Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20131015+dfsg-2_all bug

名前

       lspci - 全ての PCI デバイスを表示する

書式

       lspci [options]

説明

       lspci はシステムの全ての PCI バスと、そこにつながっている全てのデバイスに関する 情報を表示
       するユーティリティである。

       もし、PCI デバイスのドライバ、または lspci 自身についてのバグを報告するなら、 "lspci -vvx"
       の出力を含めるようにして欲しい。

オプション

       -v     lspci の出力を詳細にして、全てのデバイスに関して詳しい情報を表示する。

       -vv    lspci  の出力をより詳細にし、さらに多くの情報  (PCI デバイスが渡す情報の本当に全て)
              を表示する。 これらのデータの正確な意味は、このマニュアルページでは説明しない。  詳
              しく知りたければ /usr/include/pci.h または、PCIの規格を参照せよ。

       -n     PCI ID データベースを調べる代わりに、 PCI ベンダとデバイスコードを数字で表示する。

       -x     (標準のヘッダである)  PCI 設定空間 (PCI configuration space) の 先頭 64 バイトの 16
              進ダンプを表示する。 ドライバまたは lspci 自身のデバッグに有用である。

       -xxx   PCI 設定空間の全ての 16 進ダンプを表示する。 これは root のみが利用できる。  何故な
              らば、幾つかの  PCI  デバイスは 設定空間の未定義部分を読み込もうとすると クラッシュ
              するからである (この動作は多分 PCI 標準には違反しないが、少なくとも恐ろしく間抜けで
              はある)。

       -b     バスから見た表示をする。 カーネルから見える IRQ とアドレスの代わりに、 カードと PCI
              バスから見える IRQ とアドレスを全て表示する。

       -t     全てのバス・ブリッジ・デバイスと、それらの間の接続を含む図を木構造で表示する。

       -s [[<bus>]:][<slot>][.[<func>]]
              指定されたバス (bus)・スロット (slot)・機能 (func) のデバイスのみを表示する。  デバ
              イスの指定の各要素は省略可能で、また "*" は「任意の値」を意味する。 全ての数値は 16
              進数で入力する。 例えば、"0:" はバス 0 の全てのデバイスを、 "0"  は全てのバスのデバ
              イス  0 で全ての機能を意味し、 "0.3" は全てのバスのデバイス 0 で 3 番目の機能を選択
              し、 ".4" は各デバイスの 4 番目の機能を表示する。

       -d [<vendor>]:[<device>]
              指定されたベンダ ID とデバイス ID を持つデバイスのみを表示する。 両 ID とも 16 進で
              与えられる。省略も可能である。  また、「任意の値」を意味する "*" を指定することも可
              能である。

       -i <file>
              <file> を /usr/share/pci.ids の代わりの PCI ID データベースとして用いる。

       -p <dir>
              <dir>/proc/bus/pci の代わりに、PCI バスの情報を持つディレクトリとして用いる。

       -m     スクリプトで簡単にパースできるように、 機械可読形式で PCI  デバイスのデータをダンプ
              する (通常のフォーマットと、詳細なフォーマットとの両方がサポートされている)。

       -M     バスマッピングモード (bus mapping mode) で起動する。 これは設定に失敗したブリッジの
              後にあるものを含めて、 全てのデバイスを見つけるために広範囲にスキャンする。  これは
              デバッグのみを意図していることに注意すること。 これはマシンをクラッシュさせるかもし
              れない (バグのあるデバイスの場合のみではあるが、不幸にもそれは存在する) ので、 root
              のみが使える。  ハードウェアに直接は触らないような  PCI のアクセス方法において、 -M
              を使うことは意味がない。 何故ならば、(lspci のモジュール関連バグを除けば)  実行結果
              は 通常の表示モードと同じだからである。

       --version
              lspci のバージョンを表示する。このオプションは、単独で使用すべきである。

PCILIB のオプション

       PCI utilities は PCI カードとやりとりするために PCILIB (PCI 設定空間にアクセスするための機
       能を提供する、プラットフォームに依存せず移植性の高いライブラリ)   を用いている。以下のオプ
       ションは、ライブラリのパラメータ、特にどのアクセス方法が使われるか、を制御する。デフォルト
       では、 PCILIB はアクセス方法で可能なもののうち最初のものを用い、デバッグ情報を何も表示しな
       い。各々のスイッチには、そのスイッチに対応しているハードウェア/ソフトウェアの設定リストが
       付随する。

       -P <dir>
              /proc/bus/pci の代わりに、 <dir> を使った Linux /proc/bus/pci  スタイルの設定でアク
              セスを行わせる。 (Linux 2.1 またはそれ以降でのみ有効)

       -H1    インテル設定メカニズム  1 (Intel configuration mechanism 1) を使って、 ハードウェア
              に直接アクセスする。(i386 及びその互換でのみ有効)

       -H2    インテル設定メカニズム 2 (Intel configuration mechanism 2) を使って、  ハードウェア
              に直接アクセスする。  警告: この方法では各バスの最初の 16 デバイスしか扱えず、 多く
              の場合殆んど信頼できない。(i386 及びその互換でのみ有効)

       -S     PCI アクセスシステムコールを使う。(Alpha/Linux と UltraSparc でのみ有効)

       -F <file>
              lspci -x の実行結果を格納しているファイルから、全ての情報を取り出す。  ユーザーから
              提供されたバグ報告の解析に役立つ。 なぜならば、さらなるダンプをユーザーに要求するこ
              となく、 ハードウェアの設定をあなたの好きなやり方で表示することができる。 (全てのシ
              ステムで有効)

       -G     ライブラリのデバッグレベルを上げる。(全てのシステムで有効)

ファイル

       /usr/share/pci.ids
              既知の PCI ID (ベンダ・デバイス・クラス・サブクラス) のリスト。

       /proc/bus/pci
              2.1.82  以降の Linux カーネルで提供される PCI バス設定空間へのインタフェース。 バス
              ごとのディレクトリには、カードごとの設定空間を表すファイルがあり、  さらに  devices
              ファイルは全ての PCI デバイスのリストを表す。

関連項目

       setpci(8), update-pciids(8)

作者

       Linux PCI Utilities は Martin Mares <mj@ucw.cz> によって保守されている。