Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20180315+dfsg-1_all bug

名前

       seteuid, setegid - 実効ユーザー ID や 実効グループ ID を設定する

書式

       #include <sys/types.h>
       #include <unistd.h>

       int seteuid(uid_t euid);
       int setegid(gid_t egid);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       seteuid(), setegid():
           _BSD_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L || _XOPEN_SOURCE >= 600

説明

       seteuid()   は呼び出し元のプロセスの実効ユーザー ID を設定する。 非特権ユーザーのプロセスの場合、実効ユー
       ザー ID に設定できるのは、 実ユーザー ID・実効ユーザー ID・保存 set-user-ID のいずれかだけである。

       setegid()  は「ユーザー」ではなく「グループ」に対して全く同じことを行う。

返り値

       成功した場合は 0 が返される。エラーの場合は -1 が返され、 errno が適切に設定される。

       注意: 呼び出し元が UID 0 であっても seteuid() が失敗する場合がある。 seteuid() からのリターンが失敗かどう
       かの確認を省略することは重大なセキュリティ上のエラーとなる。

エラー

       EINVAL 対象のユーザー ID かグループ ID がこのユーザー名前空間では有効ではない。

       EPERM  呼び出し元のプロセスに特権がなく、 euid (egid)  が実ユーザー (グループ) ID、または実効ユーザー (グ
              ループ)  ID、  保存  set-user-ID  (保存  set-group-ID)  のいずれでもではない  (Linux  においては、
              seteuid()   では CAP_SETUID ケーパビリティ (capability) が、 setegid()  では CAP_SETGID ケーパビリ
              ティがない場合に、特権がないと判断される)。

準拠

       4.3BSD, POSIX.1-2001.

注意

       実効ユーザー (グループ)  ID  を保存  set-user-ID  (保存  set-group-ID)  に  設定できるのは、Linux  1.1.37
       (1.1.38) 以降である。 全てのシステムにおいて _POSIX_SAVED_IDS をチェックすべきである。

       glibc  2.0 では、 seteuid(euid)setreuid(-1, euid) と等価であり、保存 set-user-ID を変更するかもしれな
       い。 glibc 2.1 では、 setresuid(-1, euid, -1) と等価であり、保存  set-user-ID  変更しない。  同様のことが
       setegid()  にも言えるが、 glibc 2.2 か 2.3 で、 実装が setregid(-1, egid) から setresgid(-1, egid, -1) へ
       変更された点だけが違う (どの glibc バージョンで変更が行われたかは、ハードウェアアーキテクチャーによって異
       なる)。

       POSIX.1  では、 seteuid()  (setegid())  で、 euid (egid)  として現在の実効ユーザー (グループ) ID と同じ値
       を指定可能である 必要はないとされており、いくつかの実装では euid (egid)  として現在の実効ユーザー (グルー
       プ) ID と同じ値を 指定することができない。

   C ライブラリとカーネル ABI の違い
       Linux では、 seteuid() と setegid() は、それぞれ setreuid(2) と setresgid(2) を呼び出すライブラリ関数とし
       て実装されている。

関連項目

       geteuid(2), setresuid(2), setreuid(2), setuid(2), capabilities(7), credentials(7), user_namespaces(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告
       に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。