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名前

       sigevent - 非同期ルーチンからの通知用の構造体

書式

       union sigval {          /* Data passed with notification */
           int     sival_int;         /* Integer value */
           void   *sival_ptr;         /* Pointer value */
       };

       struct sigevent {
           int          sigev_notify; /* Notification method */
           int          sigev_signo;  /* Notification signal */
           union sigval sigev_value;  /* Data passed with
                                         notification */
           void       (*sigev_notify_function) (union sigval);
                            /* Function used for thread
                               notification (SIGEV_THREAD) */
           void        *sigev_notify_attributes;
                            /* Attributes for notification thread
                               (SIGEV_THREAD) */
           pid_t        sigev_notify_thread_id;
                            /* ID of thread to signal (SIGEV_THREAD_ID) */
       };

説明

       sigevent  構造体は、イベントに関する情報をプロセスに通知するために様々な API で使用される (イベントの例と
       しては、 非同期処理要求の完了、 タイマーの満了、 メッセージの到着など)。

       「書式」に記載されている定義はおおよそのものである。 sigevent 構造体のいくつかのフィールドは、 共用体の一
       部として定義されているものもある。 プログラムは、 sigev_notify で指定された値に応じたフィールドだけを利用
       すべきである。

       sigev_notify フィールドは、通知をどのように処理すべきかを指定する。  このフィールドは、以下のいずれかの値
       である。

       SIGEV_NONE
               「空 (null)」の通知。 イベントが発生時には何もしないこと。

       SIGEV_SIGNAL
               sigev_signo で指定されたシグナルを送信することで、プロセスへの通知を行う。

               sigaction(2)  の  SA_SIGINFO フラグを使った登録されたシグナルハンドラーによりシグナルが捕捉される
               と、 シグナルハンドラーの 2 番目の引き数として渡された siginfo_t 構造体の以下のフィールドが設定さ
               れる。

               si_code   このフィールドには通知を配送した API に応じた決まる値が設定される。

               si_signo  このフィールドにはシグナル番号 (すなわち sigev_signo と同じ値) が設定される。

               si_value  このフィールドには sigev_value で指定された値が設定される。

               API によっては siginfo_t 構造体の他のフィールドが設定される場合もある。

               シグナルを受け取ったときには sigwaitinfo(2) でも同じ情報が得られる。

       SIGEV_THREAD
               「あたかも」新しいスレッドセーフの開始関数であるかのように  sigev_notify_function  を起動すること
               で、 プロセスへの通知を行う (実装の可能性としては、  タイマー通知の度に新しいスレッドセーフが作成
               される場合も、 一つのスレッドを作成してすべての通知を受信する場合もある)。 この関数は sigev_value
               を唯一の引き数として起動される。 sigev_notify_attributes は、 NULL 以外の場合は、  新しいスレッド
               セーフの属性を定義する  pthread_attr_t  構造体を指していなければならない (pthread_attr_init(3) 参
               照)。

       SIGEV_THREAD_ID (Linux 固有)
               現在のところ POSIX でのみ使用されている。 timer_create(2) 参照。

準拠

       POSIX.1-2001.

関連項目

       timer_create(2), aio_fsync(3), aio_read(3), aio_write(3), getaddrinfo_a(3), lio_listio(3),  mq_notify(3),
       aio(7), pthreads(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部である。 プロジェクトの説明とバグ報告
       に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。