Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20110915-1_all bug

SMTP/ESMTP のエラー処理
       先程説明したスパム防御以外にも、 fetchmail は以下の SMTP/ESMTP のエラー
       応答に対して特殊な動作を行います:

       452 (システムのディスクが不十分です)
            後で取得できるようにサーバのメールボックスにメッセージを残します。

       552 (メッセージが固定の最大メッセージサイズを越えました)
            サーバからメッセージを削除します。差出人に差戻しメールを送ります。

       553 (送信ドメインが不正です)
            サーバからメッセージを削除します。差出人に差戻しメールを送ります。

       他のエラーでは、差出人に差戻しメールが送られます。

実行制御ファイル
       fetchmail を設定する好ましい方法は、 .fetchmailrc  をホームディレクトリ
       に作成することです    (これはテキストエディタで直接行なうこともできます
       し、 fetchmailconf を使って対話的に行なうこともできます)。 コマンドライ
       ン引き数と、このファイル中の引き数が重なっている場合には、 コマンドライ
       ン引き数の方が優先されます。

       パスワードの機密を守るため、--version  オプションが有効でない場合には、
       ~/.fetchmailrc  のパーミッションは  600 (u=rw,g=,o=) でなければなりませ
       ん。 600 以外の場合には、 fetchmail は、エラー出力を行って終了します。

       fetchmail が引き数なしで実行される場合、.fetchmailrc ファイルは実行され
       る コマンドのリストとして読むことができます。

   実行制御の記法
       コメントは  '#' で始まり、その行の最後まで続きます。 そうでない場合、こ
       のファイルは フリーフォーマットかつトークン指向の文法で書かれた、  一連
       のサーバエントリか動作全体のオプションの記述で構成されます。

       トークンには 4 種類あります: すなわち、文法キーワード、数字 (つまり10進
       数を並べたもの)、    クォートされていない文字列、クォートされた文字列で
       す。 クォートされた文字列はダブルクォートで囲まれ、空白文字を含むことが
       できます (クォートされた数値は文字列として扱われます)。  クォートされて
       いない文字列は、空白で区切られる任意のトークンであり、 数値やクォートさ
       れた文字列でなく、 特殊文字 `,', `;', `:', `=' も含まないものです。

       任意の数の空白文字はサーバエントリ中のトークンを区切りますが、 それ以外
       には無視されます。  標準の  C 言語形式のエスケープ文字 (\n, \t, \b, 8進
       数, 16進数) を用いて 表示不可能な文字列や文字列の区切り文字を文字列中に
       埋め込むことができます。

       各サーバエントリは、キーワード  `poll' または `skip'、 これに続くサーバ
       名、その後に続くサーバオプション、 さらにその後に続く任意の数のユーザ記
       述から構成されます。  注意: 一番起こしやすい文法エラーの原因は、 ユーザ
       オプションとサーバオプションを混ぜてしまうことです。

       後方互換性のため、キーワード `server' は `poll' と同義になります。

       英語に似せるため、ノイズワード `and', `with', `has', `wants', `options'
       を   エントリ中の任意の場所で使うことができます。  これらは無視されます
       が、エントリがずっと読みやすくなります。 区切り文字 ':', ';', ','  も同
       じく無視されます。

   pollskip
       `poll'  を指定すると、fetchmail が引き数なしで実行した時、 このホストへ
       の問い合わせが行われます。 `skip'  を指定すると、コマンドラインで明示的
       に指定しない限り    fetchmail    はこのホストにポーリングを行いません。
       (`skip' を使うと、テスト用エントリで安全に実験を行なうことや、 一時的に
       落ちているホスト用のエントリを簡単に無効にすることができます。)

   キーワード/オプションのまとめ
       以下は正式なオプションです。   大括弧  ([])  で括られているキーワードサ
       フィックスは省略可能です。 コマンドラインオプションに対応するものの後に
       は、 `-' と適切なオプション文字があります。

       正式な動作全体のオプションを以下に示します:

       キーワード          オプション   機能
       ────────────────────────────────────────────────────────────────────
       set daemon                       バックグラウンドでのポーリング間隔
                                        を秒数で設定します。
       set postmaster                   最終的なメール受取人の名前を指定し
                                        ます。
       set no bouncemail                送信者ではなく、postmaster    にエ
                                        ラーメールを送ります。
       set no spambounce                スパム防御を受けたときに差戻しメー
                                        ルを送ります。
       set logfile                      エラーメッセージと状態メッセージを
                                        書き込むファイル名
       set idfile                       UID リストを格納するファイル名。
       set syslog                       syslog(3) を使ったエラーのログ取得
                                        を行います。
       set nosyslog                     syslog(3) を使ったエラーのログ取得
                                        を止めます。
       set properties                   fetchmail が無視する文字列の値 (拡
                                        張スクリプトが使うことがありま
                                        す)。

       以下の正式なサーバオプションを示します:

       キーワード       オプション   機能
       ─────────────────────────────────────────────────────────────────
       via                           メールサーバの  DNS   名を指定しま
                                     す。  これは  poll  名を上書きしま
                                     す。
       proto[col]       -p           プロトコルを指定します (大文字・小
                                     文字は関係ありません): POP2, POP3,
                                     IMAP, APOP, KPOP。
       local[domains]                ローカルとして扱うドメインを指定し
                                     ます。
       port             -P           TCP/IP  のサービスポートを指定しま
                                     す。
       auth[enticate]                認証のタイプを設定します (デフォル
                                     ト値は `password')。
       timeout          -t           サーバが動作していない時のタイムア
                                     ウト値を秒数で指定します (デフォル
                                     ト値は 300)。
       envelope         -E           エンベロープアドレスのヘッダ名を指
                                     定します。
       no envelope                   エンベロープアドレスの検索を無効に
                                     します。
       qvirtual         -Q           ユーザ名から取り除く、qmail のバー
                                     チャルドメインのプレフィックス。
       aka                           メールサーバの別の DNS 名
       interface        -I           サーバへのポーリングを行うためには
                                     立ち上がっていなければならない  IP
                                     インタフェースを指定します。
       monitor          -M           動作を監視する IP アドレスを指定し
                                     ます。
       plugin                        サーバ接続を確立するためのコマンド
                                     を指定します。
       plugout                       リスナ接続を確立するためのコマンド
                                     を指定します。
       dns                           マルチドロップ用の  DNS 参照を有効
                                     にします (デフォルト)。
       no dns                        マルチドロップ用の DNS  参照を無効
                                     にします。
       checkalias                    マルチドロップのために IP アドレス
                                     による比較を行います。
       no checkalias                 マルチドロップのために名前による比
                                     較を行います (デフォルト)。
       uidl             -U           POP3  で必ずクライアント側で  UIDL
                                     を使うようにします。
       no uidl                       POP3  での  UIDL  の使用を止めます
                                     (デフォルト)。
       interval                      このサイトだけを  N ポーリングサイ
                                     クル毎にチェックします。 N  は数値
                                     の引き数です。
       netsec                        IPsec セキュリティオプション要求を
                                     渡します。
       principal                     Kerberos 認証の principal を設定し
                                     ます  (imap と kerberos の場合にの
                                     み有効です)。

