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名前

       mkisofs - はオプションの Rock Ridge 属性で ISO9660 ファイルシステムを作成する。

書式

       mkisofs  [ -a ] [ -abstract FILE ] [ -biblio FILE ] [ -b eltorito_boot_image ] [ -B sparc_boot_image_list
       ] [ -G generic_boot_image ] [ -gui ] [ -C #,# ] [ -hard-disk-boot ] [ -no-emul-boot  ]  [  -no-boot  ]  [
       -boot-load-seg  ]  [  -boot-load-size ] [ -boot-info-table ] [ -c boot_catalog ] [ -copyright FILE ] [ -A
       application_id ] [ -f ] [ -d ] [ -D ] [ -hide glob ]  [  -hide-list  file  ]  [  -hide-joliet  glob  ]  [
       -hide-joliet-list  file  ] [ -hide-joliet-trans-tbl ] [ -hide-rr-moved ] [ -J ] [ -l ] [ -L ] [ -log-file
       log_file ]  [  -M  path  |  device  ]  [  -nobak  ]  [  -no-bak  ]  [  -no-split-symlink-components  ]  [
       -no-split-symlink-fields  ] [ -path-list file ] [ -p preparer ] [ -print-size ] [ -P publisher ] [ -quiet
       ] [ -r ] [ -R ] [ -sysid ID ] [ -T ] [ -U ] [ -v ] [ -V volid ] [ -volset ID  ]  [  -volset-size  #  ]  [
       -volset-seqno # ] [ -x path ] [ -exclude-list file ] [ -z ] [ -m glob ] -o filename pathspec [pathspec]

説明

       mkisofs  は効果的に ISO9660 ファイルシステムを生成するプリマスタリングプログラ ムである。与えられたディレ
       クトリツリーのスナップショットを撮り、ブロッ クデバイスに書き込むときに ISO9660  ファイルシステムに一致す
       るバイナリ イメージを生成する。

       mkisofs はまた、Rock Ridge Interchange Protocol で指定された System Use Sharing Protocol レコードを生成す
       ることができる。これは UNIX ホストへ の ISO9660  ファイルシステムの詳細な説明に使用され、また長いファイル
       名 や UID/GID、POSIX パーミッション、そしてブロックやキャラクタデバイスの 情報を提供する。

       Rock  Ridge  が使用されていても、それぞれの ISO9660 ファイルシステムに書 き込まれるファイルは、8.3 フォー
       マット (8 文字、ピリオド、3 文字ですべ て大文字) でファイル名を保持していなければならない。このファイル名
       は  Rock  Ridge  拡張を使用するようにできないシステム (MS-DOS のように) で使 用され、それぞれのファイル名
       は、それぞれのディレクトリで、同じディレク     トリの中では他のファイル名と異なるものでなければならない。
       mkisofs は一般的に UNIX ファイル名を要求されているように大文字にしたり、省略す ることにより正しい名前を作
       ろうとするが、省略された名前が全て唯一のもの でない場合があるので、しばしば満足できない結果を出してしまう
       ことがある。  mkisofs はそれぞれのファイル名に重み付けをし、もし二つの異なるファイル名が同じ になってしま
       う場合、プライオリティの低い方は拡張子が 3 桁の数字( 数字は唯一のものと保証される)に変更される。 この例と
       して、ファイル名  foo.bar と foo.bar.~1~ は、foo.bar.~1~ は FOO.000;1 として書き込まれ、そして foo.bar は
       FOO.BAR;1 として書き込ま れる。

       mkisofs は書き込み機と直接やりとりするために作成されていないことに注意すること。 ほとんどの書き込み機は製
       造元ごとに異なる独自のコマンドセットを持ってい て、そして実際にディスクを焼くためには専門的なツールが必要
       である。 cdwrite ユーティリティは Linux で動作し、この仕事を行うツールのひとつである。  cdwrite  の最新の
       バージョンは Phillips/IMS/Kodak, HP と Yamaha ドライブとやりと りすることができる。ほとんどの書き込み機は
       ISO9660 イメージの直接的な イメージコピーを書き込み機に対して行うことができる DOS ソフトウェアの 何らかの
       バージョンがついている。             cdwrite             の現在のバージョンは            sunsite.unc.edu:
       /utils/disk-management/cdwrite-2.0.tar.gz からもってくることができる。 cdwrite は最近積極的に保守されてい
       ないことに注意すること。

       cdrecord  ユーティリティは実際のディスクに書き込みを行うもうひとつのユーティリティ である。最新のバージョ
       ンの cdrecordftp://ftp.fokus.gmd.de/pub/unix/cdrecord から持ってくることができる。

