Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       dsp56k - DSP56001 のインターフェースデバイス

書式

        #include <asm/dsp56k.h>

       ssize_t read(int fd, void *data, size_t length);
       ssize_t write(int fd, void *data, size_t length);

       int ioctl(int fd, DSP56K_UPLOAD, struct dsp56k_upload *program);
       int ioctl(int fd, DSP56K_SET_TX_WSIZE, int wsize);
       int ioctl(int fd, DSP56K_SET_RX_WSIZE, int wsize);
       int ioctl(int fd, DSP56K_HOST_FLAGS, struct dsp56k_host_flags *flags);
       int ioctl(int fd, DSP56K_HOST_CMD, int cmd);

設定

       dsp56k デバイスは、メジャー番号 55、マイナー番号 0 の キャラクターデバイスである。

説明

       Motorola  DSP56001 は、Atari Falcon030 互換のコンピュータで使われている フルプログラマブル
       な 24 ビットのデジタルシグナルプロセッサーである。 スペシャルファイル dsp56k  は、DSP56001
       の制御と 双方向ハンドシェイクホストポートでのデータの送受信のために使われる。

       データストリームをシグナルプロセッサーに送信するためには、 デバイスに対して write(2)  を使
       うこと。 処理されたデータを受信するためには、 read(2)  を使うこと。 ホスト側では、データは
       8, 16, 24, 32 ビット単位で送受信できるが、 DSP56001 内では、24 ビット単位で扱われる。

       次の ioctl(2)  コールが dsp56k デバイスを制御するために使われる。

       DSP56K_UPLOAD
              DSP56001 をリセットし、プログラムをアップロードする。 ioctl(2)  の 3 番目の引数は、
              構造体 struct dsp56k_upload へのポインターでなければならない。 構造体のメンバー bin
              は  DSP56001 バイナリプログラムを指し、 構造体のメンバー len は 24 ビットワードで数
              えた プログラムの長さに設定されていなければならない。

       DSP56K_SET_TX_WSIZE
              sets the transmit word size.  Allowed values are in the range 1 to 4,  and  is  the
              number of bytes that will be sent at a time to the DSP56001.  These data quantities
              will either be padded with bytes containing zero, or truncated to  fit  the  native
              24-bit data format of the DSP56001.

       DSP56K_SET_RX_WSIZE
              受信ワードサイズを設定する。  設定できる値は 1 〜 4 の範囲で、 このバイト数分だけ 1
              度に DSP56001 から受信する。 このデータ単位は、DSP56001 本来の 24  ビットデータ形式
              に合わせるため、 切り詰められたり、ヌルバイト ('\0') で埋められたりする。

       DSP56K_HOST_FLAGS
              ホストフラグを読み書きする。   ホストフラグは、一般的な目的で使うことのできるビット
              で、 ホストコンピュータと  DSP56001  の両方から読むことができる。  ビット  0  と  1
              は、ホストによって書き込むことができ、  ビット 2 と 3 は、DSP56001 によって書き込む
              ことができる。

              ホストフラグにアクセスするためには、 ioctl(2)   の  3  番目の引数が  構造体  struct
              dsp56k_host_flags  へのポインターでなければならない。  この構造体のメンバー  dir の
              ビット 0 または 1 が設定されると、 メンバー out  の対応するビットの値がホストフラグ
              に書き込まれる。  すべてのホストフラグの状態は、構造体のメンバー status の 下から 4
              ビットとして返される。

       DSP56K_HOST_CMD
              ホストコマンドを送信する。 送信できる値は 0 〜 31 の範囲で、DSP56001 で動作している
              プログラムによって 処理されるユーザー定義コマンドである。

ファイル

        /dev/dsp56k

関連項目

       linux/include/asm-m68k/dsp56k.h, linux/drivers/char/dsp56k.c, ⟨http://dsp56k.nocrew.org/⟩,
       DSP56000/DSP56001 Digital Signal Processor User's Manual

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。