       正式なユーザオプションを以下に示します:

       キーワード      オプション   機能
       ────────────────────────────────────────────────────────────────
       user[name]      -u           リモートのユーザ名を設定します
                                    (name の後に `here' があると、ロー
                                    カルのユーザ名です)。
       is                           ローカルとリモートのユーザ名を繋ぎ
                                    ます。
       to                           ローカルとリモートのユーザ名を繋ぎ
                                    ます。
       pass[word]                   リモートアカウントのパスワードを指
                                    定します。

       ssl                          SSL  による暗号化を使い、 指定され
                                    た基本プロトコルを使ってサーバと接
                                    続します。
       sslcert                      クライアント側の公開  SSL 証明書を
                                    指定します。
       sslkey                       クライアント側の秘密 SSL  鍵を指定
                                    します。
       sslproto                     接続のために  ssl プロトコルを使わ
                                    せます。
       folder          -r           問い合わせをするリモートのフォルダ
                                    を指定します。
       smtphost        -S           転送先の SMTP ホスト (群) を指定し
                                    ます。
       fetchdomains                 メールを取得するドメインを指定しま
                                    す。
       smtpaddress     -D           RCPT TO 行に書くドメインを指定しま
                                    す。
       smtpname                     RCPT TO 行に書くユーザとドメインを
                                    指定します。
       antispam        -Z           スパム防御と解釈される SMTP の返し
                                    値を指定します。
       mda             -m           ローカルの配送に使う MDA  を指定し
                                    ます。
       bsmtp           -o           追加する  BSMTP バッチファイルを指
                                    定します。
       preconnect                   それぞれの接続の前に実行するコマン
                                    ド。
       postconnect                  それぞれの接続の後に実行するコマン
                                    ド。
       keep            -k           既読のメッセージをサーバから削除し
                                    ません。
       flush           -F           問い合わせの前に既読のメッセージを
                                    全てフラッシュします。
       fetchall        -a           既読・未読にかかわらず全てのメッ
                                    セージを取得します。
       rewrite                      リプライのために目的アドレスを書き
                                    換えます (デフォルト)。
       stripcr                      行末からキャリッジリターン文字を取
                                    り除きます。
       forcecr                      行末にキャリッジリターン文字を強制
                                    します。
       pass8bits                    ESMTP  リスナに対し、BODY=8BITMIME
                                    を強制します。
       dropstatus                   やってくるメールから  Status  行と
                                    X-Mozilla-Status    行を取り除きま
                                    す。
       dropdelivered                やってくるメールから  Delivered-To
                                    行を取り除きます。
       mimedecode                   quoted-printable を 8ビットの MIME
                                    形式のメッセージに変換します。
       idle                         各ポーリングの後、新しいメッセージ
                                    を待つアイドル時間 (IMAP 専用)。
       no keep         -K           既読のメッセージをサーバから削除し
                                    ます (デフォルト)。
       no flush                     問い合わせの前に既読メッセージ全て
                                    はフラッシュしません     (デフォル
                                    ト)。
       no fetchall                  新規メッセージだけを取得します (デ
                                    フォルト)。
       no rewrite                   ヘッダを書き換えません。
       no stripcr                   キャリッジリターン文字を取り除きま
                                    せん (デフォルト)。
       no forcecr                   行末にはキャリッジリターン文字を強
                                    制しません (デフォルト)。
       no pass8bits                 ESMTP リスナに BODY=8BITMIME  を強
                                    制しません (デフォルト)。
       no dropstatus                Status  ヘッダを捨てません (デフォ
                                    ルト)。

       no mimedecode                quoted-printable を 8 ビット  MIME
                                    形式の  メッセージには変換しません
                                    (デフォルト)。
       limit           -l           メッセージのサイズの上限を設定しま
                                    す。
       warnings        -w           メッセージサイズに関する警告の時間
                                    間隔を設定します。
       batchlimit      -b           1   回の接続で転送するする最大メッ
                                    セージ数。
       fetchlimit      -B           1 回の接続で取得する最大メッセージ
                                    数。
       expunge         -e           何回目のメッセージごとに削除を実行
                                    するかを指定します  (IMAP  と POP3
                                    専用)。
       tracepolls                   ポーリングトレース情報を  Received
                                    ヘッダに追加します。
       properties                   fetchmail が無視する文字列値 (拡張
                                    スクリプトで使うことができます)。

       ユーザオプションは全てサーバオプションより。

        .fetchmailrc においては、`envelope' 文字列引き数の前に、 (空白で区切っ
       て) 数値を置くことができます。 この数字が指定された場合、この値はこのよ
       うなヘッダを飛ばす数です (つまり、この引き数に 1 を指定すると、  与えら
       れたタイプの 2 番目のヘッダが選択されます)。 これは、ISP のローカルの配
       送エージェントが付けた 偽の Received ヘッダを無視する時に便利です。

   オプションスイッチに対応しないキーワード
       `folder' と `smtphost' オプションには (同等のコマンドラインオプションと
       は異なり)、  空白区切りまたはコンマ区切りの名前のリストを続けることがで
       きます。

       全てのオプションは、見た通りのコマンドライン引き数に対応しますが、 以下
       のものはこれに該当しません:   `via',  `interval',  `aka',  `is',  `to',
       `dns'/`no dns', `checkalias'/`no checkalias', `password', `preconnect',
       `postconnect',  `localdomains',  `stripcr'/`no  stripcr', `forcecr'/`no
       forcecr',  `pass8bits'/`no   pass8bits'   `dropstatus/no   dropstatus',
       `dropdelivered/no  dropdelivered', `mimedecode/no mimedecode', `idle/no
       idle', `no envelope'.

