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名前

       /usr/share/snmp/snmpd.conf - ucd-snmp SNMP エージェントの設定ファイル

説明

       snmpd.conf  は ucd-smnp SNMP エージェントの操作法を定義する設定ファイルである。 このファイ
       ルは下記の「ディレクティブ」セクションにある 任意のディレクティブを含むことができる。 エー
       ジェントが mib エントリを操作したり表示したりするためには、 このファイルは必要ない。

最初にお読みください

       最初に man ページ snmp_config(5) を読んでおくこと。 ここには ucd-snmp ファイルの操作法・場
       所・ 互いにどのように動作するかが書かれている。

       さらに、 snmpconf アプリケーション  (perl  スクリプト)  にざっと目を通すのもよいかもしれな
       い。  このアプリケーションはユーザーに情報を提示して snmpd.conf ファイルの作成を助けてくれ
       る。 試してみなさい。本当に。さあ、今すぐに。

              snmpconf -g basic_setup

       で始められます。

拡張可能 MIB

       ucd-snmp SNMP エージェントは、 mib ツリーの 1.3.6.1.4.1.2021  セクションに対してクェリーを
       行い、 多くの情報を表示する。 このセクションの各 mib には以下のテーブルエントリがある。

       .1 -- index
              以下にリストされた「ディレクティブ」に対するテーブルのインデックス番号。

       .2 -- name
              指定されたテーブルエントリの名前。 これは他と重ならない方が良いが、重なっても構わな
              い。

       .100 -- errorFlag
              このテーブルエントリにエラーが見つかった場合に、 整数 1 または 0 を返すフラグ。

       .101 -- errorMsg
              上記の errorFlag を引き起こすエラーを説明する「表示文字列」。

       .102 -- errorFix
              このエントリが SNMPset から整数 1 で、 かつ上で定義されている errorFlag が  1  の場
              合、 上記のテーブルエントリ名を引き数として プログラムやスクリプトが実行される。 実
              行されるプログラムはコンパイル時に config.h ファイルで設定される。

   ディレクティブ
       proc NAME

       proc NAME MAX

       proc NAME MAX MIN

              NAME  という名前のプロセスが   エージェントのマシンで稼働しているかをチェックする。
              NAME という名前のプログラムが "/bin/ps -e" で表示されるプロセステーブルにない場合、
              エラーフラグ (1)  と説明のメッセージが  mib  コラムの  1.3.6.1.4.1.2021.2.1.100  と
              1.3.6.1.4.1.2021.2.1.101 に (それぞれ) 渡される。

              MAX  と MIN が指定されない場合、MAX は infinity (無限大) で MIN は 1 であると仮定さ
              れる。

              MAX は指定されているが、MIN は指定されていない場合、 MIN は 0 であると仮定される。

       procfix NAME PROG ARGS
              このディレクティブは、NAME で指定されたプロセスで発生したエラーを  修正するためのコ
              マンドを登録する。  NAME で指定されたプログラムに対して 1.3.6.1.4.1.2021.2.1.102 が
              整数値 1 に設定された場合、このコマンドが呼び出される。  呼び出されるプログラムのデ
              フォルトは、コンパイル時の値であり、 config.h ファイルの PROCFIXCMD で定義される。

       exec NAME PROG ARGS

       exec MIBNUM NAME PROG ARGS

              MIBNUM が指定されない場合、 エージェントは PROG という名前のプログラムを引き数 ARGS
              を付けて実行し、 プログラム PROG の終了ステータスと標準出力の 1 行目を返す。 これら
              はそれぞれ mib コラムの 1.3.6.1.4.1.2021.8.1.100 と 1.3.6.1.4.1.2021.8.1.101 の値を
              クェリーしたものである。 標準出力の 1 行目以降は暗黙の内に省略される。

