Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20180315+dfsg-1_all bug

名前

       wcstok - ワイド文字文字列をトークンに分割する

書式

       #include <wchar.h>

       wchar_t *wcstok(wchar_t *wcs, const wchar_t *delim, wchar_t **ptr);

説明

       wcstok()  関数は、 strtok(3)  関数に対応するワイド文字関数に、 マルチスレッドセーフの動作をさせるための引
       き数を追加したものである。 この関数を用いて、ワイド文字文字列 wcs をトークンに分解すること ができる。ここ
       で、トークンは delim に列挙されている文字を含まな い部分文字列として定義される。

       検索は  wcs が NULL でなければ wcs から開始され、wcs が NULL ならば *ptr から開始される。まず、全ての区切
       りワイド文字 がスキップされる。つまり、delim に含まれるワイド文字を超えるよう  にポインターが前に進められ
       る。 ワイド文字文字列の終わりに達したら、 wcstok()  は NULL を返して トークンが全く見つからなかったことを
       示し、この後に wcstok()  を呼び 出しても NULL が返されるように *ptr に適切な値を設定する。それ 以外の場合
       には、  wcstok()  関数はトークンの先頭を識別し、これを指す ポインターを返す。ただしこれを行う前に、トーク
       ンの後にある、delim に含まれている文字をヌルワイド文字 (L'\0') に置き換えること によってトークンを 0 で終
       端させる。さらに  *ptr を更新し、後で wcstok()  を呼び出した 際に、識別されたトークンの続きから検索できる
       ようにする。

返り値

       wcstok()  関数は次のトークンへのポインターを返す。トークンが見つから なければ NULL を返す。

属性

   マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
       関数 wcstok() はスレッドセーフである。

準拠

       C99.

注意

       関数に与えたワイド文字列 wcs は、関数の動作によって完全に書き換 えられる。

       以下のコードは、ワイド文字文字列に含まれるトークンを取り出しながら ループする。

       wchar_t *wcs = ...;
       wchar_t *token;
       wchar_t *state;
       for (token = wcstok(wcs, " \t\n", &state);
           token != NULL;
           token = wcstok(NULL, " \t\n", &state)) {
           ...
       }

関連項目

       strtok(3), wcschr(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部 である。プロジェクトの説明とバグ報告
       に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。