       また、ほとんどの CD 書き込み機はタイミングに対して非常にうるさい。一度 ディスクを焼きはじめたら、終了する
       前に書き込み機のバッファを空にさせる   ことはできず、空にしてしまうと壊れたディスクができて終わる。従って
       ディスクが書き込まれているすべての時間に途切れないデータストリームを持 続できることが重要である。

       pathspec は ISO9660 ファイルシステムにコピーするディレクトリツリーのパスである。 複数のパスが指定可能で、
       mkisofs  は  CD-ROM イメージを作成するすべての指定されたパスの組み合わせから見つ けたファイルを組み合わせ
       る。

       ルートディレクトリ以外の場所にパスを結合することは可能で、元のファイル システムの中にあるファイルやディレ
       クトリと異なった名前で CD-ROM イメー ジに結合することができる。これはいくつかの例で図示するのがもっとも簡
       単 だ。ローカルファイル ../old.lis が存在するものと仮定して、それを CD-ROM イメージに含めたいとする。

            foo/bar/=../old.lis

       は、CD-ROM イメージにファイル old.lis を /foo/bar/old.lis に含み、同時に

            foo/bar/xxx=../old.lis

       は CD-ROM イメージにファイル old.lis を /foo/bar/xxx に含む。同じ  種類の文法はディレクトリにも同じように
       使用することができる。  mkisofs は CD-ROM イメージ上に結合場所が存在するような必要なすべてのディレクト リ
       を作成する。ディレクトリはパスのうちの一つに出現する必要はない。作業 中にこのように作成されるすべてのディ
       レクトリは、パーミッション  0555  を 持ち、mkisofs を実行している人の所有となる。もしあなたが他のパーミッ
       ショ ンや中間のディレクトリの所有者を希望した場合、もっとも簡単な解決法は mkisofs  がそれらを作成する必要
       がないような実体のディレクトリを作成する ことである。

オプション

       -a     ISO9660  ファイルシステム上のすべてのファイルを含む。通常 "~" や "#" を 含むファイルは通常含まれな
              い (これらは多くの場合 UNIX 下のエディタのバッ クアップファイルである)。このオプションは、現在は廃
              止(obsolete)されて いる(-no-bak オプションを見よ)。

       -abstract FILE
              要約ファイル名を指定する。このパラメータはファイル  .mkisofsrc で ABST=filename として設定される。
              もし両方の場所で指定された場合、コマンドラインで指定したものが使用される。

       -A application_id
              ボリュームヘッダに書き込まれる文字列を指定する。これはディスクにあるア  プリケーションを説明するで
              あろう。  ディスク上には  128  文字の情報の分の容量がある。 このパラメータはファイル .mkisofsrc で
              APPI=id として設定される。 もし両方の場所で指定された場合、コマンドラインのものが使用される。

       -biblio FILE
              書誌情報ファイルを指定する。このパラメータはファイル .mkisofsrc で  BIBLO=filename  として設定され
              る。もし両方の場所で指定された場合、コマン ドラインのものが使用される。

       -b eltorito_boot_image
              "El  Torito"  ブータブル  CD  を作成するときに使用されるブートイメージのパ  スとファイル名を指定す
              る。パス名は  mkisofs  に対して指定している元の相対パスでなければならない。  このオプションは  "El
              Torito"  ブータブル  CD を作成するのに必須である。 ブートイメージは 1.2MB, 1.44MB または 2.88MB フ
              ロッピーの正確なサイズ でなければならず、また mkisofs は、ISO9660 ファイルシステムを出力する際にこ
              のサイズを使用する。最初の 512 バイトセクタはブートイメージから読まれるものとされている (通常の フ
              ロッピードライブをエミュレートするのに必須である)。これは、たとえば、  もしブートイメージが   LILO
              ベースのブートフロッピーであった場合に働く。

