近の BIOS が必要であ
              る。

       lock   このオプション以降のブートコマンドラインを以後のデフォルトとして 自動的に記録する。
              lilo はこの記録を、手動で解除されるまで "lock" する。

       mandatory
              イメージのブートにパスワードを付けるオプション `mandatory' (下記参照)  を  全てのイ
              メージに適用する。

       map=<map-file>
              マップファイルの場所を指定する。`map' が省略された場合、 /boot/map が使われる。

       menu-title=<title-string>
              ブートメニューに  (37 文字までの) タイトル行を指定する。 このタイトルはデフォルトの
              タイトル文字列 "LILO Boot Menu" を置き換える。 boot-menu.b がブートローダとしてイン
              ストールされていない場合 (install= オプション参照)、この行は何も影響を及ぼさない。

       menu-scheme=<color-scheme>
              VGA ディスプレイにおけるデフォルトのブートメニューの色スキームを、 このオプションを
              使って上書きできる  (MDA  ディスプレイの色スキームは固定である)。  一般的な  color-
              scheme 文字列は以下のような形となる:

                   <text>:<highlight>:<border>:<title>

              各エントリには、前景色と背景色を指定する  2 つの文字が入る。 最初のエントリのみが必
              須である。 デフォルトのハイライト色は、  文字色の前景色と背景色を入れ換えたものであ
              る。  デフォルトの枠色とタイトル色は、文字色と同じである。 文字 kbgcrmyw を使って色
              を指定する。 それぞれ blacK (黒), Blue (青), Green (緑), Cyan (シアン),  Red  (赤),
              Magenta (マゼンタ), Yellow (黄色), White (白) を表す。 大文字の場合は明るい色 (前景
              色のみ)、小文字の場合は暗い色になる。  有効な色スキーム文字列は以下のようなものであ
              る。

                  menu-scheme=Wm     前景を明るい白、背景をマゼンタにする。
                  menu-scheme=wr:bw:wr:Yr    LILO のデフォルト。
                  menu-scheme=Yk:kw    前景を明るい黄色、背景を黒にする。

              boot-menu.b がブートローダとしてインストールされていない場合、 この行は何も影響を及
              ぼさない。

       message=<message-file>
              ブートプロンプトを出す前に出力したいメッセージが書かれたファイルを指定する。
              "LILO"と出力された後、Shiftキーが押されるまでは、  メッセージはなにも出力されない。
              メッセージに制御文字  FF([Ctrl  L])  があると、コンソール画面をクリアする。   boot-
              menu.b  ブートローダがインストールされている場合に、  制御文字  FF を使うのは良くな
              い。 メッセージファイルの大きさは最大 65535 バイトに制限されている。 メッセージファ
              イルを修正・移動した場合は、  マップファイルを再作成しなければならない。 "message="
              と "bitmap=" を一緒に指定することはできない。

       nowarn 将来起こりうる不具合に関する警告メッセージを出力しないようにする。

       optional
              カーネルイメージごとのオプションである `optional' (詳細は後述) を、  全てのカーネル
              に適用することを示す。

       password=<password>
              カーネルイメージごとのオプションである  `password=...' (詳細は後述) を、 全てのカー
              ネルに適用することを示す。 このオプションを指定すると、パスワード照合を通らない限り
              ブートをしない。   デフォルトレベル   `mandatory'   では、   デフォルトのイメージは
              `password=' で保護されている。 `mandatory' は `restricted' より 1 段レベルが高い。

       prompt ロックされたコマンドライン、 またはあらかじめ ("lilo -R" で) 設定されたコマンドライ
              ンがない限り、 自動ブート (上記の `delay' を参照) を行わない。 そのかわりに、ブート
              ローダはプロンプト boot: を表示して、先に進む前にユーザー入力を待つ (下記の timeout
              を参照)。 `prompt' が設定されていて `timeout' が設定されていない場合、 またはデフォ
              ルトイメージが `restricted' より高いレベルで パスワードで保護されている場合、  パス
              ワードを照合しないデフォルトイメージのブートは不可能である。