       `via' オプションは 同じサイトを指す複数の設定を使うためのものです。  こ
       れがある場合、文字列引き数は問い合わせ先の  メールサーバの実際の DNS 名
       として扱われます。 これは poll 引き数を上書きし、これを設定を区別する単
       なるラベル  (例えば、このホストを明示的に指定する時にコマンドラインで指
       定するもの) にすることができます。

       `interval' オプション (数値の引き数を取ります) を使うと、  基本的なポー
       リング間隔より少ない頻度で サーバにポーリングを行わせることができます。
       `interval N' を指定すると、このオプションが割り当てられた  サーバに対す
       る問い合わせは N 回ごとのポーリング間隔でしか行われません。

       `is'  または  `to' キーワードは、その後に続くローカル (クライアント) 名
       (または、= で区切られるサーバ名からクライアント名へのマッピング) を  エ
       ントリ中のメールサーバのユーザ名と関連付けます。 is/to のリストの最後の
       名前に `*' があれば、認識されない名前もそのまま通します。

       1 つのローカル名を使って、クライアントマシンでのユーザ名が メールサーバ
       上の名前と異なる時に、   メールのリダイレクトをサポートすることができま
       す。 ローカル名が一つしかないときは、 メッセージの  Received,  To,  Cc,
       Bcc  ヘッダに関らず、 メールはローカルのユーザ名宛に転送されます。 この
       場合には、 fetchmail は DNS の参照を行いません。

       ローカル名 (または名前マッピング) が複数ある時には、 fetchmail のコード
       は取得したメールの Received, To, Cc, Bcc ヘッダを参照します (これが「マ
       ルチドロップモード  (multidrop   mode)」です)。   fetchmail   は   poll
       名、`via',  `aka', `localdomains' オプションの いずれかにマッチする、ホ
       スト部分を持つアドレスを探し、 また DNS  で調べるとメールサーバのエイリ
       アスであるホスト名部分も通常は探します。 アドレスのマッチングの処理方法
       の詳しい内容については、 `dns', `checkalias', `localdomains', `aka'  の
       説明を参照してください。

       fetchmail がメールサーバのユーザ名にも ローカルドメインにもマッチさせら
       れない場合には、メールは差し戻されます。 このメールは通常、差出人に戻さ
       れますが、  `nobounce' オプションが有効ならば、これは postmaster に送ら
       れます (次に、これはデフォルトで  fetchmail  を呼び出したユーザになりま
       す)。

       `dns'  オプション (通常は有効) は、マルチドロップメールボックスから取り
       出した アドレスをチェックする方法を制御します。  このオプションが有効の
       時には、DNS      を使った参照を行なうことにより、      `aka'     または
       `localdomains' の宣言にマッチしないホストそれぞれのアドレスを  チェック
       するロジックが有効になります。  メールサーバのユーザ名が、 マッチするホ
       スト名部分に割り当てられていることが認識された時、 そのローカルマッピン
       グがローカルの受信者のリストに追加されます。

       `checkalias'  オプション (通常は無効) は、 マルチドロップモードの `dns'
       キーワードが実行した検出結果を拡張し、 エイリアスを使ってポーリングされ
       るものの、 自分自身を識別するにはカノニカルな名前 (canonical name) を用
       いる リモートの MTA  をうまく扱う方法を提供します。  このようなサーバが
       ポーリングされたときは、  envelope アドレスが展開されたことのチェックは
       失敗し、 fetchmail は To/Cc/Bcc ヘッダを使った配送に戻ります  (後述の「
       ヘッダ対  envelope アドレス」を参照してください)。 このオプションを指定
       すると、 fetchmail に対する、 poll 名とリモートの MTA  が使う名前の両方
       に関係する全ての IP アドレスを取得し、 これらの IP アドレスの比較を行う
       ことの指示になります。 これは、リモートサーバのカノニカルな名前が頻繁に
       変わる状況で役に立ちます。 これを使わなければ、実行制御ファイルを変更す
       る必要があります。   実行制御ファイルで   `no   dns'   が指定された場合
       は、`checkalias' は無効です。

       `aka'  オプションはマルチドロップメールボックスと一緒に使うためのもので
       す。 このオプションを使うと、サーバの DNS 的な別名のリストを 予め宣言し
       ておくことができます。 これは、速度と容量のトレードオフを可能にする、最
       適化のためのハックです。   マルチドロップメールボックスを処理している間
       に、 fetchmail がメッセージのヘッダを使ったメールサーバの名前の検索をあ
       きらめた時、 予め宣言してある共通の名前を使うと、DNS を参照するはめにな
       らないで済みます。  `aka' の引き数として与えた名前は、 拡張子としてマッ
       チされる点に注意してください -- 例えば  `aka  netaxs.com'  を指定した場
       合、     単に    netaxs.com    という名前のホストにはマッチしませんが、
       pop3.netaxs.com や mail.netaxs.com といった `.netaxs.com'  で終る任意の
       ホスト名にマッチします。

       `localdomains'  オプションを使うと、ローカルであると fetchmail が判断す
       る ドメインのリストを宣言することができます。 fetchmail  がマルチドロッ
       プモードでアドレス行を展開し、   かつ後に続くホスト名の部分が宣言された
       ローカルドメインにマッチする時、 そのアドレスは変更されずにリスナまたは
       MDA に渡されます (ローカル名マッピングは適用)。

       `localdomains'  を使っている場合には、 `no envelope' も指定する必要があ
       るかもしれません。 このオプションは、fetchmail の通常の、 Received 行や
       X-Envelope-To  ヘッダ、  あるいは以前に `envelope' で設定されたヘッダの
       いずれかから envelope アドレスを推定しようとする動作を無効にします。 デ
       フォルトのエントリ中で   `no   envelope'   を設定した場合、   `envelope
       <string>' を用いて個別エントリ中でこれを取り消すことが可能です。 特別な
       場合として、`envelope "Received"' で Received 行の展開の デフォルトの動
       作が復元されます。

       password オプションは文字列の引き数を必要とします。  この文字列はエント
       リのサーバで使うパスワードです。

       `preconnect'  キーワードを使うと、 fetchmail がメールサーバへの接続を確
       立する直前に毎回実行する シェルコマンドを指定することができます。  これ
       は、 ssh(1) に補助させて安全な POP 接続の設定をしようとする時に役に立つ
       かもしれません。 コマンドがゼロでないステータスを返した場合、  そのメー
       ルサーバへのポーリングは異常終了します。

       同様に、`postconnect'  キーワードを使うと、メールサーバへの接続が切れた
       直後に毎回実行するシェルコマンドを指定することができます。

       `forcecr' オプションは、LF だけで終わる行を転送の前に CRLF で終わるよう
       にするかどうかを制御します。 厳密に言うと RFC821 はこれを要求しているの
       ですが、 これを必須としている MTA はほとんどないので、 このオプションは
       通常は無効になっています  (このような  MTA で特に使われているのは qmail
       だけで、 書き込み時にこれを行います)。