       -B img_sun4,img_sun4c,img_sun4m,img_sun4d,img_sun4e
              Sparc  システムでのブータブル  CD  の作成に必要なブートイメージをコンマで 区切られたリストで指定す
              る。
               コンマで区切られたリストには空のフィールドがあってもよい。 もし -B または -sparc-boot  オプション
              が指定されると、作成されるイメージの最初のセクタは  Sun  ディ スクラベルを含む。このディスクラベル
              は、スライス 0 は iso9660 イメージ を、スライス 1 ... スライス 7  はこのオプションで指定されたブー
              トイ  メージを、それぞれ指定する。  各、ブートイメージにあるバイトオフセット 512 ... 8191 は適切な
              sparc アーキテクチャで動くプライマリブートを含まなければならない。  通常は、最初にカーネルの  boot
              段階で使われる ufs ファイルシステムが残 る部分に含まれる。

              実装されているブート方法は、SunOS  4.x  及び  SunOS  5.x  に見られるブート 方法である。 しかしこれ
              は、SunOS の内部に依存しているのではなく、 Open Boot prom の性質にのみ依存している。  この理由によ
              り、sparc システムを動かせる他の OS でも使えるだろう。

       -G generic_boot_image
              汎用ブータブル CD を作成する時に使われる汎用ブートイメージのパスと ファイル名を指定する。 汎用ブー
              トイメージ は CD の先頭 16 セクタに置かれる。 先頭の 16 セクタは、iso9660 の最初のボリューム記述子
              の前に配置される。 もしこのオプションが -sparc-boot オプションと一緒に使われると、Sun ディスクラベ
              ルは汎用ブートイメージの先頭 512 バイトを上書きする。

       -hard-disk-boot
              "El Torito" ブータブル CD の作成に使われるブートイメージが、ハードディ  スクイメージであると指定す
              る。ハードディスクイメージは一つのパーティショ  ンだけを含むマスターブートレコードで始まらなければ
              ならない。

       -no-emul-boot
              "El Torito" ブータブル CD の作成に使われるブートイメージが
               '非エミュレーション'  イメージであると指定する。システムはこのイメージ   を、なんらディスクエミュ
              レーションをせずにロードし、実行する。

       -no-boot
              "El Torito" CD がブート不可であるとマークされるように指示する。 システムはこのイメージのエミュレー
              トされたドライブを提供するが、標準 のブートデバイスから起動する。

       -boot-load-seg segment_address
               '非エミュレーション' "El Torito" CD ブートイメージのロードセグメント アドレスを指定する。

       -boot-load-size load_sectors
              非エミュレーションモードでロードされる "仮想"(512バイト)セクタの数を指定する。  デフォルトはブート
              ファイルの全部である。 これが 4 の倍数でない場合に問題がある BIOS があるかも知れない。

       -boot-info-table
              CD-ROM  の配置に関する情報の 56 バイトのテーブルが、ブートファイルのオ フセット 8 に置かれることを
              指示する。 このオプションが与えられると、ブートファイルは作成元となるファイルシス テム上で修正され
              るので、このファイルが簡単に再作成できないのならちゃんと コピーをとっておくこと。 このテーブルの記
              述に関しては  BOOT INFORMATION TABLE の項を見よ。

       -C last_sess_start,next_sess_start
              このオプションは、マルチセッションのディスクで第 2 セッション以降のイメージを 作成するのに mkisofs
              が用いられた場合に必要となる。  この -C オプションは、コンマで区切られた二つの数を引数にとる。一つ
              目の数は、追  加されるディスクの最後のセッションの最初のセクタ番号である。二つ目の数は  新しいセッ
              ションの最初のセクタ番号である。 期待される二つの数は、 cdrecord -msinfo ...  というコマンドの呼び
              出しで得られる。 -C オプションは -M オプションと組合せた場合にのみ使われる。

       -c boot_catalog
              "El Torito" ブータブル CD を作成する際に使用されるブートカタログのパス  とファイル名を指定する。パ
              ス名は  mkisofs に対して指定している元の相対パスでなければならない。このオプションはブー タブル CD
              を作成するのに必須である。このファイルは mkisofs  によって元になるファイルシステムの中に作成される
              ので、黙って上書きされ ないように、指定されたファイル名が存在しているファイルとコンフリクトし ない
              ように注意すること! 通常 "boot.catalog" という名前が選ばれる。

