Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20161015+dfsg-1_all
名前
getservent_r, getservbyname_r, getservbyport_r - サービスエントリーを 取得する (リエントラ ント版)
書式
#include <netdb.h> int getservent_r(struct servent *result_buf, char *buf, size_t buflen, struct servent **result); int getservbyname_r(const char *name, const char *proto, struct servent *result_buf, char *buf, size_t buflen, struct servent **result); int getservbyport_r(int port, const char *proto, struct servent *result_buf, char *buf, size_t buflen, struct servent **result); glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照): getservent_r(), getservbyname_r(), getservbyport_r(): _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE
説明
関数 getservent_r(), getservbyname_r(), getservbyport_r() は、 それぞれ getservent(3), getservbyname(3), getservbyport(3) の リエントラント版である。 servent 構造体の返し方 と、関数呼び出し時の引き数と返り値が異なる。 このマニュアルページでは、リエントラントでな い関数との違いだけを 説明する。 これらの関数は、関数の結果として静的に割り当てられた servent 構造体 へのポインターを返すの ではなく、 servent 構造体を result_buf が 指す場所にコピーする。 配列 buf は、返される servent 構造体が指す文字列フィールドを 格納するのに使用される (リエ ントラントでない関数の場合は、 これらの文字列は静的な領域に格納される)。 この配列の大きさ は buflen で指定される。 buf が小さすぎる場合、関数呼び出しはエラー ERANGE で失敗し、 呼び 出し側ではもっと大きなバッファーで再度呼び出す必要がある (ほとんどの アプリケーションで は、長さ 1024 バイトのバッファーで十分なはずである)。 関数呼び出しでサービスレコードの取得に成功すると、 *result は result_buf を指すように設定 される。 それ以外の場合は *result に NULL が設定される。
返り値
成功すると、これらの関数は 0 を返す。エラーの場合、「エラー」の節の リストにある正のエラー 番号のいずれかを返す。 エラーの場合、レコードが見つからなかった場合 (getservbyname_r(), getservbyaddr_r()) やこれ 以上レコードがない場合 (getservent_r())、 result には NULL が設定される。
エラー
ENOENT (getservent_r()) データベースにこれ以上レコードがない。 ERANGE buf が小さすぎる。もっと大きなバッファーにして (または buflen を増やして) 再度呼び 出すこと。
準拠
これらの関数は GNU による拡張である。 他のシステムにも同様の名前の関数が存在する場合がある が、 通常は関数の引き数が異なる。
例
以下のプログラムは、 getservbyport_r() を使って、コマンド ライン引き数で指定されたポート番 号とプロトコル名を持つ サービスレコードを取得する。 三番目のコマンドライン引き数 (整数値) が指定された場合は、 その値が buflen の初期値として使用される。 getservbyport_r() がエラー ERANGE で失敗すると、プログラムは より大きなバッファーサイズで再度 getservbyport_r を呼び 出す。 下記のシェルのセッションは実行例を示している。 $ ./a.out 7 tcp 1 ERANGE! Retrying with larger buffer getservbyport_r() returned: 0 (success) (buflen=87) s_name=echo; s_proto=tcp; s_port=7; aliases= $ ./a.out 77777 tcp getservbyport_r() returned: 0 (success) (buflen=1024) Call failed/record not found プログラムのソース #define _GNU_SOURCE #include <ctype.h> #include <netdb.h> #include <stdlib.h> #include <stdio.h> #include <errno.h> #include <string.h> #define MAX_BUF 10000 int main(int argc, char *argv[]) { int buflen, erange_cnt, port, s; struct servent result_buf; struct servent *result; char buf[MAX_BUF]; char *protop; char **p; if (argc < 3) { printf("Usage: %s port-num proto-name [buflen]\n", argv[0]); exit(EXIT_FAILURE); } port = htons(atoi(argv[1])); protop = (strcmp(argv[2], "null") == 0 || strcmp(argv[2], "NULL") == 0) ? NULL : argv[2]; buflen = 1024; if (argc > 3) buflen = atoi(argv[3]); if (buflen > MAX_BUF) { printf("Exceeded buffer limit (%d)\n", MAX_BUF); exit(EXIT_FAILURE); } erange_cnt = 0; do { s = getservbyport_r(port, protop, &result_buf, buf, buflen, &result); if (s == ERANGE) { if (erange_cnt == 0) printf("ERANGE! Retrying with larger buffer\n"); erange_cnt++; /* Increment a byte at a time so we can see exactly what size buffer was required */ buflen++; if (buflen > MAX_BUF) { printf("Exceeded buffer limit (%d)\n", MAX_BUF); exit(EXIT_FAILURE); } } } while (s == ERANGE); printf("getservbyport_r() returned: %s (buflen=%d)\n", (s == 0) ? "0 (success)" : (s == ENOENT) ? "ENOENT" : strerror(s), buflen); if (s != 0 || result == NULL) { printf("Call failed/record not found\n"); exit(EXIT_FAILURE); } printf("s_name=%s; s_proto=%s; s_port=%d; aliases=", result_buf.s_name, result_buf.s_proto, ntohs(result_buf.s_port)); for (p = result_buf.s_aliases; *p != NULL; p++) printf("%s ", *p); printf("\n"); exit(EXIT_SUCCESS); }
関連項目
getservent(3), services(5)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクト の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。