Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20180315+dfsg-1_all bug

名前

       yppush - NIS データーベースの変更を強制的に伝播させる

書式

       /usr/sbin/yppush [ -d domain ] [ -t timeout ] [ --parallel # | --port port ] [ -h host ] [
       -v ] mapname ...

説明

       yppush は更新された NIS データーベース (やマップ) を、マスターの NIS サーバー から同じ NIS
       ドメインに所属しているスレーブサーバーにコピーする。  通常は  NIS マスターでのみ実行され、
       /var/yp/Makefile  でマスターのデーターベースが更新された後に起動される。  デフォルトでは、
       /var/yp/Makefile     からの     yppush    の起動は有効になっていない。これを有効にするには
       NOPUSH="True" の行をコメントアウトすること。
       yppush は最初に所属するドメインの ypservers NIS マップを読み、スレーブサーバーのリストを生
       成する。  送り先のホスト (-h コマンドを使えば複数のホストを同時指定できる) は コマンドライ
       ンからも指定できる。 "transfer map" 要求がそれぞれのスレーブの NIS サーバーに送られ、 転送
       エージェントである ypxfr(8)  が yppush にコールバックを行う際に必要な情報が渡される。 この
       コールバックの結果は標準エラー出力に表示することもできる。  転送ができなかったとき   (要求
       メッセージが受付けられなかったときなど) にもメッセージを表示させることができる。

オプション

       -d domain
              ドメインを指定する。デフォルトではローカルホストの  NIS ドメインが 用いられる。ロー
              カルホストのドメイン名が設定されていない場合は、   このフラグで指定しなければならな
              い。

       -t timeout
              タイムアウトの時間を秒単位で指定する。このタイムアウトは、  yppush マップ転送要求を
              あるスレーブサーバーに出したあと、 スレーブからの反応を待つ時間である。ここで指定し
              ただけ待つと、    リストの次のスレーブサーバーへ転送要求を送る。   デフォルトでは、
              yppush は 90 秒待つ。大きなマップでは充分でないかもしれない。

       --parallel #, -p #
              yppush   は通常転送を直列に行う。すなわちマップの転送要求を一つのスレーブサーバーに
              出し、その回答を待ち、そして次のスレーブサーバーに次の転送要求を出す。 多くのスレー
              ブがあるような環境下では、複数のマップ転送を同時にスタートし、 転送を並列に行う方が
              効率的である。  --port フラグで固定のポートを割り当てて、並列に動作させるのは不可能
              である。

       --port port
              yppush が接続を待つポートを指定する。 デフォルトでは yppushportmap(8)  に無作為
              なポートを割り当ててもらう。 このオプションでポートを割り当てて、 --parallel または
              -p フラグで並列に動作させることは不可能である。

       -h host
              このフラグは、ユーザーの指定するマシン (もしくはマシンのグループ)  にマップ転送を行
              うために用いる。通常は ypservers マップにリストされているサーバーに転送が行われる。
              ホストのリストを指定したい場合は、 -h フラグを複数回用いればよい。

       -v     詳細モード。実行時にデバッグ情報を表示するようになる。 このフラグを二回指定すれば、
              yppush はさらに詳細に表示する。

関連項目

       domainname(1), ypserv(8), ypxfr(8)

バグ

       NIS  v1 での NIS マップ転送メカニズムは NIS バージョン 2 とは 異なっている。この yppush は
       NIS v2 システムのマップ転送しかサポートしていない。

作者

       Thorsten Kukuk <kukuk@suse.de>