Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       sincos, sincosf, sincosl - 正弦と余弦を同時に計算する

書式

       #define _GNU_SOURCE         /* feature_test_macros(7) 参照 */
       #include <math.h>

       void sincos(double x, double *sin, double *cos);
       void sincosf(float x, float *sin, float *cos);
       void sincosl(long double x, long double *sin, long double *cos);

       -lm でリンクする。

説明

       アプリケーションの中には、同じ角度 x について正弦と余弦の両方の計算が必要なものがある。 こ
       の関数は両者を同時に計算し、その結果を  *sin*cos   に格納する。この関数を使うのは、
       sin(3) と cos(3) の二つの関数を分けて呼び出すより効率的である。

       x が NaN の場合、 *sin*cos に NaN が返される。

       x  が正の無限大か負の無限大の場合、  領域エラー  (domain error) が発生し、 *sin*cos に
       NaN が返される。

返り値

       これらの関数は void を返す。

エラー

       これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7)  を
       参照のこと。

       以下のエラーが発生する可能性がある。

       領域エラー (domain error): x が無限大である
              errnoEDOM  が設定される  (「バグ」の節も参照)。 不正 (invalid) 浮動小数点例外
              (FE_INVALID) が上がる。

バージョン

       これらの関数は glibc バージョン 2.1 で初めて登場した。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌───────────────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├───────────────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │sincos(), sincosf(), sincosl() │ Thread safety │ MT-Safe │
       └───────────────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       これらの関数は GNU による拡張である。

注意

       To see the performance advantage of sincos(),  it  may  be  necessary  to  disable  gcc(1)
       built-in optimizations, using flags such as:

           cc -O -lm -fno-builtin prog.c

バグ

       バージョン  2.22 より前の glibc の実装では、 領域エラーが発生した際に、 errnoEDOM が設
       定されなかった。

関連項目

       cos(3), sin(3), tan(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。