              MIBNUM が指定された場合も、上と同じように動作するが、 終了ステータスを MIBNUM.100.0
              に返し、  標準出力全体を  mib  テーブル内のテーブル  MIBNUM.101  に返す。  このとき
              MIBNUM.101 mib には標準出力への出力全体が入り、 1 つの mib テーブルエントリには出力
              の 1 行分が入る (つまり、出力の第 1 行は MIBNUM.101.1、 第 2 行は MIBNUM.101.2、...
              となる)。

              注意:  MIBNUM はドット区切りの整数値表記でなければならない。 (.1.3.6.1...  の代わり
                     に) ".iso.org.dod.internet..." のように 指定することはできない。

              注意:  エージェントは最初のクェリーを行った後、  実行したプログラムの終了ステータス
                     と標準出力を 30 秒間キャッシュする。  これによりその後のテーブルのクェリーの
                     スピードが上がり、        情報の一貫性が管理できる。        このキャッシュは
                     1.3.6.1.4.1.2021.100.VERCLEARCACHE を 整数 (1) に設定する snmp-set  要求によ
                     り消去される。

       execfix NAME PROG ARGS
              このディレクティブは NAME で指定された 実行プログラムまたはシェルスクリプトで発生し
              た   エラーを修正するためのコマンドを登録する。   NAME   で指定したエントリに対して
              1.3.6.1.4.1.2021.8.1.102  が整数値  1 に設定されると、 このコマンドが呼び出される。
              呼び出されるプログラムのデフォルトは、コンパイル時の値であり、 config.h  ファイルの
              EXECFIXCMD で定義される。

       disk PATH

       disk PATH [ MINSPACE | MINPERCENT% ]

              PATH  にマウントされたディスクの使用可能なディスク容量をチェックする。 ディスク容量
              が MINSPACE (kB) より少ない場合、 または % 記号を指定して MINPERCENT (%) より少ない
              場合、      または      DEFDISKMINIMUMSPACE      (kB)      が指定されていない場合、
              1.3.6.1.4.1.2021.9.1.100 mib テーブルの関連するエントリが (1) に設定され、 エラーを
              説明するメッセージが 1.3.6.1.4.1.2021.9.1.101 のクェリーによって返される。

       load MAX1

       load MAX1 MAX5

       load MAX1 MAX5 MAX15

              マシンの平均負荷をチェックし、  1 分間・5 分間・15 分間の平均がそれぞれの最大値を超
              えている場合は、 1.3.6.1.4.1.2021.10.1.100 と 1.3.6.1.4.1.2021.10.1.101  をクェリー
              して、  エラーフラグ  (1)  とテキスト文字列のエラーメッセージを返す。  MAX1,  MAX5,
              MAX15 の値のうち指定されていないものは、 デフォルトの DEFMAXLOADAVE になる。

       file FILE [MAXSIZE]
              ファイルサイズを監視し、(キロバイトで) 指定されたサイズを  超えてないかをチェックす
              る。  MAXSIZE が指定されていない場合のデフォルトは無限大になり、 エラーを報告せずに
              サイズのみを監視する。

   エラー
       上記の情報を取得するためのエラーは、          1.3.6.1.4.1.2021.101.1.100          フラグと
       1.3.6.1.4.1.2021.101.1.101 テキスト文字列をクェリーして表示される。

AGENTX サブエージェント

       snmp  マスターエージェントで AgentX サポートを有効にするためには、 snmpd.conf ファイルに以
       下のような行を書き込めばよい:

       master agentx
              このサポートはまだ実験的なもので、製品版のシステムでは使用すべきではない。   詳細は
              README.agentx を参照すること。

SMUX サブエージェント

       gated  のような  SMUX ベースのサブエージェントを有効にするためには、 以下のように smuxpeer
       設定エントリを使えばよい:

       smuxpeer OID PASS
              gated についての実際のエントリは smuxpeer .1.3.6.1.4.1.4.1.3 secret のようになる。