       `stripcr' オプションは、取得したメールを転送する前に キャリッジリターン
       文字を取り除くかどうかを制御します。 通常はこれをセットする必要はありま
       せん。 なぜなら、MDA が宣言されているときには、  これはデフォルトで「オ
       ン」(CR  削除が有効)  となり、 SMTP 経由で転送されるときには「オフ」(CR
       削除が無効) となるからです。 `stripcr' と `forcecr'  が両方ともオンなら
       ば、`stripcr' が優先されます。

       `pass8bits' は、何にでも "Content-Transfer-Encoding: 7bit" を付けてくる
       馬鹿な Microsoft のメーラをうまく扱うために存在します。  このオプション
       が無効 (デフォルト) で、かつこのヘッダが存在すると、 fetchmail は ESMTP
       機能を持つリスナに対して BODY=7BIT を宣言します。 実際には 8-bit ISO や
       KOI-8 の文字集合を使っているメッセージの場合、 これは問題を起こします。
       これらの文字は上位ビットが全て落とされてしまうため、 文字化けしてしまい
       ます。 `pass8bits' がオンであれば、 fetchmail は ESMTP 機能を持つリスナ
       全てに対して必ず BODY=8BITMIME を宣言します。 リスナが 8 ビットクリーン
       であれば   (最近のめぼしいものは全部そうです)、  たぶんうまくいくでしょ
       う。

       `dropstatus' オプションは、取得したメール中の空でない  Status  行と  X-
       Mozilla-Status  行を残す (デフォルト) か破棄するかを制御します。 これら
       を残すと、お使いの MUA で (もしあれば) どのメッセージがサーバ上で既読の
       印が付けられているかを知ることができます。 一方、この動作は新着メール通
       知プログラムの一部を混乱させることがあります。   これらのプログラムは、
       Status  行が付いているものは全て既読と想定するのです。  (注意: 一部のバ
       グっぽい POP サーバが付ける 空の Status 行は無条件に削除されます。)

       `dropdelivered' オプションは、取得したメール中の Delivered-To  ヘッダを
       残す (デフォルト) か破棄するかを制御します。 このヘッダは、メールサーバ
       Qmail と Postfix が ループを防止するために使用していますが、 同じドメイ
       ン内でメールサーバを「ミラー」しようとする場合は邪魔になります。 このオ
       プションは、注意して使用して下さい。

       `mimedecode' オプションは、quoted-printable  エンコーディングを用いてい
       る MIME メッセージを純粋な 8 ビットデータに自動的に変換するかどうかを制
       御します。   ESMTP   機能を持ち、8   ビットクリーンなリスナ   (これには
       sendmail などの有名な MTA の大部分が含まれます) に メールを配送する場合
       には、 このオプションを使うと  quoted-printable  で書かれた  メッセージ
       ヘッダとデータは自動的に  8 ビットデータに変換され、 メールを読むときに
       理解しやすくなります。 お使いの電子メールプログラムが MIME メッセージを
       扱えるならば、 このオプションは必要ありません。 mimedecode オプションは
       デフォルトで無効になっています。 なぜなら、ヘッダに対して RFC2047  の変
       換を行うと文字集合の情報が消えてしまい、 ヘッダのエンコーディングが本文
       のエンコーディングと異なる場合に 好ましくない結果になるからです。

       `idle' オプションは IMAP サーバが RFC2177 IDLE コマンド拡張を  サポート
       している場合にのみ使用できます。  このオプションが設定されていて、 かつ
       IDLE コマンドをサポートしていることを fetchmail が検知した場合、 ポーリ
       ングの終了毎に IDLE コマンドが発行されます。 このコマンドを使うことで、
       IMAP サーバに接続をオープンに保持させ、  新しいメールが来たことをクライ
       アントに通知させます。 頻繁にポーリングを行う必要がある場合、 IDLE コマ
       ンドは、TCP/IP 接続とログイン/ログアウトシーケンスをなくすことで、 バン
       ド幅を押えることができます。 一方で、IDLE 接続は fetchmail のほとんどの
       時間を占めてしまいます。 なぜなら、IDLE コマンドは接続を切らず、 サーバ
       が IDLE をタイムアウトしない限り 別のプールが起こることを許可してしまう
       ためです。  複数のフォルダがある場合も動作せず、   最初のフォルダのみが
       ポーリングされます。

       `properties'  オプションは拡張のための機構です。 これは文字列の引き数を
       取りますが、fetchmail  自身はこれを無視します。  この文字列引き数を使っ
       て、   設定情報を必要とするスクリプトのための情報を保持することができま
       す。 特に、`--configdump'  オプションの出力は、 そのまま Python  スクリ
       プトとして利用できる、 ユーザエントリに関連するプロパティとなります。

   その他の実行制御オプション
       `here' と `there' は、英語と同じような意味で使える便利な単語です。 通常
       `user eric is esr' は、リモートユーザ `eric' 宛のメールが `esr'  宛に配
       達されるという意味です。 しかし、`user eric there is esr here' と書くこ
       とでもっと分かりやすくしたり、 `user esr here is eric there' と書いて意
       味を反対にすることができます。

       `protocol'   キーワードで使用できる有効なプロトコル識別子を以下に示しま
       す:

           auto (または AUTO)
           pop2 (または POP2)
           pop3 (または POP3)
           sdps (または SDPS)
           imap (または IMAP)
           apop (または APOP)
           kpop (または KPOP)

       有効な認証のタイプは  `any',  `password',  `kerberos',   'kerberos_v5',
       `gssapi', `cram-md5', `otp', `ntlm', `ssh` です。 `password' タイプは普
       通のパスワード送信による認証を指定します  (パスワードはプレーンテキスト
       のこともあれば、  APOP のようにプロトコル固有の暗号化がされていることも
       あります)。 `kerberos' を指定するとパスワード認証は行われず、 fetchmail
       はそれぞれの問い合わせの開始時に Kerberos のチケットを取得し、 パスワー
       ドとして任意の文字列を送信しようとします。    `gssapi'     を指定すると
       fetchmail  は GSSAPI 認証を使います。 さらに詳しい情報については `auth'
       キーワードの説明を参照してください。

       `kpop' を指定すると、1109 番ポート上で Kerberos V4 認証を使う POP3 プロ
       トコルが設定されます。 これらのデフォルト値は、後に現われるオプションに
       よって上書きされます。

       グローバルオプションを指定する文は現在 4 つあります。 `set logfile'  の
       後に文字列を記述したものは、 --logfile オプションの指定と同じグローバル
       な設定を行います。 コマンドラインの --logfile はこれを上書きします。 ま
       た  `set daemon' は、--daemon オプションと同じように ポーリング間隔を設
       定します。 これはコマンドラインの --daemon オプションで上書きすることが
       できます。 特例として、--daemon 0 を使って、 強制的にフォアグラウンド動
       作をさせることができます。 `set postmater' 文は、ローカルで一致するもの
       がない場合に マルチドロップメールがデフォルトで送られるアドレスを設定し
       ます。 最後に、`set syslog' を指定するとログメッセージが syslogd(8)  に
       送られるようになります。

