Provided by: debhelper_11.1.6ubuntu2_all 

名前
dh_movefiles - debian/tmp からサブパッケージへファイルを移動する
書式
dh_movefiles [debhelper オプション] [--sourcedir=ディレクトリ] [-Xitem] [ファイル ...]
説明
dh_movefiles は、debian/tmp ディレクトリや他のディレクトリから、別のパッケージビルドディレクトリへファイ
ルを移動する役割を持つ debhelper プログラムです。これはパッケージしようとするソフトウェアに含まれる
Makefileフ ァイルにより、インストールすべき物が debian/tmp へインストールされてしまうような場合に、これら
を別々のディレクトリに後から仕分けたいような場合に便利です。
注意:dh_install は dh_movefiles よりもはるかに良いプログラムなので、dh_install を利用することを推奨しま
す。
ファイル
debian/package.files
とあるパッケージへ移動したいファイルを、空白区切りで列挙します。ファイル名は必ず debian/tmp/ からの相
対パスで指定しなければなりません。また、ディレクトリ名を指定することもでき、その場合は、ディレクトリ
をそのまま移動します。
オプション
--sourcedir=dir
debian/tmp (デフォルトの移動元) からファイルを移動する代わりに、別のディレクトリからファイルを移動す
るように指定します。なお、移動元ディレクトリにある全ファイルを移動する為、--sourcedir=/ のような指定
は、非常に危険です。こういった間違いを防ぐ為、移動元ディレクトリは相対パスしか受け付けないようにして
あります。つまり、'/' で始まるディレクトリ指定は出来ません。
-Xitem, --exclude=item
item をファイル名のどこかに含むファイルはインストール候補から除外します。
file ...
移動すべきファイルを列挙したファイルです。列挙されているファイルは debian/tmp/ からの相対パスである必
要があります。ディレクトリ名を列挙することも出来、その場合は、各ディレクトリ全体を移動します。な
お、-p、-i、-a を使って dh_movefiles にどのサブパッケージに移動すべきかを指定していない場合エラーが報
告されます。
付記
デフォルト debian/tmp からファイルを移動するという事になっています (もし debhelper が互換性レベル v1 以上
で利用したとしても、debian/tmp 以外は利用されません)。この背景として、ビルドされたパッケージは debian/tmp
に一旦インストールし、後で dh_movefiles コマンドにより debian/tmp から移動するという考え方があります。な
お移動されなかったファイルやディレクトリは無視され、後に dh_clean によって消去されることとなります。
参照
debhelper(7)
このプログラムは debhelper の一部です。
作者
Joey Hess <joeyh@debian.org>
11.1.6ubuntu2 2018-05-10 DH_MOVEFILES(1)