動的読み込み可能モジュール

       エージェントが UCD-DLMOD-MIB のサポートを組み込んでいる場合、 エージェント MIB  モジュール
       を 起動時に dlmod ディレクティブを使って動的にロードしたり、 実行中に UCD-DLMOD-MIB を使っ
       て動的にロードすることができる。 以下のディレクティブは、モジュール名プレフィックスが NAME
       である 共有オブジェクトモジュールファイル PATH をロードする。

       dlmod NAME PATH

アクセス制御

       snmpd は RFC 2275 で規定されている View-Based Access Control Model (vacm) をサポートしてい
       る。 このため、snmpd は設定ファイルにある com2sec, group, access, view  というキーワードを
       認識する。    また簡単に使用するためのラッパーディレクティブ   rocommunity,   rwcommunity,
       rouser, rwuser も認識する。

       rocommunity COMMUNITY [SOURCE] [OID]

       rwcommunity COMMUNITY [SOURCE] [OID]
              これらディレクティブは読み込みしかできないコミュニティと 読み書きできるコミュニティ
              を作成し、   エージェントにアクセスするために使用する。   これらは以下の   com2sec,
              group, access, view ディレクティブ行を簡単に使うための方法である。 これらは効率的で
              はなく、グループが作成されないために  テーブルが幾分大きくなる。 言い換えれば、複雑
              な状態を設定する場合には使用してはならない、 ということである。

              SOURCE のフォーマットは、以下の com2sec  ディレクティブセクションで  説明されている
              トークンと同じである。 OID トークンは、コミュニティのアクセスを、 指定された OID 以
              下のものだけに制限する。

       rouser USER [noauth|auth|priv] [OID]

       rwuser USER [noauth|auth|priv] [OID]
              SNMPv3 USM ユーザーを  VACM  アクセス設定テーブルに作成する。  これもまた、com2sec,
              group,  access, view ディレクティブを組み合わせて使用した方が効率的 (かつ強力) であ
              る。

              ユーザーが使用しなければならない認証とプライバシーの最低レベルを 最初のトークンで指
              定する  (デフォルトは "auth" である)。 OID パラメータは、そのユーザーのアクセスを、
              指定された OID 以下のものだけに制限する。

       com2sec NAME SOURCE COMMUNITY
              このディレクティブはソース (SOURCE) とコミュニティ (COMMUNITY) のペアから  セキュリ
              ティ名  (NAME)  へのマッピングを指定する。 SOURCE はホスト名・サブネット・"default"
              である。 サブネットは IP/MASK または  IP/BITS  で指定できる。  入ってくるパケットに
              マッチするソースとコミュニティの組み合わせが選択される。

       group NAME MODEL SECURITY
              このディレクティブはセキュリティモデル  (MODEL) と セキュリティ名 (SECURITY) のペア
              から グループ名 (NAME) へのマッピングを定義する。 MODEL は v1, v2c, usm  のいずれか
              1 つである。

       access NAME CONTEXT MODEL LEVEL PREFX READ WRITE NOTIFY
              access   ディレクティブはグループセキュリティと  モデルセキュリティのレベルを、ある
              ビュー (view) にマップする。 MODEL は any, v1, v2c,  usm  のいずれか  1  つである。
              LEVEL は noauth, auth, priv のいずれか 1 つである。 PREFX は入ってくる pdu の内容に
              対する CONTEXT のマッチの方法を指定するもので、 exact または prefix である。  READ,
              WRITE,  NOTIFY はビューに対応するアクセス方法を指定するのに使われる。 v1 または v2c
              のアクセスでは、LEVEL は noauth、 CONTEXT は空文字列である。

       view NAME TYPE SUBTREE [MASK]
              このディレクティブは指定した名前のビュー (view) を定義する。 TYPE は included  また
              は excluded である。 MASK は 16 進数で表した 8 ビットを '.' または ':' で区切ってリ
              ストにしたものである。 MASK が指定されていない場合のデフォルトは "ff" である。

