Provided by: manpages-ja_0.5.0.0.20210215+dfsg-1_all bug

名前

       vfstpd.conf - vsftpd の設定ファイル

説明

       vsftpd.conf    は    vsftpd    の動作の様々な側面を制御するのに使用する。    デフォルトでは、vsftpd    は
       /etc/vsftpd.conf という場所を探す。 しかし、vsftpd のコマンドライン引数で上書きできる。  コマンドライン引
       数は  vsftpd の設定ファイルのパスである。 設定ファイルを指定できることで、 xinetd のような高等な inetd に
       おいて、バーチャルホストごとに異なる設定ファイルで vsftpdを起動したい場合には便利である。

書式

       vsftpd.conf の書式はとても単純である。 各行はコメントかディレクティブ(指示語)のどちらかである。 #  で始ま
       る行はコメントであり、無視される。 ディレクティブ行は次のフォーマットである。

       option=value

       オプション(option)、=、値(value)の間に空白を入れるとエラーになるので 注意すること。

       各設定はコンパイル時に指定されたデフォルト値を持つが、 設定ファイルによって変更することが可能である。

真偽値オプション

       以下は引数に真偽値をとるオプションのリストである。 真偽値は YES または NO である。

       anon_mkdir_write_enable
              YES に設定した場合、anonymous(匿名)ユーザはある条件の下でディレクトリ を新規に作成することが許可さ
              れる。 実際に機能させるには write_enable オプションが有効になっていなければならず、また  anonymous
              ftp ユーザが 親ディレクトリに対する書き込み権限を持っている必要がある。

              デフォルト: NO

       anon_other_write_enable
              YES  に設定した場合、anonymous ユーザに ファイルのアップロードとディレクトリの作成以外の書き込み操
              作、 すなわち削除と名前の変更を許可する。 一般的には推奨されないが、オプションの完全性のために含ま
              れている。

              デフォルト: NO

       anon_upload_enable
              YES  に設定した場合、ある条件の下で anonymous ユーザに ファイルのアップロードを許可する。 実際に機
              能させるには、 write_enable オプションを有効にしなければならず、また anonymous ftp ユーザが 親ディ
              レクトリに対する書き込み権限を持っている必要がある。

              デフォルト: NO

       anon_world_readable_only
              YES に設定した場合、 anonymous ユーザには誰でも読み込み可になっているファイルの ダウンロードのみを
              許可する。 これは、ftp ユーザがファイルを 所有できることを (特にアップロードされたファイルがある場
              合に) 認めている。

              デフォルト: YES

       anonymous_enable
              anonymous  ログインを許可するかどうかを制御する。 YES にした場合、ユーザー名 ftpanonymous の両
              方を anonoymous ログインとして認識する。

              デフォルト: YES

       ascii_download_enable
              YES に設定した場合、 ダウンロード時の ASCII モードでのデータ転送を許可する。

              デフォルト: NO

       ascii_upload_enable
              YES に設定した場合、 アップロード時の ASCII モードでのデータ転送を許可する。

              デフォルト: NO

       async_abor_enable
              YES に設定した場合、特殊な FTP コマンド "非同期 ABOR" を許可する。  この機能を使用するのは、分別の
              ない FTP クライアントだけである。 さらに、この機能は取り扱いが難しいので、デフォルトで無効にされて
              いる。 この機能を有効にしなかった場合には、 転送を中止したときに不幸にも固まる FTP  クライアントが
              あるので、 これを有効にしたくなるかもしれない。

              デフォルト: NO

       background
              YES  に設定し、vsftpd  が "listen" モードで起動された場合、 リスナープロセスをバックグラウンドにす
              る。 すなわち、vsftpd を起動したシェルにすぐに制御が戻る。

              デフォルト: NO

       check_shell
              注意!  このオプションは PAM 対応ではない vsftpd でのみ意味を持つ。 NO に設定した場合、ローカルユー
              ザのログイン時の、 シェルが有効であるかどうかの /etc/shells チェックをしない。

              デフォルト: YES

       chmod_enable
              YES  に設定した場合、SITE CHMOD コマンドを許可する。 注意!  これはローカルユーザにのみ適用される。
              anonymous ユーザは、決して SITE CHMOD を使用できない。

              デフォルト: YES

       chown_uploads
              YES に設定した場合、anonymous でアップロードされたファイルの所有者を chown_username で設定したユー
              ザにする。 管理上、そして多分セキュリティの観点から便利である。

              デフォルト: NO

       chroot_list_enable
              YES に設定した場合、ログイン後にホームディレクトリへと chroot() されるローカルユーザのリストを指定
              できる。  chroot_local_user   を   YES   に設定した場合には、意味が異なってくる。   リストはその場
              合、chroot()    jail    へと移動されないユーザ    のリストとなる。    デフォルトでは、このリストは
              /etc/vsftpd.chroot_list ファイルであるが、  chroot_list_file  設定によってこれを変更することができ
              る。

              デフォルト: NO

       chroot_local_user
              YES  に設定した場合、ローカルユーザは(デフォルトで)ログイン後に ホームディレクトリへと chroot() さ
              れる。 警告:  このオプションはセキュリティに密接に関連する。  ユーザがアップロード権限を持っていた
              り、シェルでのアクセスができる場合は 特にである。 何をしているかを理解している場合にのみ有効にする
              こと。 これらのセキュリティの問題は vsftpd  に特有の問題ではないことに  注意してほしい。  ローカル
              ユーザを chroot() jail に入れることができるすべての FTP デーモンにおいて、この問題がある。

