Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20110915-1_all bug

名前

       ln - ファイルへのリンクを作成する

書式

       ln [options] source [dest]
       ln [options] source... directory

       POSIX オプション: [-f]

       GNU  オプション (簡略形式): [-bdfinsvF] [-S backup-suffix] [-V {numbered,existing,simple}]
       [--target-directory=dir] [--help] [--version] [--]

説明

       ln コマンドはファイルへのリンクを作成する。特に指定がないとハードリンクを作成する; -s オプ
       ションを指定するとシンボリック (もしくはソフト) リンクを作成する。

       Unix  には通常ハードリンクとソフトリンクと呼ばれる、 2 つの「リンク」の概念がある。 ハード
       リンクは単にファイルの名前である。 (ファイルは複数の名前を持つことができる。  その最後の名
       前が削除された場合にのみディスク上から実体が消去される。 ファイルが持つ名前の数は ls(1) コ
       マンドで知ることができる。 「もともと」の名前というものは無い:  すべての名前は同じステータ
       スを持っている。    通常、必須では無いが、ファイルの名前はすべてそのファイルシステム内にあ
       り、 それ自身のデータもそこに持っている。

       ソフトリンク (もしくはシンボリックリンク、または symlink) というのは  まったく違った種類の
       ものである:  実体はパス名を含んだ小さくて特殊なファイルである。 従って、ソフトリンクは異な
       るファイルシステム上 (たぶん他のマシンからマウントされた  NFS)  のファイルを指すことができ
       る。 また実際には存在しないファイルを指していても構わない。 (open(2) または stat(2) といっ
       たシステムコールにより) アクセスされた場合、  シンボリックリンクへの参照は、オペレーティン
       グシステムのカーネルにより    そのパス名で指示されるファイルへの参照として置き換えられる。
       (しかし、 rm(1) コマンドや unlink(2)  関数ではリンク自身が削除され、リンクが指しているファ
       イルは削除されない。  lstat(2) や readlink(2) 関数といったシンボリックリンクや、リンクが指
       しているファイル名のステータスを  得る特殊なシステムコールがある。  その他の色々なシステム
       コールでは、その操作の対象がシンボリックリンク  そのものなのか、それが指しているファイルな
       のかといったことについて、 オペレーティングシステム間で不明瞭さや違いがある。)

       · 1 つのファイルのみ与えられた場合、 そのファイルをカレントディレクトリにリンクする。 つま
       り、(一番最後におかれた)  ファイル名と同じ名前でファイルへのリンクをカレントディレクトリに
       作る。 (これは GNU での拡張機能である)

       · 最後の引き数がすでに存在するディレクトリであった場合、 ln コマンドはそのディレクトリ内に
       source  ファイルで指示されたそれぞれに対するリンクを作る。 その名前は (一番最後におかれた)
       source ファイルの名前と同じ名前を持つ。 (以下の --no-dereference オプションの説明を参照)

       · 引き数にファイルが2つ指定された場合、 source  を指す  dest  という名前のリンクが作成され
       る。 最後の引き数がディレクトリでは無いのに、2 つ以上のファイルが指定された 場合はエラーと
       なる。

       特に指定がないと、  ln  コマンドは存在しているファイルや、シンボリックリンクの削除はできな
       い。  (そのため、ロックの目的で使うことができる: dest が存在しない場合のみ正常終了する) -f
       オプションを指定することで強制的に削除することができる。

       今ある実装では、ディレクトリへのハードリンクの作成ができる場合でも、  スーパーユーザーにの
       み許される操作としている。  link(2) システムコールや ln コマンドでのディレクトリへのハード
       リンクの作成を POSIX では禁止している。  (しかし異種のファイルシステムをまたがったハードリ
       ンクは禁止していない。)