              マスクを使用する理由は、比較的簡単に テーブルの 1 つの行 (row) へのアクセスを制御す
              ることにある。  例えば、ISP ではそれぞれの顧客に対して 顧客ごとのインタフェースにア
              クセスさせたいと考えるかもしれない:

              view cust1 included interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.1 ff.a0
              view cust2 included interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.2 ff.a0

              (interfaces.ifTable.ifEntry.ifIndex.1 == .1.3.6.1.2.1.2.2.1.1.1 で
              ff.a0 == 11111111.10100000 である。
              これは行インデックスをうまい具合いにカバーして含んでいるが、
              行フィールドの変更をユーザーに許可している。)

       VACM の例:
              #       sec.name  source          community
              com2sec local     localhost       private
              com2sec mynet     10.10.10.0/24   public
              com2sec public    default         public

              #             sec.model  sec.name
              group mygroup v1         mynet
              group mygroup v2c        mynet
              group mygroup usm        mynet
              group local   v1         local
              group local   v2c        local
              group local   usm        local
              group public  v1         public
              group public  v2c        public
              group public  usm        public

              #           incl/excl subtree                          mask
              view all    included  .1                               80
              view system included  system                           fe
              view mib2   included  .iso.org.dod.internet.mgmt.mib-2 fc

              #              context sec.model sec.level prefix read   write notify
              access mygroup ""      any       noauth    exact  mib2   none  none
              access public  ""      any       noauth    exact  system none  none
              access local   ""      any       noauth    exact  all    all   all

       デフォルトの VACM モデル
              最初の状態でのエージェントのデフォルトの設定は、
              機能的には以下のエントリと等価である:
              com2sec   public    default   public
              group     public    v1   public
              group     public    v2c  public
              group     public    usm  public
              view      all  included  .1
              access    public    ""   any  noauth    exact     all  none none

SNMPv3 設定

       engineID STRING
              snmpd エージェントが SNMPv3 メッセージに応答するためには engineID  を設定する必要が
              ある。  設定ファイルにこの行があれば、STRING から engineID を設定する。 engineID の
              デフォルト値は、マシンのホスト名に対して見つかる 最初の IP アドレスに設定される。

       createUser username (MD5|SHA) authpassphrase [DES] [privpassphrase]
              このディレクティブは、他の場所にある通常の設定ファイルではなく、         "/var/ucd-
              snmp"/snmpd.conf  ファイルに書くべきである。 その理由は、情報がこのファイルから読み
              込まれた後、  この行が削除され  (ユーザーのマスターパスワードの格納場所から消去され
              て)、 この行から得られるキーに置き換えられるためである。 このキーはローカルなキーで
              あり、  盗まれたとしても他のエージェントにアクセスするのには使えない。   しかしパス
              ワードが盗まれた場合は、他のエージェントにアクセスできる。

              MD5  と SHA は使用される認証タイプであるが、 SHA を使用するためにはインストールされ
              ている openssl を使って  パッケージを作成しなければならない。  現在のところプライバ
              シープロトコルがサポートされているのは  DES のみである。 プライバシーパスフレーズが
              指定されていない場合、 認証パスフレーズと同じであると仮定される。 上で説明した VACM
              アクセス制御テーブルに入れなければ、   作成したユーザーの使い道がない点に注意するこ
              と。

              警告: パスフレーズは少なくとも 8 文字である。

              snmpusm コマンドを用いれば、実行中に SNMPv3 ユーザーを作成することができる。

システム情報の設定

       syslocation STRING

       syscontact STRING

       sysname STRING
              エージェントが置かれているシステムの場所 (location)・ 連絡先 (contact)・名前 (name)
              を設定する。 この情報は mibII ツリーの 'system' グループに設定される。 通常、これら
              のオブジェクト (sysLocation.0, sysContact.0 and sysName.0) は  読み書き可能である。
              ただし、これらのオブジェクトの値に適切なトークンを付加して指定すれば、 そのオブジェ
              クトを読み込みのみにすることができ、       オブジェクトの値を設定しようとしたときに
              notWritable エラーレスポンスを返すようにできる。