       raid-extra-boot=<option>
              このオプションは  RAID1  が導入されている場合にのみ意味がある。 <option> には none,
              auto,        mbr-only,        またはコンマで区切ったデバイスのリスト        (例えば
              "/dev/hda,/dev/hdc6")  を指定できる。  LILO バージョン 22.0 からは、通常、 ブートレ
              コードは  RAID1  デバイスの最初のセクタに書き込まれる。  PARALLEL  raid  セットの場
              合、これ以外のブートレコードは必要ない。  デフォルトの動作は  auto  であり、 SKEWED
              raid セットに必要な補助ブートレコードが自動的に作成される。 none を指定すると、予備
              ブートレコードを全く作成しない。  mbr-only  を指定すると、  raid デバイス上には予備
              ブートレコードを作成せず、   raid    セットの全てのディスクのマスターブートレコード
              (MBR)  に ブートレコードを書き込むことで、 バージョン 22.0 以前の LILO との互換性を
              持たせる。 明示的なデバイスのリスト指定すると、 RAID1  デバイスのブートレコードに加
              えて、  リストに列挙されたデバイスにのみ予備ブートレコードが書き込まれる。 バージョ
              ン 22 からは RAID1 コードが デバイス 0x80 の MBR にブートレコードを自動的に書き込ま
              ないので、  このようなブートレコードが必要ならば、 このオプションを使って書き込むこ
              とができる。

       restricted
              カーネルイメージごとのパスワードオプションである `restricted' (詳細は後述)を、 全て
              のカーネルに適用することを示す。

       serial=<parameters>
              シリアルラインからの制御を可能にする。 指定したシリアルポートを初期化して、そこから
              の入力も受付ける。  通常通りキーボードからの入力も可能である。   コンソールでシフト
              キーを押す動作は、シリアルポートでは break を送ることに対応する。これによってブート
              ローダの 注意を引くことができる。  モデムがつながっているなど、コンソールよりセキュ
              リティが低い場合、  すべてのブートイメージをパスワードで保護した方が良い。 パラメー
              ターの書式は以下の通りである:

                  <port>[,<bps>[<parity>[<bits>]]]

              <port>: シリアルポートの番号を指定する。0  から始まる。  例えば  0  は  COM1  (別名
              /dev/ttyS0) に対応する。 シリアルポートは 0 から 4 まですべて使用できる (存在してい
              れば)。

              <bps>: シリアルポートの速度を指定する。 110, 150, 300, 600,  1200,  2400  (デフォル
              ト),  4800,  9600  bps  が指定可能である。 さらに速い速度として 19200, 38400, 57600
              (56000) も指定できる。 115200 も指定可能であるが、 全ての COMx ポートのハードウェア
              で動作するとは限らない。

              ブートローダは入力パリティを無視して 8 ビット目を strip する。 次のどれかの文字 (大
              文字小文字どちらでも良い) を パリティの記述に用いることができる。 n: パリティを使用
              しない e: 奇数 (odd) パリティを使用する o: 偶数 (even) パリティを使用する

              <bits>:  文字のビット数を指定する。7 と 8 が指定できる。 パリティを使わない場合のデ
              フォルトは 8 で、使う場合は 7。

              `serial' をセットすると、`delay' は自動的に 20 になる。

              例: "serial=0,2400n8"  は COM1  をデフォルトのパラメータで  初期化することを意味す
              る。

       single-key
              このオプションは、1  回のキー入力で選択してブートする ブートイメージや other エント
              リを指定する。 選択は名前の最初の文字に基づいて行われる。  名前の最初の文字は、他の
              ものとは区別できるものでなければならない。  このオプションは、メニューや ビットマッ
              プユーザーインターフェース ("install=") とともに 使うことはできない。

       timeout=<tsecs>
              boot: プロンプトでのキーボード入力待ちのタイムアウト時間  (0.1秒単位)  を指定する。
              "timeout" は "prompt" が指定されている場合にのみ意味を持つ。 この時間内に入力がない
              場合は、自動的に最初のカーネルイメージでブートする。 パスワード入力待ちで入力がない
              場合も同様である。 デフォルトのタイムアウト時間は無限である。

       verbose=<number>
              進行状況報告の詳細  (verbose) レベルを変更する。 大きな数を指定すると、より詳細な報
              告を出力する。 lilo のコマンドラインで更に -v が指定されていた場合、 詳細レベルはそ
              れに応じて上がる。 最大の詳細レベルは 5。

       以上に加え、カーネルに対する設定パラメータとして  append,  ramdisk, read-only, read-write,
       root, vga をグローバルオプションに設定できる。  各々のカーネルイメージごとの設定として指定
       されなければ、 これらがデフォルトとして使用される。

カーネルイメージごとのセクション

       カーネルイメージごとのセクションの始まりは、   Linux  カーネルのブートイメージを含むデバイ
       ス/ファイルを指定する

           image=<pathname>

       の行か、ブートしたい任意のシステムを指定する

           other=<device>

       という行である。

       前者の書式で、image 行がデバイスからのブートが指定している場合は、

           range=<start>-<end>
           range=<start>+<nsec>
           range=<sector>

       のいずれかによりマップされるセクタの範囲を示さなければならない。

       3 番目の場合、"nsec=1" が仮定される。

カーネルオプション (image=)

