Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20161015+dfsg-1_all 

名前
scgcheck - libscg の ABI のチェックと確認をおこなう
書式
scgcheck [ options ]
説明
scgcheck は libscg の Application Binary Interface のチェックと照合をおこなう。
device はドライブの scsibus/target/lun を指す。 SunOS での通信は汎用 SCSI ドライバ scg を用いて行われる。
他の OS では、このドライバをシミュレートするライブラリを使う。 使用可能な書式は、 dev= scsibus,target,lun
または dev= target,lun である。 後者の場合、ドライブはマシンのデフォルトの SCSI バスに 接続されていなけれ
ばならない。 scsibus, target, lun は整数である。 OS や SCSI 転送の実装のなかには、これに加えてデバイス
ファイル名を 指定しなければならないものもある。 この場合の正しい書式は、 dev=
devicename:scsibus,target,lun または dev= devicename:target,lun である。 このようなシステムでは、指定され
たデバイスノード名が 1 つの SCSI デバイスのみを参照している場合、 dev= devicename:scsibus,target,lun の代
わりに、省略形の dev= devicename:@ または dev= devicename:@,lun を使うことができる。
リモートの SCSI デバイスにアクセスするためには、 リモートのデバイスであることを示すインジケータを SCSI デ
バイス名の前に付ける必要がある。 リモートデバイスのインジケータは REMOTE:user@host: または REMOTE:host:
という形式である。
指定可能なリモート SCSI デバイス名は、 REMOTE:user@host: または REMOTE:user@host:1,0,0 という形式である。
1 つ目の形式では、リモートで SCSI デバイスのスキャンを行わせる。 2 つ目の形式では、 host の SCSI bus #
1,target 0 lun 0 に接続されている SCSI デバイスにアクセスする。
readcd を全ての UNIX 系プラットフォームで汎用的にするためには、 dev= devicename:scsibus,target,lun という
書式が好ましい。 これによりデバイスについての各 OS 特有の知識を ユーザーに対して隠蔽することができる。 ま
たこれにより、実際のデバイスファイル名や scsibus,target,lun を指定する方法を、特定の OS 上でサポートする
必要がなくなる。
scsibus 0 はマシンのデフォルトの SCSI バスである。 マシンの SCSI 設定についてのより詳細な情報は、 ブート
時のメッセージや /var/adm/messages を参照すること。 scsibus,target,lun にどのような値を指定してよいか分ら
ない場合は、 cdrecord の -scanbus オプションを使ってみること。
オプション
-version
バージョン情報を表示して、終了する。
dev=target
SCSI バスのスキャンテストで使われる SCSI target のデフォルト値を設定する。 上記の注意事項を参照す
ること。 例えば、バスのスキャンのときに Solaris USCSI や リモートの SCSI を指定することができる。
バスのスキャンを行わない場合の典型的なデバイス指定は dev=6,0 である。 数値での target 指定の他に、
ファイル名も指定しなければならない場合、 そのファイル名は実装依存である。 この場合の正確なファイル
名は、 対象とする OS の独自のマニュアルに書かれているだろう。 CAM をサポートしてない FreeBSD シス
テムでは、 (/dev/rcd0.ctl などの) 制御デバイスを使う必要がある。 この場合の正確なデバイス指定は、
dev=/dev/rcd0.ctl:@ である。
Linux では、パラレルポートアダプタに接続されたデバイスは、 仮想 SCSI bus に対応付けされる。 別のパ
ラレルポートアダプタは、 この仮想 SCSI bus の別の target に対応付けされる。
dev オプションが指定されていない場合、 cdrecord は環境変数 CDR_DEVICE からデバイスを取得しようとす
る。
dev= オプションの引き数に文字 ',', '/', '@', ':' がない場合、 ファイル /etc/default/cdrecord に書
かれたラベル名として扱われる (「ファイル」セクションを参照すること)。
timeout=#
SCSI コマンドのデフォルトのタイムアウトを # 秒にする。 SCSI コマンドのデフォルトのタイムアウトは、
SCSI コマンドを送る際の最短タイムアウトとして使われる。 SCSI コマンドがタイムアウトにより失敗した
場合、 タイムアウトの値を失敗したコマンドの デフォルトのタイムアウトより長くすることができる。 タ
イムアウトを長くしてコマンドが正常に動作した場合は、 成功したときのタイムアウト時間とそのコマンド
を、 このプログラムの著者に知らせて下さい。 timeout オプションが指定されない場合、 デフォルトのタ
イムアウト 40 秒が使われる。
debug=#, -d
(debug=# を使って) その他のデバッグレベルを # に設定する。 または (-d を使って) デバッグレベルを 1
つ上げる。 -dd を指定した場合、 debug=2 と等しくなる。 libscg でドライバをオープンする際の問題や、
セクタサイズとセクタタイプの問題を発見するのに役立つ。 -debug を使うと、処理が遅くなりバッファアン
ダーランの原因になるかもしれない。
kdebug=#, kd=#
scg ドライバに対して、SCSI コマンドを動作させているときの カーネルデバッグレベルを変更させる。
-silent, -s
SCSI コマンドが失敗したときの状況報告を表示させない。
-v 一般的な表示の詳細度を 1 つ上げる。 例えば、書き込み処理の進捗状況を表示するために使われる。
-V SCSI コマンド転送に関する表示の詳細度を 1 つ上げる。 CD レコーダにおける書き込み処理での問題をデ
バックするのに役立つ。 簡単なエラーメッセージしか表示されない場合は、 このフラグを使って詳細な表示
を行わせることができる。 -VV を指定すると、データバッファの内容も表示される。 -V や -VV を使う
と、処理が遅くなる。
f=file check.log の代わり使うログファイルを指定する。
例
ファイル
関連項目
cdrecord(1), readcd(1), mkisofs(1), scg(7).
