Provided by: open-infrastructure-system-build_20161101-lts2-2_all 

名前
lb config - 設定ディレクトリを作成します
概要
lb config [live-build オプション]
lb config
[--apt-ftp-proxy URL]
[--apt-http-proxy URL]
[--apt-indices true|false]
[--apt-options オプション|"オプション"]
[--apt-pipeline 深度]
[--apt-recommends true|false]
[--apt-secure true|false]
[--apt-source-archives true|false]
[-a|--architectures アーキテクチャ]
[-b|--binary-images iso|iso-hybrid|netboot|tar|hdd]
[--binary-filesystem fat16|fat32|ext2|ext3|ext4]
[--bootappend-install パラメータ|"パラメータ"]
[--bootappend-live パラメータ|"パラメータ"]
[--bootloader grub|grub2|syslinux]
[--cache true|false]
[--cache-indices true|false]
[--cache-packages true|false]
[--cache-stages 段階|"段階"]
[--checksums md5|sha1|sha256|none]
[--compression bzip2|gzip|lzip|none]
[--config GIT_URL::GIT_ID]
[--build-with-chroot true|false]
[--chroot-filesystem ext2|ext3|ext4|squashfs|jffs2|none]
[--clean]
[-c|--conffile ファイル]
[--debconf-frontend dialog|editor|noninteractive|readline]
[--debconf-priority low|medium|high|critical]
[--debian-installer true|cdrom|netinst|netboot|businesscard|live|false]
[--debian-installer-distribution daily|コード名]
[--debian-installer-preseedfile ファイル|URL]
[--debian-installer-gui true|false]
[--debug]
[-d|--distribution コード名]
[--parent-distribution コード名]
[--parent-debian-installer-distribution コード名]
[--dump]
[--fdisk fdisk|fdisk.dist]
[--firmware-binary true|false]
[--firmware-chroot true|false]
[--force]
[--grub-splash ファイル]
[--gzip-options オプション|"オプション"]
[--hooks ファイル]
[--ignore-system-defaults]
[--initramfs auto|none|live-boot|casper]
[--initramfs-compression bzip2|gzip|lzma]
[--initsystem sysvinit|runit|systemd|upstart|none]
[--interactive shell]
[--isohybrid-options オプション|"オプション"]
[--iso-application 名前]
[--iso-preparer NAME]
[--iso-publisher 名前]
[--iso-volume 名前]
[--jffs2-eraseblock サイズ]
[--keyring-packages パッケージ|"パッケージ"]
[-k|--linux-flavours フレーバー|"フレーバー"]
[--linux-packages "パッケージ"]
[--losetup losetup|losetup.orig]
[--memtest memtest86+|memtest86|none]
[-m|--parent-mirror-bootstrap URL]
[--parent-mirror-chroot URL]
[--parent-mirror-chroot-security URL]
[--parent-mirror-chroot-updates URL]
[--parent-mirror-chroot-backports URL]
[--parent-mirror-binary URL]
[--parent-mirror-binary-security URL]
[--parent-mirror-binary-updates URL]
[--parent-mirror-binary-backports URL]
[--parent-mirror-debian-installer URL]
[--mirror-bootstrap URL]
[--mirror-chroot URL]
[--mirror-chroot-security URL]
[--mirror-chroot-updates URL]
[--mirror-chroot-backports URL]
[--mirror-binary URL]