RFC 822 との相互作用
       メッセージの送信アドレスを決めようとするとき、  fetchmail  は以下の順で
       ヘッダを参照して行きます:

               Return-Path:
               Resent-Sender: (@ または ! を含んでいない場合は無視される)
               Sender: (@ または ! を含んでいない場合は無視される)
               Resent-From:
               From:
               Reply-To:
               Apparently-From:

       送信アドレスはログの記録と、 SMTP に転送する時の MAIL FROM アドレスの設
       定のために使われます。 この順序はマルチドロップモードでメーリングリスト
       の受信を うまく処理するためのものです。  その目的は、ローカルアドレスが
       存在しない場合に、 差し戻しメッセージがメールを出した人やメーリングリス
       ト本体にむやみに返されず、 メーリングリストの管理者に届くようにすること
       です (こちらの方がまだマシです)。

       マルチドロップモードでは、宛先のヘッダは以下のように処理されます:  最初
       に、fetchmail は Received: ヘッダ (あるいは、`envelope'  で指定した任意
       のヘッダ)  を探し、 ローカルの受信者アドレスを決めます。 もしメールが複
       数の受信者に宛てたものであれば、 Received  は受信者のアドレスという点で
       は全く情報を持っていないでしょう。

       次に、fetchmail  は  Resent-To:, Resent-Cc:, Resent-Bcc: 行を探します。
       これらのヘッダが存在する場合、これらには最終的な受信者が書かれており、
       対になっている To:/Cc:/Bcc: よりも優先されます。 もし Resent-* 行が存在
       しなければ、 To:, Cc:, Bcc:, Apparently-To:  行が探されます。  (Resent-
       To: があると、To: アドレスが指している人物は 既にそのメールのコピーを受
       け取っているものと考えられます。)

設定例
       以下の多くの例では、password 宣言があるが、  これは主に例示のためのもの
       です。 アカウント/パスワードのペアを $HOME/.netrc ファイルに 隠しておく
       ことをお勧めします。 このファイルは fetchmail だけでなく ftp(1)  やその
       他のプログラムでも 使うことができます。

       基本フォーマットを以下に示します:

         poll SERVERNAME protocol PROTOCOL username NAME password PASSWORD

       例:

         poll pop.provider.net protocol pop3 username "jsmith" password "secret1"

       省略形を使えるものもあります:

         poll pop.provider.net proto pop3 user "jsmith" password "secret1"

       複数のサーバを並べることができます:

         poll pop.provider.net proto pop3 user "jsmith" pass "secret1"
         poll other.provider.net proto pop2 user "John.Smith" pass "My^Hat"

       上記の  2  つの例について、空白文字とノイズワードをいくつか増やしたもの
       を示します:

         poll pop.provider.net proto pop3
             user "jsmith", with password secret1, is "jsmith" here;
         poll other.provider.net proto pop2:
             user "John.Smith", with password "My^Hat", is "John.Smith" here;

       こう書いた方がずっと読みやすいですが、処理の手間はそんなにかかりません
       (起動時に一度行われるだけです)。

       パラメータ文字列に空白文字を含める必要がある場合には、   文字列をダブル
       クォートで囲みましょう。 以下のような形です:

         poll mail.provider.net with proto pop3:
               user "jsmith" there has password "u can't krak this"
                           is jws here and wants mda "/bin/mail"

       最初のサーバ記述では、名前の前にキーワード `poll'  ではなく、  キーワー
       ド`defaults' を置くことができます。 このようなレコードは、 全ての問い合
       わせで使われるデフォルト値として解釈されます。 これは個別のサーバ記述で
       上書きすることができます。 つまり、以下のように書くことができます:

         defaults proto pop3
               user "jsmith"
         poll pop.provider.net
               pass "secret1"
         poll mail.provider.net
               user "jjsmith" there has password "secret2"

       サーバごとに複数のユーザを指定することもできます  (これが役に立つのは多
       分、 root がデーモンモードで fetchmail を実行するときだけでしょう)。  1
       人のユーザ記述は `user' キーワードで始まり、 ユーザエントリが複数ある場
       合には、 このキーワードがユーザ指定それぞれに含まれていなければなりませ
       ん。 以下に例を示します:

         poll pop.provider.net proto pop3 port 3111
               user "jsmith" with pass "secret1" is "smith" here
               user jones with pass "secret2" is "jjones" here keep

       これは、ローカルのユーザ名  `smith'  を the pop.provider.net のユーザ名
       `jsmith' に対応させ、 ローカルのユーザ名 `jjones'  を  pop.provider.net
       のユーザ名  `jones' に対応させます。 `jones' のメールはダウンロード後も
       サーバーに残されます。

       マルチドロップメールボックス用の取得を行う簡単な設定がどんな感じかを 以
       下に示します:

         poll pop.provider.net:
               user maildrop with pass secret1 to golux 'hurkle'='happy' snark here

       これは、サーバ上のアカウント   `maildrop'  がマルチドロップボックスであ
       り、 その中のメッセージはサーバのユーザ名 `golux', `hurkle', `snark' に
       対して 展開するという指定です。 これはさらに、`golux' と `snark' はクラ
       イアントでも サーバと同じ名前を持つけれど、 サーバのユーザ `hurkle'  宛
       のメールは クライアントのユーザ `happy' に配送することも指定します。

       別の種類のマルチドロップ接続の例を示します:

         poll pop.provider.net localdomains loonytoons.org toons.org:
               user maildrop with pass secret1 to * here

       これも、サーバ上のアカウント `maildrop' が マルチドロップボックスである
       ことを指定します。  これは   fetchmail   に対し、   loonytoons.org   や
       toons.org ドメイン内のアドレス全て (`joe@daffy.loonytoons.org' のような
       サブドメインのアドレスも含みます) は 変更せずにローカルの SMTP リスナへ
       渡すことを指示します。 これを行うときにはメールのループには注意してくだ
       さい!

       ssh  と  plugin  オプションを用いた一つの設定例を示します。  問い合わせ
       は、ssh を経由して、imapd の標準入力と標準出力で直接行われます。 この設
       定では IMAP 認証が飛ばされることに注意して下さい。

       poll mailhost.net with proto imap:
               plugin "ssh %h /usr/sbin/imapd" auth ssh;
                    user esr is esr here

マルチドロップメールボックスの良い使い方と良くない使い方
       ローカルの受信者を複数持つ機能は注意して使ってください。 痛い目を見るか
       もしれません。  ETRN と ODMR モードではマルチドロップ機能は全く使えない
       点に注意してください。