       -copyright FILE
              著作権ファイルを指定する。このパラメータはファイル  .mkisofsrc  で  COPY=filename   として設定され
              る。もし両方の場所で指定された場合、コマン ドラインのものが使用される。

       -d     ピリオドを持たないファイルに後続するピリオドをファイルから省く    (訳注:    たとえば    ファイル名
              "hogehoge." の最後の "." など)。これは ISO9660 標 準に違反しているが、ほとんどのシステムで働く。注
              意して使用すること。

       -D     深いディレクトリの再配置を行わず、かわりにそのまま格納する。これは    ISO9660   標準に違反している
              が、ほとんどのシステムで働く。注意して使用す ること。

       -f     ファイルシステムを生成する時にシンボリックリンクを追跡する。このオプショ    ンが使用されていないと
              き、シンボリックリンクは、もし  Rock Ridge が有効に なっていれば格納され、無効になっていれば無視さ
              れる。

       -gui   GUI のために動きを切替える。現在のところこれにより出力が詳細になるが、  将来的には他の効果をもつだ
              ろう。

       -hide glob
              ISO9660  または  Rock Ridge ディレクトリにある glob を隠す。 glob はシェルのワイルドカード形式のパ
              ターンで、ファイル名かパスの一部にマッ チする。 (1000 個までの) glob  の複数指定が可能である。もし
              glob  がディレクトリにマッチした場合、ディレクトリの中身が隠される。 すべての隠されたファイルは CD
              イメージファイルには書き出される。 -hide-joliet オプションと共に用いられるべきである。

       -hide-list file
              上で述べた、隠される globs のリストを収めたファイル

       -hide-joliet glob
              Joliet ディレクトリにある glob を隠す。 glob  はシェルのワイルドカード形式のパターンで、ファイル名
              かパスの一部にマッ  チする。 (1000 個までの) glob の複数指定が可能である。もし glob がディレクトリ
              にマッチした場合、ディレクトリの中身が隠される。 すべての隠されたファイルは CD  イメージファイルに
              は書き出される。 -hide オプションと共に用いられるべきである。

       -hide-joliet-list file
              上で述べた、隠される globs のリストを収めたファイル

       -hide-joliet-trans-tbl
              Joliet  ツリーから TRANS.TBL ファイルを隠す。 普通 Joliet の世界では、これらのファイルは意味をなさ
              ない。 なぜならこのファイルがリストする本当の名前と ISO9660 の名前はともに、 Joliet の名前とは違う
              からである。

       -hide-rr-moved
              Rock Ridge ツリーではディレクトリ RR_MOVED.rr_moved という名前に変更する。 Rock Ridge ツリーか
              ら RR_MOVED ディレクトリを完全に隠すことは不可能のようにみえる。  このオプションは、このディレクト
              リが何なのかを知らない人々が、     目にするツリーを理解しやすくするようにするだけである。     もし
              RR_MOVED ディレクトリを全く必要としないのなら、 -D オプションを使うべきである。 -D  オプションが指
              定された場合には、作成されるファイルシステムは  ISO9660 レベル-1 互換でなく、MS-DOS からは読めない
              ことに注意せよ。

       -l     30 文字のファイル名を許す。通常 ISO9660 ファイル名は ISO9660 標準が 30  文字までのファイル名を認め
              ていても MS-DOS 互換の 8.3 フォーマットにな る。このオプションを使用すれば、ディスクは MS-DOS で使
              用するのが困難に なるが、その他のシステム (Amiga のような)  で使いやすくなる。注意して使  用するこ
              と。

       -J     通常の   ISO9660   ファイル名に加えて   Joliet  ディレクトリレコードを生成す  る。これはディスクが
              Windows95 や Windows NT マシンで使用されるとき一 番便利である。Joliet ファイル名は Unicode  で指定
              され、それぞれのパスは 最大 64 Unicode 文字で構成することができる。

       -L     ISO9660 のファイル名をピリオドで始めることを許す。通常、先頭のドットは MS-DOS との互換性を維持する
              ためにアンダースコアに変換される。