[--mirror-binary-security URL]
[--mirror-binary-updates URL]
[--mirror-binary-backports URL]
[--mirror-debian-installer URL]
[--mode debian|progress-linux|ubuntu]
[--system live|normal]
[--net-root-filesystem nfs|cfs]
[--net-root-mountoptions オプション]
[--net-root-path パス]
[--net-root-server IPアドレス|ホスト名]
[--net-cow-filesystem nfs|cfs]
[--net-cow-mountoptions オプション]
[--net-cow-path パス]
[--net-cow-server IPアドレス|ホスト名]
[--net-tarball true|false]
[--quiet]
[--archive-areas アーカイブ領域|"アーカイブ領域"]
[--parent-archive-areas 親アーカイブ領域|"親アーカイブ領域"]
[--security true|false]
[--source true|false]
[-s|--source-images iso|netboot|tar|hdd]
[--tasksel apt|tasksel]
[--templates パス]
[--hdd-size MB]
[--updates true|false]
[--backports true|false]
[--verbose]
[--win32-loader true|false]
説明
lb config は Live システムツール集 live-build(7) の高レベルコマンド (porcelain) です。
lb config は live-build の設定ディレクトリを用意します。デフォルトで、このディレクトリは「config」という
名で、lb config が実行された現在のディレクトリに作成されます。
注意: 現在 lb config は気を利かせようとして、他のオプションの設定に依存する一部のオプションのデフォルト値
をセット (例えば利用する linux パッケージをビルドしようとしているのが wheezy システムがどうかにより判断)
します。これはつまり、新しい設定を生成する際はオプションを全て指定して lb config を一度だけ実行すべきだと
いうことです。一部のオプションだけを指定して何度も実行した場合には、その度に使えない設定が出来る可能性が
あります。変更するオプションだけを指定して lb config を実行した場合、指定されていないオプションは、定義さ
れている限りは全てそのまま維持されるためにこれが起きることもあります。ただし、不可能あるいはほぼ不可能な
組み合わせであることがわかっていて使えない Live システムを作成することになりそうなときには lb config それ
について警告します。よくわからない場合は config/{binary,bootstrap,chroot,common,source} を削除して再び lb
config を実行してください。
オプション
lb config は固有のオプションに加え、live-build 全般のオプションを全て理解します。live-build 全般のオプ
ションの全容については live-build(7) を見てください。
--apt-ftp-proxy URL
apt により利用する ftp プロキシをセットします。デフォルトでは利用しません。この変数は chroot 内で利用
する apt でのみ有効で、それ以外では利用されないことに注意してください
--apt-http-proxy URL
apt により利用する http プロキシをセットします。デフォルトでは利用しません。この変数は chroot 内で利
用する apt でのみ有効で、それ以外では利用されないことに注意してください
--apt-indices true|false|none
作成されるイメージに apt の索引ファイルを収録するか否かを決定します。デフォルトは true です。none を
セットすると索引ファイルは一切収録されません。
--apt-options オプション|"オプション"
イメージのビルド時に chroot 内で apt を利用する際に毎回付加されるデフォルトのオプションを決定しま
す。デフォルトでは --yes がセットされていて、パッケージの対話的ではないインストール処理ができるように
なっています。
--apt-pipeline 深度
apt のパイプラインの深さを決定します。リモートのサーバがRFCに準拠していないあるいはバグが多い (Squid
2.0.2 等) の場合、このオプションで「0」から「5」までの値を指定し、APTが送るべき処理中リクエストの数を
指示できます。リモートホストがTCP接続を適切に残さない場合は「0」を指定*しないといけません* - そうしな
い場合はデータの破損が発生します。これを必要とするホストは RFC 2068 に違反しています。デフォルトで
live-build はこのオプションをセットしていません。
--apt-recommends true|false
aptが推奨パッケージを自動的にインストールすべきか否かを決定します。デフォルトは true です。
--apt-secure true|false
aptがリポジトリの署名を確認すべきか否かを決定します。デフォルトは true です。
--apt-source-archives true|false
