Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20161015+dfsg-1_all bug

名前

       clock_getcpuclockid - プロセスの CPU 時刻のクロック ID を取得する

書式

       #include <time.h>

       int clock_getcpuclockid(pid_t pid, clockid_t *clock_id);

       -lrt とリンクする (バージョン 2.17 より前の glibc のみ)

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       clock_getcpuclockid():
           _XOPEN_SOURCE >= 600 || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L

説明

       clock_getcpuclockid()  関数は、 プロセス ID が pid のプロセスの CPU 時刻のクロック ID を取
       得し、 その ID を clock_id が指す場所に入れて返す。 pid が 0 の場合、 呼び出し元のプロセス
       の CPU 時刻のクロック ID が返される。

返り値

       成功すると、 clock_getcpuclockid() は 0 を返す。 エラーの場合、 「エラー」の節のリストにあ
       る正のエラー番号のいずれかを返す。

エラー

       ENOSYS カーネルが他のプロセスのプロセス単位の  CPU  時刻のクロックの取得に対応しておらず、
              かつ pid が呼び出し元のプロセスを指していなかった。

       EPERM  呼び出し元プロセスが  pid で指定されたプロセスの CPU 時刻のクロックにアクセスする許
              可を持っていなかった。(POSIX.1-2001 では任意のエラーとして規定されている。 カーネル
              が他のプロセスのプロセス単位の  CPU  時刻のクロックの取得に対応していない場合には、
              このエラーは発生しない。)

       ESRCH  ID が pid のプロセスが存在しない。

バージョン

       clock_getcpuclockid() 関数は glibc バージョン 2.2 以降で利用可能である。

属性

   マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
       clock_getcpuclockid() 関数はスレッドセーフである。

準拠

       POSIX.1-2001.

注意

       pid に 0 を指定して clock_getcpuclockid() を呼び出して得られたクロック  ID  を引き数として
       clock_gettime(2)    の呼び出すのは、   クロック   ID   CLOCK_PROCESS_CPUTIME_ID   を使って
       clock_gettime(2) の呼び出すのと同じである。

       以下のサンプルプログラムは、 コマンドラインで指定された ID を持つプロセスの  CPU  時刻のク
       ロック  ID を取得し、 clock_gettime(2) を使ってそのクロックの時刻を取得する。 以下は実行例
       である。

           $ ./a.out 1                 # Show CPU clock of init process
           CPU-time clock for PID 1 is 2.213466748 seconds

   プログラムのソース

       #define _XOPEN_SOURCE 600
       #include <stdio.h>
       #include <unistd.h>
       #include <stdlib.h>
       #include <time.h>

       int
       main(int argc, char *argv[])
       {
           clockid_t clockid;
           struct timespec ts;

           if (argc != 2) {
               fprintf(stderr, "%s <process-ID>\n", argv[0]);
               exit(EXIT_FAILURE);
           }

           if (clock_getcpuclockid(atoi(argv[1]), &clockid) != 0) {
               perror("clock_getcpuclockid");
               exit(EXIT_FAILURE);
           }

           if (clock_gettime(clockid, &ts) == -1) {
               perror("clock_gettime");
               exit(EXIT_FAILURE);
           }

           printf("CPU-time clock for PID %s is %ld.%09ld seconds\n",
                   argv[1], (long) ts.tv_sec, (long) ts.tv_nsec);
           exit(EXIT_SUCCESS);
       }

関連項目

       clock_getres(2), timer_create(2), pthread_getcpuclockid(3), time(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。