       また、マルチドロップモードでは複製されたメールは 消される点にも注意して
       ください。  あるメールが複製されていると判断されるのは、 直前のメッセー
       ジと同じメッセージ ID が付いていて、 複数のアドレスが指定されている場合
       です。  このようにメッセージが連続することは、  複数のユーザ宛の 1 通の
       メールのコピーが 1 つのマルチドロップメールボックスに配送された時に起こ
       ります。

   ヘッダ対 envelope アドレス
       基本的な問題は、メールサーバに複数のユーザのメールを 1 つのメールドロッ
       プへ投げさせることにより、 それぞれのメールが実際に届けられていたユーザ
       に関する、 もしかすると非常に重要かもしれない情報 (`envelope アドレス',
       RFC822 の To/Cc/Bcc ヘッダとは対立するものです) を 捨ててしまう可能性が
       あることです。 この `envelope アドレス' は、 メールを適切に振り分けるた
       めに必要なアドレスです。

       fetchmail が envelope  アドレスを推定できることも時々あります。  メール
       サーバの  MTA  が  sendmail  であり、メールの受信者が  1 人しかいない場
       合、MTA は envelope アドレスを Received ヘッダに与える `by/for'  の項を
       書いているでしょう。  しかし、これは他の MTA でも確実に動作するとは言え
       ませんし、    複数の受信者がいる場合にも動作しません。     デフォルトで
       は、fetchmail    はこれらの行で    envelope   アドレスを探します。   -E
       "Received" または `envelope Received' を指定すると 動作をこのデフォルト
       に戻すことができます。

       これを行う代わりに、一部の  SMTP リスナやメールサーバは、 envelope アド
       レスのコピーを持つヘッダを各メッセージに挿入します。 このヘッダは (存在
       するならば)  `X-Envelope-To' のことがよくあります。 -E オプションまたは
       `envelope' オプションを用いると、 fetchmail  が想定するヘッダを変更する
       ことができます。  この種類の envelope ヘッダを書くと、(ブラインドコピー
       の受信者も含めた)  全ての受信者の名前がメッセージ受信者に明らかになって
       しまいます。  したがって、これをセキュリティ/プライバシーの問題であると
       考えるシステム管理者もいます。

       `X-Envelope-To' を少し変えたものが、 qmail がメールのループを避けるため
       に追加する `Delivered-To' ヘッダです。 これは、通常はユーザのドメインに
       マッチする文字列の前に、ユーザ名を置いたものであることが多いです。 この
       プレフィックスを取り除くには、  -Q または `qvirtual' オプションを使いま
       す。

       残念ながら、これらが両方ともうまく動作しないこともあります。 これらが全
       て失敗した場合、fetchmail  は To/Cc/Bcc ヘッダから出直して、 受信者のア
       ドレスを決めなければなりませんが、これらのヘッダは信頼できません。   特
       に、メーリングリストのソフトウェアが リスト全体のアドレスしか To ヘッダ
       に付けないでメールを送ることがよくあります。

       fetchmail がローカルの受信者アドレスを推定できず、 かつ本来の受信者のア
       ドレスが  fetchmail を実行したユーザ以外である場合、 メールは無くなって
       しまうでしょう。 これがマルチドロップ機能を危険にしている要因です。

       これに関連する問題は、メールのメッセージをブラインドコピーするとき、
       Bcc   情報は  envelope  アドレスとして伝えられるということです  (X-
       Envelope ヘッダがなければ、fetchmail  が読めるヘッダには書かれません)。
       したがって、メールサーバのホストが常に  X-Envelope ヘッダあるいはこれと
       同等のヘッダをメールドロップに入れるメッセージに書くようになっていなけ
       れば、 fetchmail 経由でメールを取得するユーザ宛のブラインドコピーは失敗
       します。

   マルチドロップメールボックスの良い使い方
       ローカル名を複数使うことにより、fetchmail のクライアント側から メーリン
       グリストを管理することができます。  あなたのユーザ名が `esr' であり、自
       分宛のメールを受け取ることと (例えば) "fetchmail-friends" という 名前の
       メーリングリストの管理を両方やりたいとします。 それから、あなたのクライ
       アントマシンで エイリアスのリストも管理したいものとします。

       サーバでは、`fetchmail-friends' を `esr' に  エイリアス設定することがで
       きます。  それから、.fetchmailrc では `to esr fetchmail-friends here'を
       宣言します。 すると、`fetchmail-friends' をローカルアドレスとして含んで
       いる  メールが取得されたとき、 メーリングリストの名前が SMTP リスナが見
       ている受信者のリストに追加されます。 したがって、エイリアスの展開はロー
       カルで行われます。  必ず、`esr' を fetchmail-friends のローカルのエイリ
       アス展開に含めてください。 さもないと、このメーリングリストだけが宛先に
       なっている  メールを絶対に見ることができません。 また、リスナの「自分に
       も」というオプションを必ずセットして (sendmail では -oXm コマンドライン
       オプションか、OXm  宣言です)、 あなたが送ったメッセージのエイリアス展開
       から あなたの名前が削除されないようにしてください。

       しかし、このトリックに問題がないわけではありません。 あなたがローカル名
       として宣言して メーリングリストだけが宛先になっているメールが来る
       と、 その問題が明らかになるでしょう。  このようなメッセージのそれぞれに
       は、     `X-Fetchmail-Warning'     ヘッダが付いています。    このヘッダ
       は、fetchmail が受信者アドレス中で 有効なローカル名を見つけられなかった
       ために生成されるものです。 このようなメッセージは、デフォルトで (既に述
       べたように) fetchmail を実行しているローカルユーザに送られますが、 それ
       が本当に正しい処置なのかをプログラム側から知る方法はありません。

   マルチドロップメールボックスの良くない使い方
       マルチドロップメールボックスと、デーモンモードで複数のユーザにサービス
       を行う fetchmail を同時に使ってはいけません。  繰り返しますが、メーリン
       グリストからのメールで問題が起こります。 このようなメールには通常、受信
       者個人のアドレスが書かれていないのです。 fetchmail が envelope アドレス
       を推定できなければ、このようなメールは fetchmail を実行したユーザ (root
       であることが多いでしょう) にしか届きません。 また、ブラインドコピーの宛
       先になっているユーザはきっと、 このようなメールが全く読めないでしょう。