作成される Live イメージに deb-src の行を収録すべきか否かを決定します。デフォルトは true です。
-a|--architectures アーキテクチャ
ビルドされるイメージのアーキテクチャを指定します。デフォルトではホストのアーキテクチャがセットされま
す。ホストシステムで対象アーキテクチャのバイナリをネイティブに実行できない場合には別のアーキテクチャ
のクロスビルドはできないことに注意してください。例えば64ビット対応の i386 系列プロセッサ及び適切な
カーネルを使っている場合には i386 で amd64 イメージを、あるいはその逆に、ビルドできます。しかし i386
システムで powerpc 用イメージをビルドするのは不可能です。
-b|--binary-images iso|iso-hybrid|netboot|tar|hdd
ビルドするイメージの種類を決定します。デフォルトで、syslinux を利用するイメージではハードディスク向け
イメージと同じようにも利用できる CD/DVD イメージをビルドするため iso-hybrid が、syslinux 以外のイメー
ジでは iso がセットされます。
--binary-filesystem fat16|fat32|ext2|ext3|ext4
指定した種類のイメージで利用するファイルシステムを指定します。これは選択した種類のバイナリイメージで
ファイルシステムを選択できる場合にのみ効果があります。例えば iso 選択時に作成される CD/DVD のファイル
システムは常に ISO9660 となります。USBメモリ向けのhddイメージをビルドする場合にはこれが有効になりま
す。sparc のデフォルトが ext4 である例外を除く全アーキテクチャでデフォルトが fat16 となっていることに
注意してください。また、fat16 選択時に出来上がったバイナリイメージのサイズが2GBを超えた場合はそのバイ
ナリのファイルシステムは自動的に fat32 に切り替えられることに注意してください。
--bootappend-install パラメータ|"パラメータ"
debian-installer を収録した場合、debian-installer 特有のブートパラメータをセットします。
--bootappend-live パラメータ|"パラメータ"
debian-live 特有のブートパラメータをセットします。ブートパラメータの全容は live-boot(7) 及び
live-config(7) マニュアルページにあります。
--bootloader grub|grub2|syslinux
生成されたイメージで利用するブートローダを選択します。これは選択した種類のバイナリイメージでブート
ローダを選択できる場合にのみ効果があります。例えば iso をビルドする場合は常に syslinux (さらに言えば
isolinux) が利用されます。また、バイナリイメージの種類とブートローダの組み合わせの中には、可能ではあ
るものの live-build でのサポートが追いついていないものがあり得ることに注意してください。lb config は
そういった未サポートの設定の作成には失敗し、そのことについて説明します。amd64 や i386 用のhddイメージ
では syslinux がデフォルトとなっています。
--cache true|false
全体としてキャッシュを使うか否か大域的に決定します。異なるキャッシュを、キャッシュそれぞれのオプショ
ンで制御できます。
--cache-indices true|false
ダウンロードしたパッケージ索引や一覧をキャッシュするか否かを決定します。デフォルトで false となってい
ます。有効にするとイメージを完全にオフラインで再ビルドできるようになりますが、以後の更新は得られなく
なります。
--cache-packages true|false
ダウンロードしたパッケージファイルをキャッシュするか否かを決定します。デフォルトで true となっていま
す。無効化するとビルドディレクトリの容量を節約できますが、再ビルドした場合には不要な転送が発生するこ
とを覚えておいてください。一般にこれは常に true にしておくべきですが、特定のまれなビルド環境でローカ
ルディスクを使うよりもローカルのネットワークミラーからパッケージを再取得した方が速いことがあります。
--cache-stages true|false|段階|"段階"
キャッシュする段階を指定します。デフォルトでパッケージ収集段階をキャッシュします。通常の段階を示す名
前に対する例外として、filesystem.{dir,ext*,squashfs} に生成したルートファイルシステムだけをキャッシュ
する rootfs を指定できます。開発時にバイナリ段階を再ビルドする際、ルートファイルシステムを毎回再生成
するのは避けたい場合にこれは有用です。
--checksums md5|sha1|sha256|none
バイナリイメージに md5sums.txt や sha1sums.txt、sha256sums.txt 等のファイルを収録するか否かを決定しま
す。この各ファイルではイメージのチェックサムとそのイメージにある全ファイルを列挙します。ブートプロン
プトで指定した場合は live-boot 組み込みの整合性確認によりこれを利用してメディアを検証できます。一般に
これは false にすべきではなく、一般向けにリリースした Live システムにとって重要な機能でもあります。し
かし、巨大なイメージの開発の際にはチェックサムを計算しないことによりいくらか時間を節約できる可能性が
あります。
--compression bzip2|gzip|lzip|none
tar アーカイブの圧縮に利用する圧縮プログラムを決定します。デフォルトは gzip です。