       ブートイメージが Linux カーネルならば、カーネルに対し コマンドラインパラメータを与えること
       ができる。

       append=<string>
              カーネルに渡すパラメータラインに指定するパラメータを追加する。 典型的な利用法として
              は、自動的には検出されなかったり、 自動検知が危険なハードウェアに対するパラメータを
              指定する場合などがある。 例を挙げる:

                   append="hd=576,64,32"

       initrd=<name>
              カーネルと共に読み込む初期  RAM ディスクイメージを指定する。 このイメージは、ネット
              ワークドライバや  SCSI  ドライバといった   ブート時に必要なモジュールを含んでいる。
              mkinitrd(8) の man ページを参照すること。

       literal=<string>
              `append' と似ているが、ここに与えた以外のオプション (ルートデバイスの設定など) をす
              べて無効にする。 重要なオプションが `literal'  により意図せず無効にされる可能性があ
              るため、 これはグローバルオプションには指定できない。

       ramdisk=<size>
              RAM ディスクのサイズを指定する (例えば "4096k")。 0 の場合は RAM ディスクを作成しな
              い。 これを省略した場合、 RAM ディスクのサイズは ブートイメージに設定されている大き
              さになる。

       read-only
              ルートファイルシステムをリードオンリーでマウントする。 グローバルオプションとして指
              定することもできる。 通常システムのブートアップ手続きでは、(fsck などを実行した) 後
              から ルートファイルシステムを読み書きモードで再マウントする。

       read-write
              ルートファイルシステムを読み書きモードでマウントする。 グローバルオプションとして指
              定することもできる。

       root=<root-device>
              ルートとしてマウントするデバイスを指定する。 グローバルオプションとして指定すること
              もできる。  現在ルートとなっているデバイスを指定するには current という特別な名前を
              使用する。 -r オプションによりルートが変更されている場合、 その変更後のデバイスが用
              いられる。このオプションが 省略されると、ルートデバイスには現在のカーネルイメージが
              入っているデバイスが使用される。(また、これはカーネルの Makefile の ROOT_DEV に指定
              してコンパイルすれば変更される。 rdev(8) により後で変更することも可能である。)

       vga=<mode>
              ブート時に選択された  VGA の text モードを指定する。 グローバルオプションとして指定
              することもできる。 以下の値が指定できる (大文字、小文字を区別しない):

              normal: 通常の 80x25 テキストモードを指定する。

              extended (または ext): 80x50 テキストモードを指定する。

              ask: ブート時に動作を停止し、入力を要求する。

              <number>: 対応するテキストモードを使用する。  vga=ask  を指定しておいて、ブート時に
              [Enter] を押せば、 使用できるモードのリストが表示される。

              このオプションが省略されると、VGA モードは現在使用している カーネルイメージの設定に
              なる。 (また、カーネルの Makefile の SVGA_MODE に指定して  コンパイルすれば変更可能
              である。 rdev(8) により後で変更することも可能である)。

他のシステム (other=)

       Linux 以外のシステムをロードするのに使われる。 `other = <device>' という形式で、他のシステ
       ムのブートセクタがある デバイスやディスクパーティションを指定する。  例えば、DOS  の場合は
       `/dev/hda2'、フロッピーの場合は   `/dev/fd0'  などである。  他のシステムをブートするときに
       は、以下のオプションが使用できる:

       loader=<chain-loader>
              使用するチェーンローダを指定する。 このオプションはグローバルセクションに指定するこ
              ともできる。 デフォルトでは、 /boot/chain.b を使用する。 このチェーンローダは読み込
              んだブートセクタの パーティションとドライブの情報を渡す。  情報を読み込めるファイル
              システムは、  DOS  の  FAT12  と FAT16, Windows の FAT16 と FAT32, OS/2 の FAT16 と
              HPFS のみである。 代替品のチェーンローダである /boot/os2_d.b はパーティションとドラ
              イブの情報を OS/2 と DOS に適した形で渡す。 (下記の table=<letter> を参照)

       table=<device>
              パーティションテーブルを持っているデバイスを指定する。   これを省略した場合、ブート
              ローダはブートする OS に デフォルトパーティションの情報を渡す。 (OS によっては、 自
              分がどのパーティションからブートされたかを決める方法を別に持っている。  例えば  MS-
              DOS は通常ブートディスク/パーティションのジオメトリ情報を ブートセクタに保存する。)
              'table'  で参照されているパーティションテーブルが変更された場合は、 /sbin/lilo を再
              実行する必要があることに注意。

       table=<drive-letter>
              このオプションは  os2_d.b  チェーンローダの場合にのみ有効である。  これはブートする
              パーティションの  DOS ドライブ文字を指定する。 これは OS/2 を拡張パーティションにイ
              ンストールした場合は 必須である。  ドライブ文字は後ろにコロンをつけてもつけなくても
              良い。