       -log-file log_file
              標準エラー出力の代わりに、 log_file にすべてのエラー、警告、一般的な通知メッセージを出力する。

       -m glob
              CD-ROM に書き込まれるときに glob を除外する。 glob はシェルのワイルドカード形式のファイル名 (-x の
              ようにパスではない) の一部に一致するパターンである (訳注: glob はファ イル名に一致するパターンを生
              成し、それはしばしばシェルに依存する)。 技術的には glob は、ディレクトリエントリの d->d_name  部分
              に対して一致される。複数の glob が実行可能である (最大 1000)。 例:

              mkisofs -o rom -m '*.o' -m core -m foobar

              は ".o" で終わるファイルまたは "core" または "foobar" のすべてが CD-ROM にコピーするファイルから除
              外される。もし "foobar" と呼ばれる ディレクトリがあれば、それも除外される  (そしてもちろんそのサブ
              ディレ クトリも除外される)。 注意: -m と -x オプションに関する説明は間違っており、更新されるべきで
              ある。 ファイル名そのままの指定とワイルドカード形式の指定の両方が可能である。 ファイル名が一致した
              場合か、パスの全てが一致した場合にファイルは除外される。

       -exclude-list file
              上で述べた、隠される globs のリストを収めたファイル

       -M path
              もしくは
       -M device
              結合される、すでに存在する ISO9660 イメージのパスを指定する。 代わりに SCSI デバイスを指定する場合
              は cdrecorddev= と同じ書式を用いる。 mkisofs の出力は -M  で指定したイメージの後ろに新しいセッ
              ションとして書き込まれ  るだろう。通常、これはこのイメージを書き込もうとしている書き込み機およ  び
              CD-ROM ドライブに対しマルチセッション機能を要求する。マルチセッショ ン機能のサポートは、CD-ROM  上
              で次の書き込み可能なアドレスを決定するた  めに mkisofs と cdwrite との間でいくつかのハンドシェーク
              が要求されるた め、まだ完全ではない。 このオプションは -C との組合せの場合のみ用いられる。

       -N     ISO9660 ファイル名のバージョン番号を省略する。これは ISO9660 標準に 違反するが、このバージョン番号
              を本当に使っているシステムはない。 注意して使用すること。

       -nobak
       -no-bak
              iso9660  ファイルシステム上にバックアップファイルを含まない。 -no-bak オプションが指定されると、文
              字 '~' または '#' を含むファイルと、'.bak' で終わるファイルは含まれない(これらは unix 上のエディタ
              の典型的なバックアップファイルである)。

       -no-rr 前のセッションからの  Rock  Ridge  属性を使わない。 これは、 mkisofs が古いセッションの不正な Rock
              Ridge 署名を見つけた時に、トラブルになるのを 避けるのに役立つだろう。

       -no-split-symlink-components
              SL コンポーネントを分割せず、代わりに新しい継続領域 (Continuation Area (CE))  を開始する。これは空
              き領域を浪費するが、SunOS 4.1.4 の CD-ROM ドライバは分割された SL コンポーネントの読み込みにバグが
              ある。 (link_size += component_size の代わりに link_size = component_size)

       -no-split-symlink-fields
              SL フィールドを分割せず、代わりに新しい継続領域 (Continuation Area (CE))  を開始する。これは空き領
              域を浪費するが、SunOS 4.1.4 及び Solaris 2.5.1 の CD-ROM ドライバは 分割された SL フィールドの読み
              込みにバグが ある(`/' が抜け落ちることがある)。

       -o filename
              は、書き込まれる ISO9660 ファイルシステムイメージのファイル名である。 これはディスクファイルやテー
              プドライブまたは直接一致する光学ディスク書  き込み機のデバイス名でもかまわない。もし指定されなけれ
              ば、標準出力が使 用される。出力は通常のディスクドライブの特殊ブロックデバイスでも構わな いが、この
              場合にはディスクパーティションはマウント可能で、プリマスタリ  ングが正常に終了したかを確証していな
              ければならないことに注意するように。

       -path-list file
              ISO9660 ファイルシステムに追加される pathspec ディレクトリとファイル名のリスト。 この pathspec  リ
              ストは、コマンドラインに現れるすべてのもののあとに処理される。 もし引数が - ならば、リストは標準入
              力から読まれる。 少なくとも一つの pathspec がコマンドラインで与えられなければならない。