--config GIT_URL::GIT_ID
設定ツリーをgitリポジトリから取得できます。オプションとして Git Id (ブランチやコミット、タグ等) を指
定できます。
--build-with-chroot true|false
live-build がバイナリイメージのビルドに chroot 内のツールを使うのか、chroot ではなくホストのシステム
ツールを取り込んで使うのかを決定します。これは非常に危険なオプションであり、ホストシステムのツールを
利用することで汚染され、必要とするツール (主に syslinux や grub 等のブートローダや、dosfstools や
xorriso、squashfs-tools その他の補助ツール) のバージョンがホストシステムのものと対象ディストリビュー
ションとでビルド時に存在するものとで正確に一致しないとブート不可能なイメージが出来上がってしまう可能
性もあります。何をしているのか正確にわかっていて完全に結果を理解している場合を除き、このオプションを
決して無効化することのないようにしてください。
--chroot-filesystem ext2|ext3|ext4|squashfs|jffs2|none
ルートファイルシステムのイメージとして利用するファイルシステムの種類を決定します。none を指定した場合
はファイルシステムイメージは作成されず、ルートファイルシステムの内容は非圧縮ファイルとしてバイナリイ
メージファイルシステムにコピーされます。選択したバイナリファイルシステムによっては、こういったそのま
まのルートファイルシステムのビルドができないものもあります。例えば fat16/fat32 では linux からの直接
の実行をサポートしていないため機能しません。
--clean
未使用のため内容が空のサブディレクトリを自動的に削除し、設定ディレクトリを最小にします。
-c|--conffile ファイル
設定ディレクトリの通常利用される設定ファイルに加え、ユーザが指定した別の設定ファイルを使います。
--debconf-frontend dialog|editor|noninteractive|readline
chroot 内での debconf フロントエンドの値を決定します。デフォルトの noninteractive 以外をセットした場
合、ビルド中に質問するようになることに注意してください。
--debconf-priority low|medium|high|critical
chroot 内での debconf の優先度の値を決定します。デフォルトでは critical で、ほとんどの質問は表示され
なくなっています。これは debconf フロントエンドに noninteractive 以外を指定している場合にのみ有効であ
ることに注意してください
--debian-installer true|cdrom|netinst|netboot|businesscard|live|false
出来上がったバイナリイメージに debian-installer を収録する場合にその種類を指定します。デフォルトでは
インストーラは収録されません。live 以外はどれでも、通常の debian-cd として作成されているインストール
用メディアと同等の設定を使います。live を選択した場合は live-installer の udeb が収録されるた
め、debian-installer が普通とは異なる挙動を取ります - メディアやネットワークのパッケージを使って
Debian システムをインストールするのではなく、ディスクに Live システムをインストールします。
--debian-installer-distribution daily|コード名
debian-installer のファイルを取得するディストリビューションを決定します。これは通常 Live システムと同
一のディストリビューションになりますが、新しい、あるいは日次ビルドのインストーラを使いたいときもあり
ます。
--debian-installer-preseedfile ファイル|URL
オプションで利用、収録する debian-installer 用の preseed ファイルのファイル名またはURLをセットしま
す。config/binary_debian-installer/preseed.cfg が存在する場合はそれがデフォルトで利用されます。
--debian-installer-gui true|false
debian-installer グラフィカルGTKインターフェイスを true にするか否かを決定します。デフォルトで
は、Debian モードや Ubuntu のほとんどのバージョンで true、それ以外では false となっています。
--debug
デバッグ情報のメッセージを表示します。
-d|--distribution コード名
出来上がる Live システムのディストリビューションを決定します。
-d|--parent-distribution コード名
出来上がる Live システムの派生元のディストリビューションを決定します。
-d|--parent-debian-installer-distribution コード名
出来上がる Live システムの派生元の debian-installer のディストリビューションを決定します。
--dump
現在存在している Live システムの設定と利用されている live-build のバージョンの報告を作成します。これ
はバグ報告の際に有用で、エラーが起きている部分を見つけ出し、再現するのに必要となる情報を全て提供しま
す。
--fdisk fdisk|fdisk.dist