       change このキーワードは、どのようにプライマリパーティションの ID を変更するか、 そしてどの
              ようにしてプライマリパーティションを有効/無効にするかを  記述するセクションを開始す
              る。  change がなかった場合、 変更ルールは automatic キーワードが指定されたものとし
              て生成される。   キーワード   change   だけがあって、その後に変更ルールがない場合、
              automatic 変更ルールが無効になる。 例えば、

                 other=/dev/hda2
                    label=dos
                    table=/dev/hda
                    change
                      automatic
                      partition=/dev/hda1
                         set=DOS12_hidden
                         deactivate
                      partition=/dev/hda2
                         set=DOS16_big_normal
                         activate

              この指定では、プライマリパーティション  /dev/hda2 からブートされた場合、 自動的に生
              成される変更ルールが有効となる。 さらに、DOS12 パーティションであるパーティション 1
              は隠され、無効にされる。 また、パーティション 2 は普通に設定され、有効にされる。 有
              効化はパーティションテーブルのブートフラグを設定する。 automatic キーワードはデフォ
              ルトの変更ルールと競合するため、上記の set= 行は冗長である。

       map-drive=<num>
              指定されたドライブの BIOS コールを、 次の行で to=<num> の形で指定されたデバイスコー
              ドにマッピングする。 このマッピングは DOS のような OS を 2 番目のハードディスクから
              ブートするときに便利である。 以下の例では、C: ドライブと D: ドライブを入れ替える。

                 map-drive=0x80
                    to=0x81
                 map-drive=0x81
                    to=0x80

       unsafe マップの作成時にブートセクタにアクセスしない。   これにより、パーティションテーブル
              チェックなどの正当性の検査は できなくなる。  ブートセクタが固定フォーマットのフロッ
              ピー上にある場合に UNSAFE を用いると、マップインストーラの実行時に ドライブに読み取
              り可能なディスクを挿入しなくてすむ。 `unsafe' と `table' は同時に指定できない。

コマンドオプション (image= & other=)

       image=other= の両方の場合に、以下のオプションが使用できる。

       label=<name>
              ブートローダは指定するブートイメージの識別に、 (パス名を除いた)  ファイル名を使う。
              違った識別名を使うこともでき、変数 `label' に設定すればよい。

       alias=<name>
              同じブートイメージの  2  番目の識別名として、  ここで指定される別名を使うこともでき
              る。

       lock   (上記を参照。)

       optional
              マップ作成時に利用でなければ、このブートイメージを省略する。 常に存在するとは限らな
              いテスト用カーネルを ブートイメージに指定する際に便利である。

       password=<password>
              `image='  または  `other='  をパスワード (パスフレーズ) で保護する。 グローバルセク
              ションとして指定することもできる。 `password=' 設定の解釈は、 (下記の) `mandatory',
              `restricted', `bypass' によって変わる。
              パスワードは、(セキュリティ上の問題があるが)  設定ファイルで指定することも、 ブート
              ローダのインストール時に入力することもできる。 対話的にパスワードを入力するリクエス
              トをさせるためには、  password="" を指定する必要がある。 ブートインストーラを再実行
              する際に、   対話的にパスワードを入力する指定をもう一度行う必要はない。    この指定
              は、設定ファイルの参考ファイル (デフォルトの名前は /etc/lilo.conf.crc) にハッシュ形
              式でキャッシュされている。 設定ファイルが更新された場合、  パスワードキャッシュファ
              イルを再作成するために lilo -p を再実行せよ、という警告メッセージが出される。

       mandatory
              このオプションが指定されているイメージをブートするためには、   パスワードが必要であ
              る。 これがデフォルトである。  このオプションは、別のグローバル設定を上書きするため
              に、 `image=' または `other=' のセクションで指定される。

       restricted
              コマンドラインからカーネルパラメータ  (例えば 'single') が指定されたときにだけ、 イ
              メージをブートする際のパスワード入力を要求するようにする。 このオプションは、別のグ
              ローバル設定を上書きするために、  `image='  または  `other=' のセクションで指定され
              る。

       bypass イメージをブートする際にパスワードを必要としない。 `image=' または `other='  で指定
              されているイメージのブートに   グローバルパスワードを適用しないことを示すのに使われ
              る。

関連項目

       lilo(8), mkinitrd(8), mkrescue(8), rdev(8).

       lilo のディストリビューションには、ここで要約した内容の 詳細なドキュメントが含まれている。
       (lilo 22.1)

                                           31 Oct 2001                               LILO.CONF(5)