       もし、  fetchmail  を使って 1 つのメールドロップから POP や IMAP 経由で
       複数ユーザ宛のメールを取得しようと考えているならば、考え直してください
       (そして、前述のヘッダと  envelope アドレスに関する セクションを読み直し
       てください)。 メールは単にメールサーバのキューに入れておき、  fetchmail
       の  ETRN や ODMR モードを使って定期的に SMTP での送信を行わせる方が賢い
       やりかたでしょう  (この場合はもちろん、メールサーバでのメールの有効期限
       よりも短い間隔で ポーリングをしなければならないことになります)。 このよ
       うな設定ができないのならば、UUCP による配送を設定してみてください。

       どうしてもこの目的でマルチドロップをのであれば、
       fetchmail が参照できる envelope アドレスヘッダを メールサーバが書き込む
       ように必ずしてください。   さもなくば、メールはきっと無くなってしまい、
       あなたを呪うために帰ってくることになるでしょう。

   マルチドロップのチェックの高速化
       通常は、複数のユーザが宣言されているとき、 fetchmail は受信者アドレスを
       先程説明したように展開し、 それぞれのホスト部分を DNSでチェックし、  こ
       れがメールサーバのエイリアスかどうかを調べます。 そうであれば、「to ...
       here」宣言で記述された名前のマッピングが実行され、 メールがローカルに配
       送されます。

       これはとても安全ですが、非常に遅い方法です。 これを高速化するためには、
       `aka' を使ってメールサーバのエイリアスを予め宣言してください。 これらは
       DNS の参照を行う前にチェックされます。 aka のリストがメールサーバの DNS
       エイリアス (および、これを指す全ての MX 名) を 全て  含んでいることが確
       かであれば、`no dns' を宣言して DNS 参照を完全に止め、 aka リストに対し
       てマッチングを行わせることができます。

終了コード
       シェルスクリプト内で fetchmail をうまく使えるように、与えられた接続の間
       に起きたことを伝えるための 終了コードが返されるようになっています。

       fetchmail が返す終了コードを以下に示します:

       0      1  つ以上のメッセージがうまく取得できた場合 (-c オプションを指定
              している時は、    取得待ちのメールを見つけ、取得を行わなかった場
              合)。

       1      取得待ちのメールが無かった場合。 (サーバ上に古いメールがまだある
              けれど、 取得されるものとして選ばれていなかった場合もあります。)

       2      メール取得のためにソケットをオープンしようとしたときにエラーに出
              会った場合。  ソケットが何かを知らなくても、心配には及びません。
              これは単に「どうしようもないエラー」として扱ってください。  この
              エラーは fetchmail が使おうとしたプロトコルが /etc/services にリ
              ストされていない場合にも起こります。

       3      ユーザ認証のステップで失敗した場合。 これは通常、ユーザ ID、パス
              ワード、 APOP ID の指定が間違っていることを意味します。 これ以外
              の場合では、標準入力が端末に接続されていない状況で fetchmail  を
              実行しようとしていて、  入力できなかったパスワードを入力するため
              のプロンプトが 出せないことを意味しています。

       4      何らかの種類の致命的なプロトコルエラーが検出された場合。

       5      fetchmail に与えた引き数に文法エラーがある場合。

       6      実行制御ファイルのパーミッションが正しくない場合。

       7      サーバからエラー状態が報告された場合。      サーバへの接続待ちで
              fetchmail がタイムアウトを起こした時にもこうなります。

       8      クライアント側の排他エラーの場合。これは  fetchmail が既に動作し
              ている別の fetchmail を検出したか、検出に失敗したため  fetchmail
              が動作しているかどうかはっきりしないことを意味します。

       9      サーバが応答で "lock busy" を返したために、 ユーザ認証ステップが
              失敗した場合。 ちょっと待ってから再挑戦してください!  このエラー
              はプロトコル全てに実装されているわけではないですし、  サーバ全て
              に実装されているわけでもありません。  このエラーがサーバに実装さ
              れていない場合には、 このコードではなく "2" が返されます (前の項
              目を参照してください)。   "lock   busy"   やこれに似たテキストで
              "lock" という語を含むものを応答として返す、 qpopper や他のサーバ
              と通信したときにこのコードが返されることがあります。

       10     SMTP    ポートのオープンやトランザクションを行おうとしている時に
              fetchmail の動作が失敗した場合。

       11     致命的な DNS のエラー。fetchmail が起動時に DNS の参照に失敗し、
              その先を実行できなかったときに起こります。

       12     BSMTP のバッチファイルをオープンできなかった場合。

       13     取得の制限によりポーリングが終了した (--fetchlimit  オプションを
              参照)。

       14     サーバがビジーであることを示します。

       23     内部エラーの場合。標準エラー出力に出るメッセージを詳しく見てくだ
              さい。

       fetchmail が複数のホストに問い合わせを行う場合、 の問い合わせで
       メールをうまく取得できれば、 ステータス 0 が返されます。 そうでないに返
       されるエラーステータスは、 最後に問い合わせを行ったホストのステータスと
       なります。

ファイル
       ~/.fetchmailrc
            デフォルトの実行制御ファイル

       ~/.fetchids
            ホストと前回の読んだメールのメッセージ  ID を対応づける ファイルの
            デフォルトの位置 (UIDL コマンドをサポートしている、 RFC1725 準拠の
            最近の POP3 サーバでしか使うことができません)。

       ~/.fetchmail.pid
            多重実行を防ぐためのロックファイル (非 root モードの場合)。

       ~/.netrc
            FTP  の実行制御ファイル。(もしあるならば) 対話的にパスワードを求め
            る前に、 最終的にパスワードが検索されるファイルです。

       /var/run/fetchmail.pid
            多重実行を防ぐためのロックファイル (root モード、Linux の場合)。

       /etc/fetchmail.pid
            多重実行を防ぐためのロックファイル (root モード、/var/run が無いシ
            ステムの場合)。

環境変数
       環境変数  FETCHMAILUSER が設定されている場合、 エラー通知をメールで知ら
       せるためのユーザ名として使われます  (デフォルトではローカル名が使われま
       す)。  この環境変数が設定されていない場合、 環境変数 LOGNAME か USER の
       値が正しく設定されていれば (例えば、この値に対応する UID がセッションの
       ユーザ  ID に一致する)、 その名前がデフォルトのローカル名として使われま
       す。 これらの環境変数も設定されていない場合、 getpwuid(3)  がセッション
       ID  に対する パスワードエントリを取得できなければいけません (このような
       手の込んだロジックは、 1 つのユーザ ID に複数のユーザ名が対応する場合を
       うまく扱うために用意されています)。

       環境変数  FETCHMAILHOME が 実際に存在する正しいディレクトリ名に設定され
       ている場合、 ファイル .fetchmailrc, .fetchids, .fetchmail.pid は、 起動
       したユーザのホームディレクトリではなく、 この環境変数で指定したディレク
       トリに置かれます       (ファイル名の先頭にあるドットは取り除かれます)。
       .netrc  ファイルは、FETCHMAILHOME  の設定に関係なく、  起動したユーザの
       ホームディレクトリでロックされます。