利用するホストシステムの fdisk バイナリのファイル名を指定します。これは自動的に検出されるため通常は独
自に指定する必要はありません。
--force
既に実行した段階を強制的に再び実行します。何をしているのかわかっている場合にのみ実行してください。通
常、lb build を再び実行する前に lb clean を実行して掃除すると安全性は上がります。
--grub-splash ファイル
オプションで収録する、grub ブートローダのスプラッシュ画面に利用する画像のファイル名を指定します。
--gzip-options オプション|"オプション"
イメージのビルド時に gzip を利用する際に (ほぼ) 毎回付加されるデフォルトのオプションを決定します。デ
フォルトでは --best がセットされていて、圧縮率の最も高い (ただし最も遅い) 圧縮を行います。ホストシス
テムで対応していれば --rsyncable も動的に付加されます。
--hooks ファイル
/usr/share/live/build/examples/hooks から利用できるフックから有効にするものを指定します。通常、実行さ
れるフックはありません。フックを有効にする前にそれが何をするものなのか、確実に知って理解するようにし
てください。
--ignore-system-defaults
lb config はデフォルトで、新しい Live システム設定ディレクトリ生成時にシステムのデフォルト値を
/etc/live/build.conf と /etc/live/build/* から読み取ります。これはミラーの場所等の全体的な設定を毎回
指定したくない場合に有用です。
--initramfs auto|none|live-boot|casper
Live システム特有の initramfs への変更を収録するパッケージの名前をセットします。デフォルトは auto
で、イメージの設定時ではなくビルド時に、ubuntu システムをビルドしている場合は casper、それ以外のシス
テムでは live-boot に展開されます。出来上がるシステムイメージが Live イメージではない場合には
「none」が有用です (実験的設定値)。
--initramfs-compression bzip2|gzip|lzma]
initramfs の圧縮に利用する圧縮プログラムを決定します。デフォルトは gzip です。
--interactive shell
chroot 段階の終了とバイナリ段階の開始の間に chroot 内で対話シェルへのログインを行い、手作業による介入
できる機会を儲けるか否かを決定します。シェルをログアウトまたは終了により閉じた後は、ビルドは通常と同
様に続きます。テスト以外でのこの機能の利用は全く勧められないことに注意してください。Live システムの全
ビルドで行うべき変更はフックにより適切に行うようにしてください。この機能はビルド過程を完全に自動化し
て双方向性を排除できるという長所を破壊します。これはもちろんデフォルトで false となっています。
--isohybrid-options オプション|"オプション"
isohybrid に渡すオプションを指定します。
--iso-application 名前
出来上がる CD/DVD イメージのヘッダの APPLICATION フィールドをセットします。デフォルトは Debian モード
では「Debian Live」、ubuntu モードでは「Ubuntu Live」となっています。
--iso-preparer 名前
出来上がる CD/DVD イメージのヘッダの PREPARER フィールドをセットします。デフォルトは「live-build バー
ジョン; http://packages.qa.debian.org/live-build」で、バージョンはそのイメージのビルドに利用した
live-build のバージョンに展開されます。
--iso-publisher 名前
出来上がる CD/DVD イメージのヘッダの PUBLISHED フィールドをセットします。デフォルトは「Live Systems
project; http:/live-systems.org/; debian-live@lists.debian.org」となっています。独自の非公式イメージ
を配布する際はこれを忘れずに最新の適切な値に変更してください。
--iso-volume 名前
出来上がる CD/DVD イメージのヘッダの VOLUME フィールドをセットします。デフォルトは「(モード) (ディス
トリビューション) (日時)」で、モードは現在利用しているモード、ディストリビューションはディストリ
ビューションの名前、日時は作成時の日付と時刻に展開されます。
--jffs2-eraseblock サイズ
JFFS2 (Second Journaling Flash File System) ファイルシステムの eraseblock のサイズを指定します。デ
フォルトは 64 KiB となっています。対象の MTD デバイスと一致しない値をこれに指定した場合は JFFS2 が最
適に機能しなくなるかもしれません。サイズに 4096 未満の値が指定された場合は KiB 単位の値が指定されたも
のと仮定します。
--keyring-packages パッケージ|"パッケージ"
キーリングパッケージや追加のキーリングパッケージをセットします。デフォルトでは debian-archive-keyring
となっています。
-k|--linux-flavours フレーバー|"フレーバー"
インストールするカーネルの種類 (フレーバー) を指定します。複数指定した場合は最初に指定したものがデ
フォルトでブートされるカーネルとして設定されることに注意してください。