注意
壊れた Linux SCSI generic driver で scgcheck を使う場合、 scgcheck は scg ドライバの機能をエミュレートを
試みるという対処療法を使う。 不幸なことに、 Linux の sg ドライバには以下のような酷いバグがある:
• SCSI コマンドが全く送られていないかを調べることができない。
• SCSI status バイトを取得できない。 このため、 scgcheck は失敗した SCSI コマンドをある状況下では報
告できない。
• 転送時の実際の DMA カウントを取得できない。 scgcheck は、DMA の残余カウントがあるかをユーザーに知
らせることができない。
• auto sense データのうち有効なバイト数を取得できない。 scgcheck は、認識したデータをデバイスが全く
転送していないかを ユーザーに知らせることができない。
• auto request sense では非常に少ないデータしか取得できない (CCS/SCSI-2/SCSI-3 では 18 以上でなけれ
ばならない)。
返り値
SCSI コマンドの典型的なエラーメッセージは以下のようなものである:
readcd: I/O error. test unit ready: scsi sendcmd: no error
CDB: 00 20 00 00 00 00
status: 0x2 (CHECK CONDITION)
Sense Bytes: 70 00 05 00 00 00 00 0A 00 00 00 00 25 00 00 00 00 00
Sense Key: 0x5 Illegal Request, Segment 0
Sense Code: 0x25 Qual 0x00 (logical unit not supported) Fru 0x0
Sense flags: Blk 0 (not valid)
cmd finished after 0.002s timeout 40s
1 行目はコマンドの転送についての情報である。 最初のコロンのあとの文字列は、 カーネルの視点からみたシステ
ムコールのエラーである。 他の問題が起こらないときに、一般的なのは I/O error である。 次の文字列は失敗した
SCSI コマンドの簡単な説明である。 残りの部分は SCSI バス越しにコマンドを転送する際に 問題が発生したことを
示す。 fatal error はコマンドを転送できなかったことを示す (つまり、要求された SCSI アドレスにデバイスが存
在しなかった)。
2 行目には失敗したコマンドの SCSI コマンドの ディスクリプターブロックが表示される。
3 行目には、コマンドの転送が成功した場合に、 コマンドによって返される SCSI status コードについての情報が
表示される。 これは SCSI デバイスからのエラー情報である。
4 行目はコマンドの auto request sense 情報の 16 進ダンプである。
5 行目は (もし存在すれば) sense key のエラー文字列である。 コマンドが copy の場合にのみ、セグメント番号が
続く。 エラーメッセージが現在のコマンドに直接関係していない場合、 deferred error という文字列が表示され
る。
6 行目は sense code のエラー文字列である。 存在する場合には sense qualifier も表示される。 デバイスのタイ
プが既知の場合、 sense data は scsierrs.c" にあるテーブルを用いてデコードされる。 その文字列の後には
field replaceable unit についてのエラー値が続く。
7 行目には、失敗したコマンドに関連したブロック番号と エラーフラグ文字列が表示される。 ブロック番号は有効
ではないかも知れない。
8 行目は、そのコマンドについて設定されたタイムアウトと、 実際にコマンドが完了するまでにかかった時間が表示
される。
バグ
謝辞
メーリングリスト
著者
Joerg Schilling
Seestr. 110
D-13353 Berlin
Germany
その他の情報は以下で入手できる。
http://www.fokus.gmd.de/usr/schilling/cdrecord.html
サポートに関する質問は、
cdrecord-support@berlios.de
または other-cdwrite@lists.debian.org
にメールを送ってください。
明らかなバグを見付けた場合は、
cdrecord-developers@berlios.de
または schilling@fokus.gmd.de
にメールを送ってください。
メーリングリストを購読するには、
http://lists.berlios.de/mailman/listinfo/cdrecord-developers
または http://lists.berlios.de/mailman/listinfo/cdrecord-support
を参照すること。
Joerg Schilling Version 1.10 SCGCHECK(1)