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名前

       cron - 予定されたコマンドを実行するデーモン(Vixie Cron)

書式

       cron [-f]

説明

       cron は、マルチユーザのランレベルで入ると /etc/init.d から自動的に起動する。

オプション

       -f      フォアグラウンドモードに留まり続け、デーモンにならない。

       -l      /etc/cron.d のファイルについて LSB 準拠の名前を有効にする。

注記

       cron  は、スプール領域 (/var/spool/cron/crontabs) に置かれた crontab ファイルを探す (これらのファイルには
       /etc/passwd 内のアカウントを元にした名前がつけられている)。 見つかった crontab ファイルはメモリにロードさ
       れる。 このディレクトリの crontab ファイルは直接アクセスすべきではないことに注意せよ。 ファイルのアクセス
       や更新には crontab を使用すべきである。

       cron/etc/crontab も読み込む。このファイルのフォーマットは少々異なっている ( crontab(5) を参照)。 さら
       に  cron/etc/cron.d 内のファイルも読み込み、それらのファイルを /etc/crontab ファイルと同様に処理する
       (/etc/cron.d 内のファイルは /etc/crontab  の特別なフォーマットに従う。つまりユーザ名のフィールドを含む)。
       しかし、/etc/cron.d   内のファイルは   /etc/crontab   とは独立している。   つまり、例えば環境変数の設定を
       /etc/crontab から継承したりはしない。 この機能の用途は、/etc/cron.{daily,weekly,monthly} ディレクトリより
       も細かな予定の調節を必要とするパッケージが、  /etc/cron.d に crontab ファイルを追加できるようにすることで
       ある。   これらのファイルには、   そのファイルを提供するパッケージを元にした名前をつけるべきである。   ま
       た、ファイルの名前は、 run-parts(8) で使用される命名規則に準拠していなければならない。 つまり、大文字・小
       文字・数字・アンダースコア・ハイフンのみから 成っていなければならない。  -l  オプションが指定されている場
       合、ファイル名は、  run-parts--lsbsysinit オプションの対象となる LSB の名前空間の仕様に準拠していなけ
       ればならない。

       /etc/crontab  と同様、  /etc/cron.d  ディレクトリ内のファイルも変更が監視される対象となる。  管理者は一般
       に、/etc/cron.d/ ではなく、 標準のシステムの crontab ファイル /etc/crontab を使用すべきである。

       その上で  cron は 1 分ごとに起動し、 保存された crontab ファイルをすべて調べ、 各コマンドについて、その時
       刻に実行すべきかを調べて確認する。  コマンド実行時に、出力はすべて  crontab  の所持者に  (または、crontab
       ファイル内で MAILTO 環境変数に名前を書かれたユーザがあればそのユーザに) メールで送信される。 これらのプロ
       セスを実行する cron の子コピーの名前には、 syslog や ps の出力に見られるように、 親の名前を強制的に大文字
       にしたものが使われる。

       さらに  cron  は  1  分ごとにスプールディレクトリ(または  /etc/crontab ファイル)の最終修正時刻(modtime)を
       チェックし、もし変更されていれば、  すべての  crontab   ファイルの最終修正時刻をチェックし、   変更された
       crontab   ファイルを読み直す。  よって  crontab  ファイルを修正するたびに  cron  を再起動する必要はない。
       crontab(1) コマンドは、crontab ファイルが変更されたかどうかにかかわらず、  スプールディレクトリの最終修正
       時刻を更新することに注意せよ。

       時計に対して 3 時間未満の変更が与えられたとき、 例えばサマータイムが始まるときや終わるときについては、 特
       別の配慮がなされる。 時間が進められた場合、  飛ばされた時間に実行されるはずだったジョブは変更後すぐに実行
       される。  逆に、3  時間未満の時間が戻された場合、  繰り返される時間に入ったジョブが再び実行されることはな
       い。

       この配慮の影響は、  特定の時刻に実行されるジョブ  (@hourly  を用いて指定されていなく、   「時」や「分」の
       フィールドに '*' がないジョブ) のみが受ける。 ワイルドカードで指定されたジョブは、 直ちに新しい時刻に基づ
       いて実行される。

       3 時間を超える時計の変更は時刻の修正と見なされ、 直ちに新しい時刻が使用される。

       cron は、syslog の 'cron' 機能にアクションの記録 (ログ) をとる。 ロギングは、標準の syslogd(8) の機能を用
       いて調節してもかまわない。

関連項目

       crontab(1), crontab(5)

著者

       Paul Vixie <paul@vix.com>