--linux-packages "パッケージ"
カーネルのパッケージ命名規則に従った内部名をセットします。Debian のカーネルパッケージを利用している場
合は調整する必要はありません。Debian の命名規則に従わない独自のカーネルパッケージを利用する場合にはこ
のオプションでパッケージの前半部 (Debian の場合は linux-image-2.6) だけを忘れずに指定し、前半部-フ
レーバー (Debian の場合は例えば linux-image-686-pae) が有効なパッケージ名になるようにしてください。好
ましいのは、メタパッケージがある場合にはその名前を前半部に使うことで、そうすると設定とABIが独立しま
す。また、unionfs や aufs、squashfs のバイナリモジュールパッケージについても、ツリー外でビルドした場
合にはその前半部を含める必要があることを忘れないようにしてください。
--losetup losetup|losetup.orig
利用するホストシステムの losetup バイナリのファイル名を指定します。これは自動的に検出されるため通常は
独自に指定する必要はありません。
--memtest memtest86+|memtest86|none
補助的なブートローダ設定として、memtest や memtest86+ を収録するか、あるいはメモリのテスト用プログラ
ムを収録しないのかを決定します。これは amd64 及び i386 でのみ利用可能で、デフォルトは memtest86+ と
なっています。
-m|--parent-mirror-bootstrap URL
パッケージ収集段階で利用するパッケージミラーの場所を指定します。デフォルトは
「http://ftp.de.debian.org/debian/」ですが、ヨーロッパ以外では適切なデフォルトではないかもしれませ
ん。
--parent-mirror-chroot URL
Live システムをビルドするためにパッケージを取得するのに利用するパッケージのミラーの場所をセットしま
す。デフォルトでは --parent-mirror-bootstrap で指定された値が利用されます。
--parent-mirror-chroot-security URL
Live システムをビルドするためにパッケージを取得するのに利用するセキュリティパッケージのミラーの場所を
セットします。デフォルトでは「http://security.debian.org/debian/」が利用されます。
--parent-mirror-chroot-updates URL
Live システムをビルドするためにパッケージを取得するのに利用する updates パッケージのミラーの場所を
セットします。デフォルトでは --parent-mirror-chroot で指定された値が利用されます。
--parent-mirror-chroot-backports URL
Live システムをビルドするためにパッケージを取得するのに利用する backports パッケージのミラーの場所を
セットします。デフォルトでは「http://backports.debian.org/debian-backports/」が利用されます。
--parent-mirror-binary URL
出来上がったイメージ中で設定され、ユーザが利用することになる Debian パッケージミラーの場所を指定しま
す。これはイメージのビルドに利用するものと同一である必要はありません。例えばローカルミラーを利用して
いるけれどもイメージでは公式のミラーを使うようにしたい場合。デフォルトでは
「http://httpredir.debian.org/debian/」を利用します。
--parent-mirror-binary-security URL
最終的に出来上がるイメージで設定すべきセキュリティパッケージのミラーの場所をセットします。デフォルト
では「http://security.debian.org/」が利用されます。
--parent-mirror-binary-updates URL
最終的に出来上がるイメージで設定すべき updates パッケージのミラーの場所をセットします。デフォルトでは
--parent-mirror-binary で指定された値が利用されます。
--parent-mirror-binary-backports URL
最終的に出来上がるイメージで設定すべき backports パッケージのミラーの場所をセットします。デフォルトで
は「http://backports.debian.org/debian-backports/」が利用されます。
--parent-mirror-debian-installer URL
debian インストーラのイメージを取得するのに利用するミラーの場所をセットします。デフォルトでは Live シ
ステムをビルドするために利用するのと同じミラー、つまり --parent-mirror-bootstrap で指定された値が利用
されます。
--mirror-bootstrap URL
派生物のパッケージ収集段階で利用するパッケージのミラーの場所をセットします。デフォルトは
「http://ftp.de.debian.org/debian/」ですが、ヨーロッパ以外では適切なデフォルトではないかもしれませ
ん。
--mirror-chroot URL
Live システムをビルドするために派生物のパッケージを取得するのに利用するパッケージのミラーの場所をセッ
トします。デフォルトでは --mirror-bootstrap で指定された値が利用されます。
--mirror-chroot-security URL