       sysservices NUMBER
              system.sysServices.0 オブジェクトの値を設定する。 ホストの場合は、72 がよい。

       agentaddress [(udp|tcp):]port[@address][,...]
              デフォルトの  161 番ポートではなく、 指定したソケットのリストでエージェントのリスト
              を作成する。 複数のポートをコンマで区切って指定できる。 トランスポート名 ("udp"  ま
              たは "tcp")・コロン・ポート名のようにして、 トランスポート名を指定できる。 特定のイ
              ンタフェースにバインドするために、     アドレスを指定することができる。      例えば
              agentaddress  161,tcp:161,9161@localhost のように指定すれば、エージェントに対して、
              全てのアドレスの udp ポート 161・全てのアドレスの tcp ポート 161・ localhost のアド
              レスに関連づけられた  インタフェースの udp ポート 9161 を監視 (listen) させることが
              できる。 -T フラグを用いれば、 使用するデフォルトのトランスポートマッピングを変更す
              ることができる (上記の例では、デフォルトのトランスポートマッピングは udp である)。

       agentgroup groupid
              ポートをオープンした後で、グループ ID を指定した値に変更する。 groupid はグループ名
              またはグループ番号である。 グループ番号の場合は '#'  で始める。  例えば  agentgroup
              snmp  の場合は、エージェントを  snmp  グループで動作させる。  agentgroup #10 の場合
              は、エージェントをグループ ID 10 番で動作させる。

       agentuser uid
              ポートをオープンした後で、ユーザー ID を指定した値に変更する。 userid  はユーザー名
              またはユーザー番号である。  ユーザー番号の場合は  '#'  で始める。  例えば agentuser
              snmp の場合は、エージェントをユーザー  snmp  で動作させる。  agentuser  #10  の場合
              は、エージェントをユーザー ID 10 番で動作させる。

       interface NAME TYPE SPEED
              エージェントがタイプやスピードの推測に失敗したインタフェースに対して、 このディレク
              ティブで追加の情報を提供することができる。 TYPE は IANAifType-MIB  で指定されるタイ
              プである。

       ignoredisk STRING
              使用可能なディスクデバイスをスキャンする場合、 エージェントは使用可能なディスクデバ
              イスをオープンするときに  ブロックを行うことがある。   これによってデバイスツリーを
              辿っているときにタイムアウトが起るかもしれない。 次に辿ったときにタイムアウトになる
              かもしれないし、 毎回タイムアウトになるかもしれない。

              このような現象が起った場合は、このディレクティブを追加し、  チェックしない  (つまり
              オープンしない)  全てのデバイスを指定する。 設定ファイルにこのディレクティブを 1 つ
              以上の指定して、 オープンしない全てのデバイスを書き込む。 bourne シェルの文法の似た
              ワイルドカードを使って、 デバイスを指定することもできる (下記の例を参照すること)。

              注意: 全てのシステムでスキャンされるデバイスのリストは、 ソース (host/hr_disk.c) を
              見て、 OS タイプに対応した Add_HR_Disk_entry() コールをチェックすること。

              例:

              ignoredisk /dev/rdsk/c0t2d0

              このディレクティブは、 デバイス /dev/rdsk/c0t2d0 をスキャンさせないようにする。

              ignoredisk /dev/rdsk/c0t[!6]d0

              このディレクティブは /dev/rdsk/c0t6d0 を除く /dev/rdsk/c0tXd0 の 全てのデバイスをス
              キャンさせないようにする。 多くのシステムで同様なディレクティブとしては以下のものが
              ある:

