Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20210215+dfsg-1_all bug

名前

       isalnum,  isalpha, isascii, isblank, iscntrl, isdigit, isgraph, islower, isprint, ispunct,
       isspace,  isupper,  isxdigit,  isalnum_l,  isalpha_l,  isascii_l,  isblank_l,   iscntrl_l,
       isdigit_l,  isgraph_l, islower_l, isprint_l, ispunct_l, isspace_l, isupper_l, isxdigit_l -
       文字を分類する

書式

       #include <ctype.h>

       int isalnum(int c);
       int isalpha(int c);
       int iscntrl(int c);
       int isdigit(int c);
       int isgraph(int c);
       int islower(int c);
       int isprint(int c);
       int ispunct(int c);
       int isspace(int c);
       int isupper(int c);
       int isxdigit(int c);

       int isascii(int c);
       int isblank(int c);

       int isalnum_l(int c, locale_t locale);
       int isalpha_l(int c, locale_t locale);
       int isblank_l(int c, locale_t locale);
       int iscntrl_l(int c, locale_t locale);
       int isdigit_l(int c, locale_t locale);
       int isgraph_l(int c, locale_t locale);
       int islower_l(int c, locale_t locale);
       int isprint_l(int c, locale_t locale);
       int ispunct_l(int c, locale_t locale);
       int isspace_l(int c, locale_t locale);
       int isupper_l(int c, locale_t locale);
       int isxdigit_l(int c, locale_t locale);

       int isascii_l(int c, locale_t locale);

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       isascii():
           _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE || _XOPEN_SOURCE

       isblank():
           _XOPEN_SOURCE >= 600 || _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L;
           または cc -std=c99

       isalnum_l(), isalpha_l(), isblank_l(), iscntrl_l(), isdigit_l(), isgraph_l(), islower_l(),
       isprint_l(), ispunct_l(), isspace_l(), isupper_l(), isxdigit_l():
           glibc 2.10 以降:
                  _XOPEN_SOURCE >= 700
           glibc 2.10 より前:
                  _GNU_SOURCE

       isascii_l():
           glibc 2.10 以降:
                  _XOPEN_SOURCE >= 700 && (_SVID_SOURCE || _BSD_SOURCE)
           glibc 2.10 より前:
                  _GNU_SOURCE

説明

       これらの関数は、指定したロケールに従って c を分類する。 cunsigned charEOF でなけれ
       ばならない。 "_l" が後ろに付かない関数は現在のロケールに基づいてチェックを行う。

       "_l" で終わる関数は、ロケールオブジェクト locale  で指定されたロケールに基づいてチェックを
       行う。 locale が特別なロケールオブジェクト LC_GLOBAL_LOCALE (duplocale(3) 参照) の場合や、
       locale が有効なオブジェクトロケールハンドルでない場合、 これらの関数の動作は未定義である。

       以下のリストでは、 "_l" が後ろに付かない関数の動作を説明する。 "_l" で終わる関数は、現在の
       ロケールではなく、ロケールオブジェクト locale を使う点だけが異なる。

       isalnum()
              英字または数字であるかを調べる。 (isalpha(c) || isdigit(c)) と等価である。

       isalpha()
              アルファベットかどうか調べる。標準の "C" ロケールでは (isupper(c) || islower(c)) と
              等価である。他のロケールでは、大文字でも小文字でもない他の文字でも  isalpha()    が
              true を返すことがある。

       isascii()
              c が、ASCII文字セットに合致する 7ビットの unsigned char であるかを調べる。

       isblank()
              空白文字 (スペースかタブ) であるかを調べる。

       iscntrl()
              制御文字かどうかを調べる。

       isdigit()
              数字 (0〜9) かどうかを調べる。

       isgraph()
              表示可能な文字かどうかを調べる。スペースは含まれない。

       islower()
              小文字かどうかを調べる。

       isprint()
              表示可能な文字かどうかを調べる。スペースも含まれる。

       ispunct()
              表示可能な文字かどうかを調べる。スペースと英数字は含まれない。

       isspace()
              空白文字かどうかを調べる。  "C"  ロケールか  "POSIX" ロケールでは、空白文字とは、ス
              ペース、フォームフィード ('\f')  、改行(newline)  ('\n')   、復帰(carriage  return)
              ('\r')  、水平タブ ('\t')  、垂直タブ ('\v')  である。

       isupper()
              大文字かどうかを調べる。

       isxdigit()
              16進数での数字かどうかを調べる。
              0  1 2 3 4 5 6 7 8 9 a b c d e f A B C D E F の文字であるかどうかを調べることと等価
              である。

返り値

       文字 c が調べた文字の種類に合っていれば 0 以外を返す。 そうでなければ 0 を返す。

属性

   マルチスレッディング (pthreads(7) 参照)
       関数  isalnum(),  isalpha(),  isascii(),  isblank(),  iscntrl(),   isdigit(),   isgraph(),
       islower(), isprint(), ispunct(), isspace(), isupper(), isxdigit() はスレッドセーフである。

バージョン

       isalnum_l(), isalpha_l(), isblank_l(), iscntrl_l(), isdigit_l(), isgraph_l(), islower_l(),
       isprint_l(), ispunct_l(), isspace_l(), isupper_l(), isxdigit_l(), isascii_l() は glibc 2.3
       以降で利用可能である。

準拠

       C89  では  isalnum(),  isalpha(),  iscntrl(),  isdigit(), isgraph(), islower(), isprint(),
       ispunct(), isspace(), isupper(), isxdigit() が規定されているが、 isascii() と isblank() は
       規定されていない。  POSIX.1-2001  でもこれらの関数は規定されており、isascii() と isblank()
       も規定されている (isascii() は XSI 拡張)。 C99 では、ここで挙げた関数のうち isascii() 以外
       の全てが規定されている。

       POSIX.1-2008 では isascii() は廃止予定とされている。ローカライズするアプリケーションで移植
       性がある形では使用できない点に注意すること。

       POSIX.1-2008  では  isalnum_l(),  isalpha_l(),  isblank_l(),   iscntrl_l(),   isdigit_l(),
       isgraph_l(), islower_l(), isprint_l(), ispunct_l(), isspace_l(), isupper_l(), isxdigit_l()
       が規定されている。

       isascii_l() は GNU 拡張である。

注意

       ある文字がどの種類に入るかということは、現在のロケールに依存する。  たとえば、デフォルトの
       C  ロケールでは isupper()  は A のウムラウトを認識できないので、それが大文字だということが
       わからない。

関連項目

       iswalnum(3), iswalpha(3), iswblank(3), iswcntrl(3), iswdigit(3), iswgraph(3), iswlower(3),
       iswprint(3),    iswpunct(3),   iswspace(3),   iswupper(3),   iswxdigit(3),   newlocale(3),
       setlocale(3), uselocale(3), toascii(3), tolower(3), toupper(3), ascii(7), locale(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 3.79 の一部  である。プロジェクト
       の説明とバグ報告に関する情報は http://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。