Provided by: po4a_0.52-1_all bug

名前

       po4a-build - 翻訳済みドキュメントのビルド

概要

       po4a-build [-f | --file FILE] [--pot-only]

       po4a-build [-? | -h | --help | --version]

説明

       po4a-build は、未訳を提供するのと同じ簡単さで、翻訳済みドキュメントを提供できるようにする
       ことを意図しています。

       po4a が POD や DocBook XML として翻訳済み内容を用意すると、po4a-build を使用して最終ドキュ
       メントをビルドできます。未訳と翻訳済みの両方の内容は一度の処理でビルドされ、併せて同時に
       POT ファイルの更新も行われます。

       既存のビルド手順は po4a-build の一回の呼び出しに置き換えられます。po4a-build が参照するシ
       ンプルな設定ファイルが使用され、その中には各要素をビルドする方法や、翻訳済みと未訳の内容を
       インクルードするバイナリパッケージの指定が記述されます。

       ビルドされた内容は、設定ファイルで指定された BASEDIR の下のパッケージ固有のディレクトリに
       置かれます。バイナリパッケージ foo にドイツ語とフランス語の翻訳がある場合、以下のような結
       果になります:

           BASEDIR/foo/man/man1/foo.1
           BASEDIR/foo/man/de/man1/foo.1
           BASEDIR/foo/man/fr/man1/foo.1

       これにより、同じ位置にインストールするバイナリパッケージに生成した内容をすべて収録するのが
       簡単になります:

           doc/foo/man/* ./usr/share/man/
           doc/foo/html/* ./usr/share/doc/foo/

       新しい翻訳を追加する際にこの規則を更新する必要はなく、別個のバイナリパッケージ (bar) を追
       加することによってそのパッケージの内容を分けておくことが可能となります。

   サポートするフォーマット
       現在、po4a-build は以下の組み合わせをサポートしています:

        1. セクション 1 用 DocBook XML。

        2. セクション 3 用 DocBook XML。

        3. HTML 用 DocBook XML。

        4. セクション 1 用 POD。

        5. セクション 3 用 POD。

        6. セクション 5 用 POD。

        7. セクション 7 用 POD。

       対応しているあらゆるフォーマットにおいて、サポートするあらゆる組み合わせを単一の設定ファイ
       ル po4a-build.conf で指示し、ただ po4a-build を呼び出すだけで処理させられます。po4a-
       build.conf(5) を参照してください。

設定

       po4a-build は、パッケージの VCS 最上位ディレクトリに置かれるべき po4a-build.conf をデフォ
       ルト設定ファイルとして使用します (ほかのファイルを使用するには -f オプションを使用してくだ
       さい)。po4a-build.conf(5) を参照してください。

       例1 設定例のファイル

       設定例が書かれたファイルは以下の場所にインストールされています:

           /usr/share/doc/po4a/examples/po4a-build.conf.example

   設定ファイルのレイアウト
       設定ファイルは、全般、XML/XSL サポート、POD サポート、HTML サポートの節で構成されます。

       全般には、po4a 設定ファイルの名前や位置 (po4a.config のままにしておくのが最善でしょう)
       や、ドキュメントの PO ファイルがある po ディレクトリ (通常は doc/po)、翻訳を作成する POT
       ファイルのフルネーム、生成物を出力する BASEDIR、パッケージの manpage をセクション 1 ではな
       くてセクション 3 に格納するかどうか、生成物を格納するバイナリパッケージ名が含まれます。

       XML/XSL サポートには、XMLPACKAGES 変数により XSL サポートを使うバイナリパッケージの指定
       や、xsltproc に渡す最上位の DocBook ファイル、XML や DocBook ファイルの位置が含まれま
       す。必要なら XSLFILE を上書きできます。

       POD サポートには、PODPACKAGES 変数により POD サポートを使うバイナリパッケージの指定や、POD
       ファイルのフルネームが含まれます。

       HTML サポートでは、BASEDIR 以下に作成する未訳と翻訳済みの HTML 内容のサブディレクトリ
       や、HTML を生成する DocBook ファイルを指定します。必要なら HTMLXSL を上書きできます。

コマンド

       --pot-only
           POT ファイルの更新のみ行います。--pot-only は、パッケージソースにある全 POT ファイルを
           収録するパッケージをサポートすることを意図しています。Autotools を使用したパッケージ
           は、EXTRA_DIST により POT ファイルを簡単に追加できますが、単に Makefile を使用した
           り、特定の VCS ヘルパーを使用したパッケージは、VCS に POT ファイルを追加せずに (生成し
           た) POT ファイルを追加するのは厄介であることがわかります。面倒で不要な作業を避けるため
           に、po4a-build はビルド開始時に POT ファイルを更新できるようになっていて、dpkg-source
           がそれらをソース tarball に収録します。

           例2 svn-buildpackage の例

           svn-buildpackage は、SVN 属性の useNativeDist や Make ターゲットの native-dist を使用
           して、この種の追加を明示的にサポートしています。

               # POT ファイルをソース tarball に追加
               native-dist: Makefile
                    po4a-build --pot-only

               $ svn propset useNativeDist 1 debian

       -h|--help
           使用方法のメッセージを表示して終了します。

       --version
           print the script version and exit.

オプション

       -f|--file FILE
           po4a-build は、デフォルトの設定ファイル (po4a-build.conf) の代わりにオプションで指定し
           たファイルを使用します。

著者

       po4a-build は Neil Williams <codehelp@debian.org> によって書かれました。

       このマニュアルページは Neil Williams <codehelp@debian.org> によって書かれました