              ignoredisk /dev/rdsk/c0t[0-57-9a-f]d0

              ignoredisk /dev/rdsk/c1*

              このディレクティブは、/dev/rdsk/c1 で始まる名前のデバイスを  全てスキャンさせないよ
              うにする。

              ignoredisk /dev/rdsk/c?t0d0

              このディレクティブは、デバイス  /dev/rdsk/cXt0d0 ('X' は任意の文字) を 全てスキャン
              させないようにする。

              どのディレクティブにおいても、 このようなワイルドカード表現を 2  つ以上使うことでき
              る。

       authtrapenable NUMBER
              authtrapenable  を 1 に設定すると、 認証の失敗が起った場合にトラップを生成する。 デ
              フォルトの値は      disabled(2)       である。       通常これに対応するオブジェクト
              (snmpEnableAuthenTraps.0) は読み書き可能であるが、 このトークンを使って値を設定する
              と読み込みだけになり、  オブジェクトの値を設定しようとした場合には  notWritable  エ
              ラーレスポンスを返す。

       trapcommunity STRING
              このコマンドはトラップを送るときに使う   デフォルトのコミュニティ文字列を定義する。
              このコマンドはコミュニティ文字列を使う以下の 3 つのコマンドより  前に使用しなければ
              ならない点に注意すること。

       trapsink HOST [COMMUNITY [PORT]]

       trap2sink HOST [COMMUNITY [PORT]]

       informsink HOST [COMMUNITY [PORT]]
              これらのコマンドはトラップを受信する (通知を送る先の) ホストを定義する。 このデーモ
              ンは起動時に Cold Start トラップを送る。 有効になっている場合は、認証が失敗したとき
              にもトラップを送る。  trapsink, trap2sink, informsink 行を複数指定すれば、 複数の送
              信先を指定することができる。   trap2sink   は    SNMPv2    トラップを送るのに使う。
              informsink  は通知を発行するのに使う。  COMMUNITY  が指定されていない場合、  以前に
              trapcommunity ディレクティブで指定した文字列が使われる。 PORT  が指定されていない場
              合、 良く知られている SNMP トラップポート (162) が使われる。

       trapsess [SNMPCMD_ARGS] HOST [COMMUNITY]
              これはより基本的なトラップ設定トークンで、  任意のトラップ送信先タイプと任意の SNMP
              バージョンを指定できる。  SNMPCMD   ARGS   として渡される引き数のより詳しい情報は、
              snmpcmd(1)  の  man ページを参照すること。 ここで挙げた引き数に加えて、特別な引き数
              -Ci があり、 unacknowledged トラップではなく通知を使用することを指定する。  (この引
              き数を指定するには、 バージョン番号 v2c または v3 を指定する必要がある)。

プロキシのサポート

       proxy [SNMPCMD ARGS] HOST OID [REMOTEOID]
              警告: この機能はサポートはβ版である。

              このトークンは受信した  OID  以下の任意のリクエストを  HOST に中継して渡す。 通常は
              ローカルの OID ツリーを新しい  REMOTEOID という場所に変更する。 HOST で認証されるた
              めには、適切な  SNMPCMD ARGS のセットを使わなければならない。 詳細は snmpcmd の man
              ページを参照すること。

              例:

              proxy -v 1 -c public remotehost .1.3.6.1.4.1.2021

              proxy -v 3 -l noAuthNoPriv -u user remotehost .1.3.6.1.3.10 .1.3.6.1.2.1.1

パススルー制御

       pass MIBOID EXEC
              MIBOID の全制御を EXEC プログラムに渡す。 EXEC プログラムは以下の 3 つのうちの 1 つ
              の方法で呼び出す:

              EXEC -g MIBOID

              EXEC -n MIBOID

                     これらの呼び出しは  SNMP get と getnext リクエストにマッチする。 EXEC プログ
                     ラムは渡された引き数を受け取り、    レスポンスを標準出力に返すと仮定されてい
                     る。

                     標準出力の  1 行目は返り値の mib OID である。 2 行目は返される値の TYPE であ
                     る。 TYPE はテキスト文字列 string, integer, unsigned,  objectid,  timeticks,
                     ipaddress,  counter, gauge のうちの 1 つである。 標準出力の 3 行目は返された
                     TYPE に対応する VALUE である。

