Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20180315+dfsg-1_all bug

名前

       quotaon, quotaoff - ファイルシステムの quota を起動・停止する

書式

       /usr/sbin/quotaon [ -vugfp ] [ -F format-name ] filesystem...
       /usr/sbin/quotaon [ -avugfp ] [ -F format-name ]

       /usr/sbin/quotaoff [ -vugp ] [ -x state ] filesystem...
       /usr/sbin/quotaoff [ -avugp ]

説明

   quotaon
       quotaon は、1 つ以上のファイルシステムについて ディスク quota を起動するようにシステムに通
       知する。 ファイルシステムの quota ファイルは、  そのファイルシステムのルートディレクトリに
       存在しなければならない。  また、ユーザーの  quota 用のファイルは aquota.user (バージョン 2
       のユーザー quota), quota.user (バージョン 1 のユーザー quota), (for version 1 user quota),
       aquota.group  (バージョン 2 のグループ quota), quota.group (バージョン 1 のグループ quota)
       という名前でなければならない。

       XFS ファイルシステムは特殊なケースである - XFS は quota 情報をファイルシステムメタデータと
       して扱い、  ジャーナルを用いて高レベルで一貫性を保証する。  XFS  ディスク quota システムに
       は、 集計 (accounting) と制限の強制 (limit enforcement)  を行う  2  つのコンポーネントがあ
       る。  XFS ファイルシステムは quota の集計をマウント時に有効にする必要がある。 quota 集計を
       有効にした後で、 XFS ファイルシステムの制限の強制を有効にしたり無効にしたりできる。 デフォ
       ルトでは集計と強制の両方が有効にされる。

       XFS  の  quota  の実装では、ユーザーから見えるファイルではなく (ファイルシステムの) 内部に
       quota 情報を格納する。

   quotaoff
       quotaoff は、指定されたファイルシステムについて 全ての quota  を停止するようにシステムに通
       知する。

オプション

   quotaon
       -a     /etc/fstab  で quota が指定された NFS 以外のファイルシステムのうち、 自動的にマウン
              トされた (noauto オプションが指定されていない) 全てのファイルシステムについて quota
              を起動する。 通常はブート時に quota を有効にするために用いられる。

       -v     quota が起動される各ファイルシステム毎にメッセージを表示する。

       -u     ユーザーの quota の操作を行なう。これがデフォルトである。

       -g     グループの quota の操作を行なう。

       -p     quota  を有効にするのではなく、 quota の状態 (つまり quota が有効か無効か) の表示だ
              けを行う。

       -f     quotaoff が呼ばれたかのように、 quotaon を動作させる。

   quotaoff
       -F format-name
              指定されたフォーマットで quota  を表示する  (つまり、フォーマットの自動判定を行わな
              い)。  指定可能なフォーマット名は以下の通り:  vfsold (バージョン 1 の quota), vfsv0
              (バージョン 2 の quota), xfs (XFS ファイルシステム上の quota)。

       -a     /etc/fstab にある全てのファイルシステムの quota を停止する。

       -v     quota が停止される各ファイルシステム毎にメッセージを表示する。

       -u     ユーザーの quota の操作を行なう。これがデフォルトである。

       -g     グループの quota の操作を行なう。

       -p     quota を無効にするのではなく、 quota の状態 (つまり quota が有効か無効か)  の表示だ
              けを行う。

       -x delete
              XFS  において、(内部で管理される) quota 情報を保持するために 使用している領域を解放
              する。 このオプションは XFS にのみ適用可能で、 他のファイルシステムタイプでは黙って
              無視される。 このオプションは以前に quota を無効にしたファイルシステムにのみ 使用可
              能である。

       -x enforce
              XFS ファイルシステムの制限の強制を無効にする (quota の集計のみを実行する)。  このオ
              プションは XFS にのみ適用可能で、 他のファイルシステムタイプでは黙って無視される。

XFS ファイルシステムについての注意

       XFS ファイルシステムの quota を有効にするためには、 mount(8) または /etc/fstab の quota オ
       プションを使い、集計と制限の強制の両方を有効にする。 quotaon  ユーティリティは、この目的に
       使うことはできない。

       XFS  ルートファイルシステムの quota を有効にするには、 Linux の rootflags ブートオプション
       を使って、 ブート時にカーネルに quota のマウントオプションを渡す必要がある。

       XFS ファイルシステムの quota 制限の強制を無効にするには、 repquota -s を使って quota  の集
       計と強制がともに有効になっていることを確認せよ。  それから quotaoff -vo を使って制限の強制
       を無効にすること。 これはファイルシステムがマウントされている間にも実行できる。

       XFS ファイルシステムの quota 制限の強制を有効にするには、 quotaon -v を使う。 これはファイ
       ルシステムがマウントされている間にも実行できる。

ファイル

       aquota.user または aquota.group
                           ファイルシステムのルートに置かれた  quota  ファイル  (バージョン  2 の
                           quota, XFS 以外のファイルシステム)。
       quota.user または quota.group
                           ファイルシステムのルートに置かれた quota  ファイル  (バージョン  1  の
                           quota, XFS 以外のファイルシステム)。
       /etc/fstab          デフォルトのファイルシステム。

関連項目

       quotactl(2), fstab(5), repquota(8).