       -P publisher_id
              ボリュームヘッダに書き込まれる文字列を指定する。これは CD-ROM の出版者  を説明し、通常メールアドレ
              スと電話番号が記載される。   ディスク上には   128   文字の情報の分の容量がある。  このパラメータは
              .mkisofsrc の PUBL= でも設定可能である。もし二つの場所で指定されている場合、コマ  ンドラインのもの
              が使用される。

       -p preparer_id
              ボリュームヘッダに書き込まれる文字列を指定する。  これは CD-ROM の作成者を説明し、通常メールアドレ
              スと電話番号が記載される。   ディスク上には    128    文字の情報の分の容量がある。このパラメータは
              .mkisofsrc  の PREP= でも設定可能である。 もし二つの場所で指定されている場合、コマンドラインのもの
              が使用される。

       -print-size
              予測されたファイルシステムのサイズを表示して終了する。このオプションは  Disk  At   Once   モードで
              cdrecord  に直接パイプしているときに、いくつかの  CD-R ドライブで使用される。 この場合には、実際の
              CD 作成が行われる前にファイルシステムのサイズを知っ ておく必要がある。-print-size オプションは、CD
              が実際に書き込まれる前 に "dry-run" (訳注: 実際の書き込みを伴わない試験書き込み) によりこのサ イズ
              を取得する。

       -quiet このオプションは mkisofs にそれほど詳細な出力をさせないようにする。 進捗状況が出力されない。

       -R     ISO9660 ファイルシステムのファイルを詳細に説明するために Rock Ridge プロトコルを使用して SUSP 及び
              RR レコードを生成する。

       -r     これは -R オプションに似ているが、ファイルの所有とモードがより便利な 値に設定される。UID と GID は
              通常作者のシステムでのみ有用で、クライア ントでは有用でないため 0 にセットされる。すべての読み込み
              ビットは  true でファイルとディレクトリはクライアントで全体的に読み込み可能になる。も しいかなる実
              行ビットがファイルに設定されていたら、実行ビットのすべてが  設定され、クライアントで実行可能ファイ
              ルは全体的に実行可能になる。もし  いかなる検索ビットがディレクトリにセットされていれば、検索ビット
              のすべ   てを設定し、ディレクトリは全体的にクライアントで検索可能になる。すべて   の書き込みビット
              は、CD-ROM  はすべての場合において読み込み専用でマウン  トされるため、消去される。もしいかなる特殊
              モードのビットが設定されてい  れば、読み込み専用のファイルシステム上でのファイルロックは有用ではな
              く、 set-id ビットは UID 0 または GID 0 では望ましくないため、消去する。

       -sysid ID
              システム ID を指定する。このパラメータはファイル .mkisofsrc で SYSI=system_id として設定される。も
              し両方の場所で指定された場合、コマン ドラインのものが使用される。

       -T     Rock Ridge が使用できないシステム上で正しいファイル名を得るために TRANS.TBL を CD-ROM のそれぞれの
              ディレクトリに生成する。ファイルの中に  は他にもブロックデバイスやキャラクタデバイスのメジャー番号
              やマイナー番 号情報があり、それぞれのシンボリックリンクは与えられたファイルの名前を 持つ。

       -table-name TABLE_NAME
              代わりの変換テーブルファイルネーム(上を見よ)。 -T オプションを含む。  もしマルチセッションイメージ
              を作成したならば、前のセッションと同じ名前 にしなければならない。

       -U     iso9660  標準に完全に違反する、"未変換" ファイル名を許可する。 -d、-l、-L、-N フラグが自動的に指定
              され、文字 '.' を 1 個以上含む  ファイル名や、大文字小文字が混ざったファイル名も許可される。  これ
              は、最初からある  CDFS ファイルシステムが何の拡張も認識しない HP-UX システムで有効である。使用には
              細心の注意を払うこと。

       -V volid
              マスターブロックに記載するボリューム  ID  を指定する。  このパラメータは、ファイル  .mkisofsrc  で
              VOLI=id により指定することもできる。もし二つの場所で指定された場合, コマンドラインのものが使用され
              る。 もしボリューム ID を指定した場合、その名前は、Solaris ボリューム管理シ ステムではマウントポイ
              ントとして、Windows または Mac プラットフォームでは ディスク名として使われるので、注意すること。