                     例えば .1.3.6.1.4.100 へリクエストが送られたときに  スクリプトが整数値  "42"
                     を返す場合、 スクリプトは以下の 3 行を返さなければならない:
                       .1.3.6.1.4.100
                       integer
                       42

                     end-of-mib 条件や不正なリクエスが原因で、 スクリプトが応答できないことを表す
                     には、 単純に exit して標準出力に何も返さなければよい。 SNMP NO-SUCH-NAME レ
                     スポンスに対応する snmp エラーが生成される。

              EXEC -s MIBOID TYPE VALUE

                     SNMP  set リクエストを送るには、上の方法を用いる。 EXEC プログラムに渡される
                     TYPE  は、テキスト文字列  integer,  counter,  gauge,  timeticks,  ipaddress,
                     objid,  string のうちの 1 つである。 これらは次の引き数で渡される VALUE のタ
                     イプを表す。

                     標準出力に何も返さなかった場合は、set が成功したものと仮定する。  それ以外の
                     場合としては、エラーを示すために not-writable または wrong-type のいずれかの
                     文字列を返すことがあり、 適当なエラーレスポンスが生成される。

                     注意:  デフォルトでは、ユーザーのスクリプトで write (つまり snmpset)  が許可
                            されるコミュニティは、    "private"    コミュニティと    上で説明した
                            "community" トークンで別に定義した コミュニティ #2 のみである。  どの
                            コミュニティに書き込みアクセスを許可するかは、         ソースファイル
                            snmplib/snmp_impl.h の RWRITE 定義で制御できる。

              (snmpd.conf における) 例:

              pass .1.3.6.1.4.1.2021.255 /path/to/local/passtest

       pass_persist MIBOID EXEC
              MIBOID の全ての制御を EXEC プログラムに渡す。 pass と似ているが、EXEC  プログラムは
              最初のリクエストに返答した後も稼働し続ける。

              初期化の際には、EXEC   に対して標準入力から文字列  "PING\n"  が渡され、  標準出力に
              "PONG\n" を表示して返答する。

              get または getnext リクエストを送るには、  EXEC  プログラムにコマンド  (get  または
              getnext)  と mib OID という 2 行を渡す。 EXEC プログラムは、mib OID・返される VALUE
              の TYPE・ 返された TYPE に対応する VALUE という 3 行を返す。

              例えば、.1.3.6.1.4.100 の値をリクエストする場合は、 標準入力に以下の 2 行を渡す。
                get
                .1.3.6.1.4.100

              値、つまり 42 を返すために、スクリプトは以下のような書き出しを行う:
                .1.3.6.1.4.100
                integer
                42

              end-of-mib 条件または不正なリクエストが原因で、  スクリプトがリクエストに応答できな
              いことを表すには、 標準出力に "NONE\n" を書き出す。

              (snmpd.conf における) 例:

              pass_persist .1.3.6.1.4.1.2021.255 /path/to/local/pass_persisttest

       上記の情報が実際の例でどのように使われているかについては、  ソースのトップディレクトリにあ
       る EXAMPLE.CONF ファイルを参照すること。

snmpd.conf snmpd.local.conf の再読み込み

       ucd-snmp エージェントは設定ファイルを再読み込みさせることが可能である。 以下の 2  つのうち
       の 1 つを実行すればよい:

       1.     snmpset  で UCD-SNMP-MIB::versionUpdateConfig.0 (.1.3.6.1.4.1.2021.100.11.0) を整数
              (1) に設定する。

       2.     snmpd エージェントプロセスに "kill -HUP" シグナルを送る。

ファイル

       /usr/share/snmp/snmpd.conf

関連項目

       snmpconf(1), snmp.conf(5), snmp_config(5), snmpd(1), EXAMPLE.conf, read_config(3).