Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       rexec, rexec_af - リモートコマンドへのストリームを返す

書式

       #include <netdb.h>

       int rexec(char **ahost, int inport, const char *user,
                 const char *passwd, const char *cmd, int *fd2p);

       int rexec_af(char **ahost, int inport, const char *user,
                    const char *passwd, const char *cmd, int *fd2p,
                    sa_family_t af);

       rexec(), rexec_af():
           Since glibc 2.19:
               _DEFAULT_SOURCE
           In glibc up to and including 2.19:
               _BSD_SOURCE

説明

       このインターフェースは rcmd(3)  によって置き換えられた。

       rexec()   関数は  gethostbyname(3)  を使ってホスト *ahost を探す。ホストが存在しない場合は
       -1 を返し、それ以外の場合には *ahost にそのホストの標準的な名前を設定する。 ユーザー名とパ
       スワードの両方が指定された場合には、これらは  接続先のホストへの認証に利用される。そうでな
       い場合には、  適切な情報を入手するために、環境変数と、そのユーザーの  ホームディレクトリの
       .netrc ファイルが検索される。情報が見つからなかった時には、 ユーザーに対して情報を入力する
       プロンプトが表示される。

       ポート  inport  には、接続に使用する  DARPA  Internet  の  well-known   ポートを指定する。
       getservbyname("exec",  "tcp")  を呼び出すと構造体へのポインターが返され  (getservent(3) 参
       照)、この構造体には必要なポートが入っている。   接続に使用されるプロトコルについての詳細は
       rexecd(8)  に書かれている (訳注: 現在のところ存在しない)。

       接続に成功すると、インターネットドメインの  SOCK_STREAM 型のソケットが返され、そのソケット
       はリモートコマンドの 標準入力および標準出力となる。 fd2p が 0 以外の場合、制御プロセスへの
       補助チャンネルがセットアップされ、 補助チャンネルのファイルディスクリプターが *fd2p に書か
       れる。 制御プロセスはコマンドからの診断メッセージ出力 (ファイルディスクリプター 2)  をこの
       チャンネルで返す。また、このチャンネル経由で UNIX のシグナル番号を示すバイトを受信する。受
       信したシグナルは コマンドが属すプロセスグループに転送される。 診断情報にはリモートの認証失
       敗は含まれない。なぜなら、認証の確認が行われた  後で補助チャンネルの接続はセットアップされ
       るからである。 fd2p が 0 の場合、標準エラー (リモートコマンドのファイルディスクリプター 2)
       は  標準出力と同様に扱われ、リモートプロセスに任意のシグナルを送るための  手段は提供されな
       い。但し、リモートプロセスに対してトリガーをかけるために、 帯域外データ (out-of-band data)
       を使うことはできる。

   rexec_af()
       rexec() 関数は IPv4 (AF_INET) 上で動作する。 これに対して、 rexec_af() 関数は追加の引数 af
       があり、 この引数で呼び出し側がプロトコルを選択できる。  この引数には  AF_INET,  AF_INET6,
       AF_UNSPEC を指定できる (AF_UNSPEC は実装側がプロトコルを選択することを意味する)。

バージョン

       rexec_af() 関数は glibc バージョン 2.9 で追加された。

属性

       この節で使用されている用語の説明は attributes(7) を参照のこと。

       ┌────────────────────┬───────────────┬───────────┐
       │InterfaceAttributeValue     │
       ├────────────────────┼───────────────┼───────────┤
       │rexec(), rexec_af() │ Thread safety │ MT-Unsafe │
       └────────────────────┴───────────────┴───────────┘

準拠

       これらの関数は POSIX.1 にはない。rexec() 関数は 4.2BSD で始めて 登場し、BSD 系、Solaris や
       他の多くのシステムに存在する。rexec_af()  関数はもっと新しく、それほど広く使われているわけ
       ではない。

バグ

       rexec()  関数はネットワークに暗号化されていないパスワードを送信する。

       基礎的なサービスにおいては大きなセキュリティホールと考えられるため、  多くのサイトで無効に
       なっている。詳細は rexecd(8) を参照。

関連項目

       rcmd(3), rexecd(8)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。