POSIX オプション

       -f     指定したリンクファイルがすでにあった場合は削除する。

GNU オプション

       -d, -F, --directory
              スーパーユーザーがディレクトリへのハードリンクを作成するのを許す。

       -f, --force
              指定したリンクファイルがすでにあった場合は削除する。

       -i, --interactive
              指定したリンクファイルがすでにあった場合は、削除するかどうか問い合わせを行う。

       -n, --no-dereference
              明示的にディレクトリにシンボリックリンクしているリンクファイル が指定された場合、そ
              れを普通のファイルと同じように扱う。
              リンク先が実際のディレクトリ (どこかへのシンボリックリンクではない)  の場合、  その
              ディレクトリ内にリンクが作成される。 しかしディレクトリへのシンボリックリンクがリン
              クファイルとして指定された場合、 2 つの可能性がある。 ln コマンドは指定されたリンク
              ファイルを通常のディレクトリのように扱い、   その中にリンクを作成することができる。
              もう 1 つは、リンクファイルが非ディレクトリ -  シンボリックリンクそのものであるとし
              て扱うことができる。  その場合には、  ln コマンドは新しいリンクを作成する前にシンボ
              リックリンクを削除、 またはバックアップする必要がある。  デフォルトでは、ディレクト
              リへのシンボリックリンクが指定された場合には、 ディレクトリと同じように扱う。

       -s, --symbolic
              ハードリンクの代わりにシンボリックリンクを作成する。 シンボリックリンクをサポートし
              ないシステムでは、 このオプションを指定すると単にエラーメッセージを出力する。

       --target-directory=DIR
              コマンドラインの最後の引き数として指定する代わりに、 このオプションでリンク先ディレ
              クトリを指定する。 xargs(1) と一緒に使う場合に便利である。

       -v, --verbose
              リンクを作成する前にそれぞれの名前を出力する。

GNU バックアップオプション

       GNU 版のプログラム cp, mv, ln, install, patch は、指示すれば上書き、修正、削除といった場合
       に ファイルのバックアップを作成する。 バックアップファイルを必要とする場合は -b オプション
       で指示する。  どういう名前にするかは  --backup オプションで指定する。 バックアップファイル
       の名前を、ファイル名の添字の拡張によって 与えるようにしたい場合、この添字を -S  オプション
       で指示する。

       -b, --backup[=METHOD]
              上書きもしくは削除の必要がある場合にはファイルのバックアップを作成する。  -b は引き
              数をとらない点に注意すること。

       -S SUFFIX, --suffix=SUFFIX
              SUFFIX をバックアップファイルそれぞれに付け加える。  このオプションが指定されていな
              い場合、環境変数         SIMPLE_BACKUP_SUFFIX        に設定されている値が使われる。
              SIMPLE_BACKUP_SUFFIX が設定されていない場合、デフォルトは `~' である。

       -V METHOD, --version-control=METHOD
              このオプションは推奨されない。 代わりに --backup=METHOD を使うこと。
              バックアップファイルの命名方法を指定する。 METHOD 引き数として  `numbered'  (または
              `t')、`existing' (または `nil')、 `never' (または `simple') を指定できる。 このオプ
              ションが指定されていない場合、環境変数       VERSION_CONTROL       の値が使われる。
              VERSION_CONTROL が設定されていない場合、デフォルトのバックアップタイプは `existing'
              である。

              このオプションは Emacs 変数の `version-control' に対応している。 有効な  METHOD  は
              (他と重複しない短縮形が使える):

              t, numbered
                     常に番号の添字を持つバックアップが作られる。

              nil, existing
                     番号の添字を持つバックアップがすでにある場合には番号の添字を持つバックアップ
                     を、そうでない場合には単純なバックアップを作成する。

              never, simple
                     常に単純なバックアップが作られる。

GNU 標準オプション

       --help 標準出力に使用方法のメッセージを出力して正常終了する。

       --version
              標準出力にバージョン情報を出力して正常終了する。

       --     オプションリストを終了する。

環境変数

       変数 LANG, LC_ALL, LC_CTYPE, LC_MESSAGES が通常の意味を持つ。

準拠

       POSIX 1003.2 に準拠する。 しかし、POSIX 1003.2  (1996)  ではソフトリンクについて触れていな
       い。 ソフトリンクは BSD により持ち込まれ、System V release 3 (そしてそれ以前) のシステムで
       は無い。

関連項目

       ls(1), rm(1), link(2), lstat(2), open(2), readlink(2), stat(2), unlink(2)

注意

       このページでは fileutils-4.1 パッケージでの ln コマンドについて説明している。 その他のバー
       ジョンでは少し違いがあるかもしれない。   修正や追加は   aeb@cwi.nl,  aw@mail1.bet1.puv.fi,
       ragnar@ragnar-hojland.com 宛てにメールで連絡してほしい。  プログラムのバグについては  bug-
       fileutils@gnu.org へ報告してほしい。