Live システムをビルドするために派生物のパッケージを取得するのに利用するセキュリティパッケージのミラー
の場所をセットします。デフォルトでは「http://security.debian.org/debian/」が利用されます。
--mirror-chroot-updates URL
Live システムをビルドするために派生物のパッケージを取得するのに利用する updates パッケージのミラーの
場所をセットします。デフォルトでは --mirror-chroot で指定された値が利用されます。
--mirror-chroot-backports URL
Live システムをビルドするために派生物のパッケージを取得するのに利用する backports パッケージのミラー
の場所をセットします。デフォルトでは「http://backports.debian.org/debian-backports/」が利用されます。
--mirror-binary URL
出来上がったイメージ中で設定され、ユーザが利用することになる派生物のパッケージミラーの場所を指定しま
す。これはイメージのビルドに利用するものと同一である必要はありません。例えばローカルミラーを利用して
いるけれどもイメージでは公式のミラーを使うようにしたい場合。デフォルトでは
「http://httpredir.debian.org/debian/」を利用します。
--mirror-binary-security URL
最終的に出来上がるイメージで設定すべき派生セキュリティパッケージのミラーの場所をセットします。
--mirror-binary-updates URL
最終的に出来上がるイメージで設定すべき派生 updates パッケージのミラーの場所をセットします。
--mirror-binary-backports URL
最終的に出来上がるイメージで設定すべき派生 backports パッケージのミラーの場所をセットします。
--mirror-debian-installer URL
派生物の debian インストーラのイメージを取得するのに利用するミラーの場所をセットします。デフォルトで
は Live システムをビルドするために利用するのと同じミラー、つまり --mirror-bootstrap で指定された値が
利用されます。
--mode debian|progress|ubuntu
プロジェクト特有のデフォルト値を読み込むようにする大域モードを指定します。デフォルトでは debian と
なっています。
--system live|normal
出来上がるシステムのイメージを Live システムにするのか Live システムではない普通のイメージにするのか
を指定します。
--net-root-filesystem nfs|cfs
ネットワーク経由のブート用イメージのブートローダ設定で設定するファイルシステムを指定します。デフォル
トは nfs となっています。
--net-root-mountoptions オプション
ネットワーク経由のブート用イメージのルートファイルシステムをマウントする際のオプションを指定しま
す。デフォルトは空です。
--net-root-path パス
ネットワーク経由のブート用イメージのブートローダ設定で設定するファイルのパスをセットします。デフォル
トは Debian モードでは「/srv/debian-live」、ubuntu モードでは「/srv/ubuntu-live」となっています。
--net-root-server IPアドレス|ホスト名
ネットワーク経由のブート用イメージのルートファイルシステムのブートローダ設定で設定するIPアドレスやホ
スト名をセットします。デフォルトは 192.168.1.1 となっています。
--net-cow-filesystem nfs|cfs
copy-on-write レイヤーのファイルシステムの種類を指定します。デフォルトは nfs です。
--net-cow-mountoptions オプション
ネットワーク経由のブート用イメージの copy-on-write レイヤーをマウントする際の追加オプションを指定しま
す。デフォルトは空です。
--net-cow-path パス
クライアントの書き込み可能ファイルシステムへのパスを指定します。パス中のどこかに client_mac_address
を指定すると live-boot はその部分をクライアントのMACアドレスをハイフンで区切ったものに置き換えます。
例:
/export/hosts/client_mac_address
/export/hosts/00-16-D3-33-92-E8
--net-cow-server IPアドレス|ホスト名
ネットワーク経由のブート用イメージの copy-on-write ファイルシステムのブートローダ設定で設定するIPアド
レスやホスト名をセットします。デフォルトは空です。
--net-tarball true|false
圧縮した tar アーカイブを作成するか否かを決定します。このオプションを無効にすると tar アーカイブは作
成されなくなり、その場合はそのままのバイナリディレクトリが出力されることになります。デフォルトは true
です。
--quiet
lb build からのメッセージの出力を少なくします。
--archive-areas アーカイブ領域|"アーカイブ領域"
設定した Debian パッケージミラーに利用する Debian パッケージアーカイブのパッケージアーカイブ領域を指
定します。デフォルトでは main となっています。この仕組みにより contrib や non-free を有効化する際
は、該当する法律の下で再配布が可能かどうか、各パッケージのライセンスを忘れずに確認してください。