       -volset ID
              ボリュームセット ID を指定する。このパラメータはファイル .mkisofsrc で VOLS=volset_id として設定さ
              れる。もし両方の場所で指定された場合、コマン ドラインのものが使用される。

       -volset-size #
              ボリュームセットサイズを # に設定する。ボリュームセットサイズとは CD のセットの中の CD  の枚数であ
              る。  -volset-size オプションは、オペレーティングシステムのインストールなどで CD が(複数 枚の)セッ
              トになっている場合に、その部分としての CD を作成するときに指 定する事ができる。 -volset-size  オプ
              ションは、コマンドライン上で -volset-seqno より前に指定されなければならない。

       -volset-seqno #
              ボリュームセット番号を # に設定する。ボリュームセット番号とは、その CD の、CD セットの中での順番で
              ある。 -volset-size オプションは、コマンドライン上で -volset-seqno  より前に指定されなければならな
              い。

       -v     冗長な出力。

       -x path
              CD-ROM  の書き込みに path を排除する。 path はコマンドライン引数として連続して与えられた完全なパス
              名で、パスはこの  ディレクトリに相対でなければならない。複数のパスが除外可能である  (最大  1000)。
              例:

              mkisofs -o cd -x /local/dir1 -x /local/dir2 /local

              注意: -m と -x オプションに関する説明は間違っており、更新されるべきである。 ファイル名そのままの指
              定とワイルドカード形式の指定の両方が可能である。  ファイル名が一致した場合か、パスの全てが一致した
              場合にファイルは除外される。

       -z     特殊な  SUSP レコードを transparent 圧縮されたファイルに対して生成する。 これは transparent 圧縮を
              サポートするホストに対してのみ使用される。こ  れは試験的な機能で、どのホストもこれをサポートしてい
              ないが、この機能を 使用可能にする Linux 用の alpha パッチが存在する。

ブート情報テーブル

       -boot-info-table  オプションが与えられると、 mkisofs-b オプションで与えられたブートファイルのオフセッ
       ト 8 に 56 バイトの "ブー ト情報テーブル(boot information table)" を挿入して、ブートファイルを修 正する。
       この修正は作成元となるファイルシステム上で行われるので、このファイルが 簡単に再作成できないのならちゃんと
       コピーをとっておくこと!  このファイルはブート時には簡単には得られない、または信頼できる値が得ら  れないポ
       インタを含む。

       このテーブルのフォーマットは以下の通り;  すべての整数は  7.3.1  節("リトルエンディアン") フォーマットであ
       る。

         オフセット 名前          サイズ    意味
          8         bi_pvd        4 bytes   最初のボリューム記述子の LBA
         12         bi_file       4 bytes   ブートファイルの LBA
         16         bi_length     4 bytes   バイト単位でのブートファイルの長さ
         20         bi_csum       4 bytes   32 ビットチェックサム
         24         bi_reserved   40 bytes  予約済み

       32 ビットチェックサムは、オフセット 64 バイトから始まるブートファイル  のすべての32  ビットワードの和であ
       る。

環境

       mkisofs.mkisofsrc ファイルを検索するために、最初は現在の作業ディレクトリを参照し、そして ユーザのホー
       ムディレクトリ、そのあとに    mkisofs    バイナリが保存されているディレクトリを参照する。このファイルは、
       "TAG=value"  形式の行が含まれるものであり、この形式でいくつかのオプショ ンを設定できる。 タグの大文字小文
       字は意味を持たない。 ボリュームヘッダのいくつかのフィールドはコマンドラインで設定不可能であ  るが、この設
       定ファイルで設定可能である。このファイルには、"#" 文字を使 用することによりコメントを付けられる。

       APPI   アプリケーション識別子は、ディスクにあるアプリケーションを説明する。 ディスク上には 128 文字の情報
              の分の容量がある。 -A コマンドラインオプションにより上書きできる。

       COPY   多くの場合著作権情報が格納されているディスク上のファイルの名前となって        いる、著作権情報であ
              る。ディスク上には 37 文字の情報の分の容量がある。 -copyright コマンドラインオプションにより上書き
              できる。

