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名前

     hexdump — ASCII, 10 進, 16 進, 8 進でダンプする

書式

     hexdump [-bcCdovx] [-e format_string] [-f format_file] [-n length] [-s skip] file ...

説明

     hexdump ユーティリティは、指定したファイルを ユーザーが指定したフォーマットで表示するフィル
     タである。 ファイルが指定されていない場合は、標準入力を読み込んでフォーマットする。

     オプションとしては以下のものがある:

     -b          1 バイト単位の 8 進数表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力
                 データ 1 バイトずつを 0 で字詰めした 3 桁の 8 進数で表現し、 それを 1 行当たり
                 16 個、空白で区切って表示する。

     -c          1 バイト単位のキャラクタ表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力
                 データのキャラクタを 空白で字詰めした 3 桁 (の ASCII 文字) で表現し、 それを 1
                 行当たり 16 個、空白で区切って表示する。

     -C          標準的な 16進数 + ASCII での表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後
                 に、入力データのキャラクタを 2 桁の 16 進数で表現し、 それを 1 行当たり 16
                 個、空白で区切って表示する。 その後に、``|'' で囲まれた中に同じ 16 バイトを %_p
                 フォーマットで表示する。

     -d          2 バイト単位の 10 進数表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力
                 データ 2 バイト単位を 0 で字詰めした 5 桁の符号なし 10 進数で表現し、 それを 1
                 行当たり 8 個、空白で区切って表示する。

     -e format_string
                 データを表示するために使われるフォーマット文字列を指定する。

     -f format_file
                 1 個以上のフォーマット文字列 (改行で区切る) の書かれたファイルを指定する。 空
                 行、または空白を除いた最初の文字がハッシュマーク (#) である行は無視される。

     -n length   入力の length バイト分だけを処理する。

     -o          2 バイト単位の 8 進数表示。 入力オフセットを 16 進数で表示し、 その後に、入力 2
                 バイト単位を 0 で字詰めした 6 桁の 8 進数で表現し、 それを 1 行当たり 8 個、空白
                 で区切って表示する。

     -s offset   入力の先頭から offset バイトを読み飛ばす。 デフォルトでは offset は 10 進数とし
                 て解釈される。 先頭に 0x または 0X を付けた場合、 offset は 16 進数として解釈さ
                 れる。 先頭に 0 を付けた場合、 offset は 8 進数として解釈される。 offset の後ろ
                 に b, k, m を付けた場合、それぞれ 512, 1024, 1048576 倍であると解釈されるように
                 なる。

     -v          -v オプションを指定すると、hexdump に対して全ての入力データを表示させる。 -v オ
                 プションを指定しない場合、 直前の出力行と同じ内容の行 (ただし、入力オフセットは
                 除く) は、 何行であっても、 1 個のアスタリスクが書かれた行で置き換えられる。

     -x          2 バイト単位の 16 進数表示。 入力オフセットが 16 進数で表示し、 その後に、入力 2
                 バイト単位を 0 で字詰めした 4 桁の 16 進数で表現し、 それを 1 行当たり 8 個、空
                 白で区切って表示する。

     各入力ファイルに対して、 hexdump は、入力ファイルが指定された順番で、 -e-f オプションで
     指定されたフォーマット文字列に基づいて変換しながら 続けて標準出力に書き出していく。

   フォーマット
     フォーマット文字列は、空白で区切られた任意の個数の フォーマット単位を含んでいる。 フォーマッ
     ト単位は最大 3 個の要素、つまり、 繰り返し回数・バイト数・フォーマットを含んでいる。

     繰り返し回数は、オプションとして指定される正の整数である。 デフォルトは 1 である。 各フォー
     マットは繰り返し回数だけ適用される。

     バイト数は、オプションとして指定される正の整数である。 これが指定された場合、 1 つのフォー
     マットで処理されるバイト数を示す。

     繰り返し回数とバイト数 (の両方、もしくはどちらか一方) が指定された場合、 どちらの数字かを区
     別するために、 繰り返し回数の後とバイト数の前にスラッシュを 1 個置かなければならない。 ス
     ラッシュの前後の空白は無視される。

     フォーマットは必須で、ダブルクォートマーク (" ") で囲まなければならない。 このフォーマット
     は、fprintf 形式のフォーマット文字列 (fprintf(3) を参照) として解釈されるが、 以下のような例
     外がある:

              フィールドの幅や精度としてアスタリスク (*) を使えない。

              個々の変換文字 ``s'' について、バイト数やフィールド精度が必須である (精度が指定さ
               れていない場合に全ての文字列を表示する fprintf(3) のデフォルトとは異なる)。

              変換文字 ``h'', ``l'', ``n'', ``p'', ``q'' がサポートされていない。

              C 言語の標準規格で記述されている 1 文字のエスケープシーケンスがサポートされている:

                     NUL                  \0
                     <アラート文字>       \a
                     <バックスペース>     \b
                     <フォームフィード>   \f
                     <改行>               \n
                     <復帰>               \r
                     <タブ>               \t
                     <垂直タブ>           \v

     hexdump は、他にも以下の変換文字列をサポートする:

     _a[dox]     次に表示されるバイトのオフセット (複数の入力ファイルで通算した値) を表示する。
                 文字 d, o, x を後ろに付加すると、表示の際の基数がそれぞれ 10, 8, 16 進数に指定さ
                 れる。

     _A[dox]     変換文字列 _a とほぼ同じ。 ただし、この変換は全ての入力データが処理された後で 1
                 回だけ実行される。

     _c          デフォルト文字セットの文字で出力する。 表示不能な文字は、0 で字詰めした 3 桁の 8
                 進数で表示される。 ただし、標準エスケープ表記で表現される文字 (上記を参照) は、
                 その 2 文字の文字列で表示される。

     _p          デフォルト文字セットの文字で出力する。 表示不能な文字は、1 個の “.” として表示さ
                 れる。

     _u          US ASCII 文字で出力する。 ただし、制御文字は以下のような小文字の名前を使って表示
                 される。 16 進数で 0xff より大きい文字は、 16 進数の文字列として表示される。

                 000 nul  001 soh  002 stx  003 etx  004 eot  005 enq
                 006 ack  007 bel  008 bs   009 ht   00A lf   00B vt
                 00C ff   00D cr   00E so   00F si   010 dle  011 dc1
                 012 dc2  013 dc3  014 dc4  015 nak  016 syn  017 etb
                 018 can  019 em   01A sub  01B esc  01C fs   01D gs
                 01E rs   01F us   0FF del

     変換文字列で使われるデフォルトのバイト数とサポートされるバイト数は、 以下の通りである。

           %_c, %_p, %_u, %c       1 バイトのみ。

           %d, %i, %o, %u, %X, %x  4 バイトがデフォルト。1, 2, 4 バイトがサポートされている。

           %E, %e, %f, %G, %g      8 バイトがデフォルト。4 バイトがサポートされている。

     各フォーマット文字列によって処理されるデータの量は、 各フォーマット単位で必要とされるデータ
     の合計である。 この合計は (繰り返し回数)×(バイト数) である。 また、バイト数が指定されていな
     い場合は、 (繰り返し回数)×(フォーマットが必要としているバイト数) である。

     入力は「ブロック」ごとに操作される。 ブロックは、フォーマット文字列で指定される データの塊の
     うちで最大のもの、と定義される。 入力ブロックのデータより少ないバイト数しか処理していない
     フォーマット文字列で、 その中の最後のフォーマット単位で数バイトを処理し、 かつ繰り返し回数が
     指定されていない場合、 入力ブロック全体が処理されるか、 フォーマット文字列に合致するデータが
     ブロックになくなるまで、 繰り返し回数を増加させる。

     ユーザーの指定、 または hexdump が上で説明したように繰り返し回数を変更した結果、 繰り返し回
     数が 2 回以上になった場合、 最後の繰り返しにおける末尾の空白は出力されない。

     バイト数を複数の変換文字と共に指定すると、 1 つを除いた全ての変換文字が _a または _A である
     場合以外は、エラーになる。

     -n オプションで指定したバイト数分、またはファイル終端に達したときに、 入力データがフォーマッ
     ト文字列の一部分にしか満たさない場合、 有効なデータを全て表示するために、入力ブロックには適
     切な数の 0 が補われる (すなわち、データの終端にまたがっているフォーマット単位は、 何個かの 0
     のバイトを表示する)。

     このようなフォーマット文字列によるさらなる出力は、 等数の空白で置き換えられる。 等数の空白と
     は、元々の変換文字とフィールド幅と精度は同じで、 変換フラグ文字 “+”, “ ”, “#” を取り除いた s
     変換文字が NULL 文字列を参照した場合に出力される数の空白である。

     フォーマット文字列が指定されない場合、 デフォルトの表示は -x オプションを指定した場合と同じ
     である。

     hexdump は成功すると 0 を返して終了する。 エラーが起こった場合は、1 以上を返して終了する。

     入力を perusal (詳しく閲覧する) フォーマットで表示する:

           "%06.6_ao "  12/1 "%3_u "
           "\t\t" "%_p "
           "\n"

     -x オプションを実装する:

           "%07.7_Ax\n"
           "%07.7_ax  " 8/2 "%04x " "\n"

準拠

     hexdump ユーティリティは IEEE Std 1003.2 (“POSIX.2”) に適合しているはずである。

翻訳者謝辞

     この man ページの翻訳にあたり、 FreeBSD jpman project <http://www.jp.freebsd.org/man-jp/> に
     よる翻訳を参考にさせていただいた。