Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20161015+dfsg-1_all bug

名前

       toupper, tolower, toupper_l, tolower_l - 小文字を大文字にする。または大文字を小文字にする。

書式

       #include <ctype.h>

       int toupper(int c);
       int tolower(int c);

       int toupper_l(int c, locale_t locale);
       int tolower_l(int c, locale_t locale);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       toupper_l(), tolower_l():
           glibc 2.10 以降:
                  _XOPEN_SOURCE >= 700
           glibc 2.10 より前:
                  _GNU_SOURCE

説明

       これらの関数は、小文字を大文字に、もしくは大文字を小文字に変換する。

       c が小文字の場合、現在のロケールで大文字表現が存在する場合、 toupper() は対応する大文字を返す。大文字表現
       が存在しない場合、c を返す。 toupper_l() 関数は同じ動作をするが、ロケールハンドル locale が参照するロケー
       ルを使って変換を行う。

       c が大文字の場合、現在のロケールで小文字表現が存在する場合、 tolower() は対応する小文字を返す。小文字表現
       が存在しない場合、c を返す。 tolower_l() 関数は同じ動作をするが、ロケールハンドル locale が参照するロケー
       ルを使って変換を行う。

       もし cunsigned char 値でも EOF でもない場合、これらの関数の動作は未定義である。

       locale が特別なロケールオブジェクト LC_GLOBAL_LOCALE の場合 (duplocale(3) 参照)、または locale が有効なロ
       ケールオブジェクトハンドルでない場合、 toupper_l() と tolower_l() の動作は未定義である。

返り値

       変換ができれば変換後の文字を返す。できなければ変換前の c を返す。

属性

   マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
       関数 toupper() と tolower() は、例外付きのスレッドセーフである。実行中に setlocale(3)  を呼び出してロケー
       ルを変更しない限り、マルチスレッドアプリケーションで安全に使用することができる。

準拠

       toupper(), tolower(): C89, C99, 4.3BSD, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

       toupper_l(), tolower_l(): POSIX.1-2008.

注意

       なにが大文字でなにが小文字なのかということの詳細は、ロケールに依存している。たとえば、デフォルトの "C" ロ
       ケールではウムラウトを認識しないため、それらの文字は変換できない。

       いくつかの非英語ロケールでは、対応する大文字を持たない小文字が存在する。 ドイツ語のエスツェットが一つの例
       である。

関連項目

       isalpha(3), newlocale(3), setlocale(3), uselocale(3), towlower(3), towupper(3), locale(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告
       に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。