       ABST   多くの場合要約情報が格納されているディスク上のファイルとなっている、要  約情報である。ディスク上に
              は 37 文字の情報の分の容量がある。 -abstract コマンドラインオプションにより上書きできる。

       BIBL   多くの場合書誌情報が格納されているディスク上のファイルとなっている、書  誌情報である。ディスク上に
              は 37 文字の情報の分の容量がある。 -bilio コマンドラインオプションにより上書きできる。

       PREP   これは CD-ROM の作成者をメールアドレスや電話番号で説明する。 ディスク上には 128 文字の情報の分の容
              量がある。 コマンドラインの -p オプションにより上書きできる。

       PUBL   これは CD-ROM の編集者をメールアドレスや電話番号で説明する。 ディスク上には 128 文字の情報の分の容
              量がある。 コマンドラインの -P オプションにより上書きできる。

       SYSI   システム識別子である。ディスク上には 32 文字の情報の分の容量がある。 コマンドラインの -sysid  オプ
              ションにより上書きできる。

       VOLI   ボリューム識別子である。  ディスク上には  32 文字の情報の分の容量がある。 コマンドラインの -V オプ
              ションにより上書きできる。

       VOLS   ボリュームセット名。 ディスク上には 128 文字の情報の分の容量がある。 コマンドラインの -volset オプ
              ションにより上書きできる。

       mkisofs  はコンパイル時にこれらのほとんどのフィールドをデフォルトとして設定する こともできる。 defaults.h
       ファイルを参照すること。

著者

       mkisofs は、ディスク上の ISO9660 ファイルシステムを完全に生成しなければならな  いため、UNIX  向けの標準の
       mk*fs をベースにしていない。mkisofs という名 前は、ファイルシステムを作成するだけでなく、それを移植するこ
       ともできる ため、おそらく少し不適切な名前かもしれない。

       Eric Youngdale <ericy@gnu.ai.mit.edu> または <eric@andante.org> は、 Linux の ISOFS9660  ファイルシステム
       及び mkisofs ユーティリティを作成し、 これらは彼らにより保守されている。mkisofs ユーティリティの著作権 は
       Yggdrasil Computing, Incorporated により所有されている。

注意

       mkisofs は、suid root でインストールされても多分安全である。 これはマルチセッションを作成する時に mkisofs
       が前のセッションを読むのに必要なことである。

バグ

       •      ISO9660  ファイルシステムにコピーされるツリーにないファイルへハードリ ンクしているすべてのファイル
              は誤った参照回数を持つ。

       •      Rock Ridge 拡張の存在を検証するために、ルートディレクトリの  "."  エントリにある  SUSP  レコードを
              チェックしない。

              この問題はマルチセッションモードでデータを追加している間に古いセッショ ンを読み込む時に起こる。

       •      マルチセッションモードでのデータ追加時に、再配置されたディレクトリを適 切に読み込まない。

              新しいセッションが深いディレクトリを持たない場合、再配置された深いディレクトリは失われる。

              繰り返す:   深いディレクトリを再配置して最初のセッションを作成し、単一の  ディレクトリで新しいセッ
              ションを加えると、前の深いパスとは異なる。

       •      マルチセッションでは、TRANS.TBL からできる RR_MOVED を再利用しない。

       •      マルチセッションモードでは、RR_MOVED には完全な名前のエントリは作成されない。

       おそらく他にもあるだろう。作者に報告してほしい。

将来の改良

       ある種の GUI インターフェース.

入手性

       mkisofs は anonymous FTP の tsx-11.mit.edu の /pub/linux/packages/mkisofs や他 のたくさんのミラーサイトか
       ら入手できる。

メイリングリスト

       もし mkisofs の開発に積極的に関わりたいなら、 本文に subscribe と書いたメールを

                  other-cdwrite-request@lists.debian.org

       に送って cdwriting メイリングリストに参加しよう。 ML のメールアドレスは

                  cdwrite@lists.debian.org
       である。

メンテナー

       Joerg Schilling
       Seestr. 110
       D-13353 Berlin
       Germany

       バグや改善のメールは

       schilling@fokus.gmd.de または js@cs.tu-berlin.de または joerg@schily.isdn.cs.tu-berlin.de へ。