シグナル
       fetchmail デーモンが root 権限で動作している場合には、 SIGHUP  によりス
       リープ状態から覚め、  skip 指定でないサーバ全てに対してポーリングを行い
       ます (これはシステムデーモンの普通の伝統に従うものです)。

       デーモンモード fetchmail が root 権限以外で動作している場合、  デーモン
       を起こすには  SIGUSR1 を使います (logout による SIGHUP がデフォルトの動
       作をそのまま持ち、 fetchmail を kill するかもしれないためです)。

       バックグラウンドで  fetchmail  が動作しているときに、フォアグラウンドで
       fetchmail を実行すると、上記のうち適切なデーモンが起こされます。

バグと既知の問題
       mda  オプションと  plugin オプションは相性が良くありません。 MDA からエ
       ラー状態を取得するためには、 fetchmail は通常のシグナル処理を変更する必
       要があります。  このようにすると、ポーリングサイクルが終るまで 死んだプ
       ラグインプロセスが破棄されません。 そして、ゾンビプロセスが非常にたくさ
       んできた場合は  リソースの枯渇が起こってしまいます。 プラグインを使った
       MDA への配送を行わないか、 大量のゾンビプロセスで溢れるかもしれないリス
       クを負うかのどちらかになります。

       マルチドロップモードで使われている RFC822 アドレスのパーザは、 技術的に
       は正しいけれどおかしな  @-アドレスで詰まってしまうことがあります。   ま
       た、クォートと埋め込みコメントの使い方がおかしいと、 パーザの動作がおか
       しくなりやすいです。

       メッセージに複数の envelope ヘッダがある場合、 fetchmail には最後に処理
       されたヘッダしか見えません。 これを回避するには、 envelope ヘッダの内容
       全てを 1 つのヘッダにまとめるフィルタ (procmail, mailagent, maildrop に
       手順を指示すれば、 これはかなり簡単に行えます) をメールサーバ側で使って
       ください。

       プロトコルのうちのいくつかを使う場合には、 プログラムが暗号化されていな
       いパスワードを  メールサーバまで TCP/IP 接続上で送る必要があります。 こ
       れは、パケットスニファ (packet sniffer) や もっと高機能な監視ソフトウェ
       アによって  名前とパスワードの組を盗まれる危険性の元となります。  Linux
       と FreeBSD の場合、--interface オプションを使うと、  特定のローカルまた
       はリモートの IP アドレスを持つ 特定のインタフェースデバイスに対してのみ
       ポーリングが可能であるように制限できますが、 その場合でも (a)  どちらか
       のホストが  無差別モード (promiscuous mode) でオープンできる ネットワー
       クデバイスを持っているか、 (b) 間にあるネットワーク接続が盗聴可能であれ
       ば盗聴は可能です。 パスワードを暗号化するだけでなく、全ての通信を暗号化
       するためにも、 ssh(1) トンネリングの使用をお勧めします。

       mda オプションで  %F,  %T  エスケープを使うとセキュリティホールができま
       す。  なぜなら、これらのエスケープは攻撃者が操作できるテキストを シェル
       コマンドに渡すからです。 シェル文字になる可能性があるものは、実行の前に
       `_'  に置換されます。 fetchmail は MDA を実行している間、 SUID により得
       ることができた権限を一時的に全て破棄するので、 このセキュリティホールは
       かなり小さくなっています。         しかし、できるだけ安全にするために、
       fetchmail をroot のアカウントから実行するときには、 %F, %T を含むmda コ
       マンドを使ってはいけません。

       fetchmail における bouncemail と spambounce の出し方では、 ローカルホス
       トの 25 番ポートで SMTP 経由のメールが送れなければなりません。

       このプロセスをバックグラウンドで実行している時に ~/.fetchmailrc  を修正
       し、文法を間違ってしまうと、 バックグラウンドのプロセスは何も言わずに終
       了してしまいます。 悪いことに、このプログラムは何かを書き出して終了する
       ことができません。  なぜなら、syslog を有効にすべき否かが、まだ分からな
       いからです。

       (設定を標準入力から読み込む) -f - オプションは、 プラグインオプションと
       は互換性がありません。

       UIDL  コードは一般的にあまり当てにならないもので、 行を飛ばした場合やエ
       ラーの場合に、コードの状態を失いやすい傾向があります    (そのため、古い
       メッセージが再度閲覧されてしまいます)。  このような場合は、IMAP4 に乗り
       換えて下さい。

       `principal' オプションは Kerberos IV しか扱わず、 Kerberos V は扱いませ
       ん。

       コメント、バグ報告、苦情の類は、fetchmail-friends      メーリングリスト
       <fetchmail-friends@lists.ccil.org> に送ってください。 HTML 版の FAQ  が
       fetchmail                                    のホームページにあります。
       http://www.tuxedo.org/~esr/fetchmail へ行くか、 `fetchmail'  関連のペー
       ジを WWW で検索してください。

著者
       Eric  S. Raymond <esr@snark.thyrsus.com>。 ここでは挙げられないほど多く
       の方々がコードやパッチを提供してくださいました。 このプログラムは  Carl
       Harris <ceharris@mal.com> さん作の popclient を基にしており、これを置き
       換えるものです。  内部的にはまったく異なるものになりましたが、   インタ
       フェース設計の一部については、 このご先祖様のものをそのまま引き継いでい
       ます。

関連項目
       mutt(1), elm(1), mail(1), sendmail(8), popd(8), imapd(8), netrc(5)

準拠している標準規約
       SMTP/ESMTP:
            RFC 821, RFC2821, RFC 1869, RFC 1652, RFC 1870, RFC1983, RFC 1985

       mail:
            RFC 822, RFC2822, RFC 1123, RFC 1892, RFC 1894

       POP2:
            RFC 937

       POP3:
            RFC 1081, RFC 1225, RFC 1460, RFC 1725,  RFC1734,  RFC  1939,  RFC
            1957, RFC2195, RFC 2449

       APOP:
            RFC 1460, RFC 1725, RFC 1939

       RPOP:
            RFC 1081, RFC 1225

       IMAP2/IMAP2BIS:
            RFC 1176, RFC 1732

       IMAP4/IMAP4rev1:
            RFC  1730,  RFC  1731, RFC 1732, RFC 2060, RFC 2061, RFC 2195, RFC
            2177, RFC 2683

       ETRN:
            RFC 1985

       ODMR/ATRN:
            RFC 2645

       OTP: RFC 1938

       LMTP:
            RFC 2033

       GSSAPI:
            RFC 1508

                                                                  fetchmail(1)