--parent-archive-areas 親アーカイブ領域|"親アーカイブ領域"
出来上がる Live システムの派生物のアーカイブ領域のディストリビューションを決定します。
--security true|false
セキュリティミラーオプションで指定されたセキュリティリポジトリを利用するか否かを決定します。
--source true|false
バイナリイメージに対応するソースイメージをビルドするか否かを決定します。ソースパッケージはほとんどの
人にとって不要で、ダウンロードする必要があるものはかなり少数なので、デフォルトでは false となっていま
す。しかし、作成した Live イメージの配布を始める際には平行して、ソースイメージを利用してビルドできる
ことを確認すべきです。
-s|--source-images iso|netboot|tar|hdd
ソースイメージのイメージの種類を指定します。デフォルトは tar です。
--firmware-binary true|false
ファームウェアパッケージを debian-installer 用のバイナリ置き場に自動的に収録するか否かを決定しま
す。設定したアーカイブ領域で利用できるファームウェアパッケージだけが収録されることに注意してくださ
い。例えば main のパッケージだけで構成したイメージでは non-free のファームウェアを自動的には収録しま
せん。このオプションはバイナリパッケージ一覧で明示的に指定したパッケージには干渉しません。
--firmware-chroot true|false
ファームウェアパッケージを Live イメージに自動的に収録するか否かを決定します。設定したアーカイブ領域
で利用できるファームウェアパッケージだけが収録されることに注意してください。例えば main のパッケージ
だけで構成したイメージでは non-free のファームウェアを自動的には収録しません。このオプションはバイナ
リパッケージ一覧で明示的に指定したパッケージには干渉しません。
--swap-file-path パス
バイナリイメージ中に作成するスワップファイルのパスを指定します。デフォルトではスワップファイルを作成
しません。
--swap-file-size MB
スワップファイルを作成する場合のサイズをメガバイトで指定します。デフォルトは 512MB です。
--tasksel apt|tasksel
タスクのインストールに利用するプログラムを選択します。デフォルトでは tasksel となっています。
--templates パス
例えばブートローダ用に live-build が利用するテンプレートへのパスを指定します。デフォルトでは
/usr/share/live/build/templates/ となっています。
--hdd-size MB
hddイメージのサイズを指定します。デフォルトは 10000 (= 10GB) となっていますが、イメージファイルはわず
かなファイルとして作成されるためハードディスクに 10GB の空き容量が必要というわけではないことに注意し
てください。
--updates true|false
イメージに updates パッケージアーカイブを収録すべきか否かを決定します。
--backports true|false
イメージに backports パッケージアーカイブを収録すべきか否かを決定します。
--verbose
lb build からのメッセージの出力を多くします。
--win32-loader true|false
バイナリイメージに win32-loader を収録すべきか否かを決定します。
環境変数
コマンドラインオプションは現在、対応する環境変数でも同様に指定できます。しかし、この実装は将来のリリース
で変更される対象であり、基本的に使うべきではありません。live-build に直接適用するオプションに対応する環境
変数は LB_FOO のようになり、例えば --apt-ftp-proxy は LB_APT_FTP_PROXY となります (--debug 等の内部オプ
ションは例外です)。他のプログラムに渡されるオプションには APT_OPTIONS や GZIP_OPTIONS と同様に LB_ を付加
しません。
ファイル
auto/config
/etc/live/build.conf, /etc/live/build/*
lb config 変数向けのオプションの大域設定ファイルです。LB_PARENT_MIRROR_BOOTSTRAP のようなシステム全体
の少数のデフォルトを指定するのに有用です。この機能は --ignore-system-defaults オプションを指定するこ
とで無効にできます。
関連項目
live-build(7)
live-boot(7)
live-config(7)
このプログラムは live-build の一部です。
ホームページ
live-build 及び Live システムプロジェクトについてのさらなる情報は、<http://live-systems.org/> のホーム
ページや <http://live-systems.org/manual/> のマニュアルにあります。
バグ
バグは <http://bugs.debian.org/> にあるバグ追跡システムに live-build パッケージのバグ報告として提出する
か、<debian-live@lists.debian.org> にある Live システムのメーリングリスト宛てにメールを書くことにより報告
できます。
作者
live-build は Daniel Baumann さん <mail@daniel-baumann.ch> により書かれました。
20160601 2016-07-28 LIVE-BUILD(1)