              デフォルト: NO

       connect_from_port_20
              PORT でのデータ接続において、サーバが(送信元)ポートに 20(ftp-data) を使うかどうか制御する。 セキュ
              リティ上の理由から、いくつかのクライアントはポート 20 を要求する。  逆に言えば、このオプションを無
              効にすることで、わずかではあるが vsftpd をより少ない特権で動作させることができる。

              デフォルト: NO (ただし、サンプルの設定ファイルでは有効になっている)

       deny_email_enable
              YES に設定した場合、anonymous ユーザのパスワード(e-mail アドレス)のうち、 ログインを拒否したいもの
              のリストを設定できる。 デフォルトでは、このリストは  /etc/vsftpd.banned_emails  ファイルであるが、
              banned_email_file 設定によってこれを変更することができる。

              デフォルト: NO

       dirlist_enable
              NO に設定した場合、すべてのディレクトリ表示コマンドは、 アクセス拒否 (permission denied) になる。

              デフォルト: YES

       dirmessage_enable
              YES  に設定した場合、FTP サーバ上のユーザが 新たなディレクトリに初めて入ったときに、メッセージを見
              せることができる。    デフォルトでは、ディレクトリの    .message    というファイルが調べられるが、
              message_file 設定によってこれを変更することができる。

              デフォルト: NO (ただし、サンプルの設定ファイルでは有効になっている)

       download_enable
              NO に設定した場合、すべてのダウンロード要求はアクセス拒否になる。

              デフォルト: YES

       dual_log_enable
              YES  に設定した場合、デフォルトで /var/log/xferlog/var/log/vsftpd.log という二つのログファイル
              を同時に生成する。 前者は  wu-ftpd  形式の転送ログで、標準的なツールによって解析することができる。
              後者は vsftpd 独自形式のログである。

              デフォルト: NO

       force_dot_files
              YES  に設定した場合、クライアントが "a" フラグを使用していなくても、 ドット (.) で始まるファイルと
              ディレクトリも、ディレクトリリストに表示する。

              デフォルト: NO

       guest_enable
              YES に設定した場合、anonymous でないログインすべてを "guest" にクラス分けする。 guest ログインは、
              guest_username 設定で指定したユーザにマッピングする。

              デフォルト: NO

       hide_ids
              YES に設定した場合、ディレクトリリストでのユーザ・グループの情報を "ftp" と表示する。

              デフォルト: NO

       listen YES に設定した場合、スタンドアロンモードで起動する。 これは inetd などのスーパーサーバから起動して
              はいけないということを意味する。   その代わりに、vsftpd   プログラムを一度だけ直接実行すればよい。
              vsftpd 自身が、入ってくる接続を待ち、処理する面倒をみる。

              デフォルト: NO

       listen_ipv6
              IPv4 ソケットの代わりに IPv6 ソケットを待ち受ける点を除けば、 listen オプションと同じである。 この
              オプションと listen オプションは、 どちらか一方しか指定することができない。

              デフォルト: NO

       local_enable
              ローカルユーザのログインを許可するかどうかを制御する。 YES に設定した場合、/etc/passwd  にある普通
              のユーザアカウントを ログインに使う。

              デフォルト: NO

       log_ftp_protocol
              YES に設定した場合、FTP のすべての要求と応答を記録し、 xferlog_std_format オプションを無効にする。
              デバッグに便利である。

              デフォルト: NO

       ls_recurse_enable
              YES に設定した場合、"ls -R" の使用を許可するようになる。 大きなサイトの一番上のレベルで ls -R を実
              行されると、 多くの資源を消費してしまうので、 これはセキュリティ上のちょっとしたリスクである。

              デフォルト: NO

       no_anon_password
              YES  に設定した場合、anonymous のパスワードを尋ねるのを止める。 すなわち、anonymous ユーザーはパス
              ワード無しでログインする。

              デフォルト: NO

       one_process_model
              もし Linux 2.4 カーネルを使用しているならば、 一つの接続に一つのプロセスを使用するという、  異なっ
              たセキュリティモデルを使用することができる。 これは純粋なセキュリティモデルから少し外れるが、 性能
              を得ることができる。 自サイトで非常に多いユーザの同時接続をサポートし、 自分が何をしているか知って
              いる人だけが、このオプションを有効にしたくなる。

              デフォルト: NO

       passwd_chroot_enable
              chroot_local_user  と共に  YES  に設定した場合、  chroot() jail の場所はユーザごとになる。 jail は
              /etc/passwd にある各人のホームディレクトリから得られる。 ホームディレクトリを表わす文字列に /./ が
              あれば、そのパスの場所が jail になる。

              デフォルト: NO

       pasv_enable
              NO に設定した場合、データ接続の開始において PASV を許可しない。

              デフォルト: YES

       pasv_promiscuous
              YES  に設定した場合、 PASV セキュリティーチェックを無効にし、 制御用の接続と異なる IP アドレスから
              のデータ接続を許可する。 何をしているかを理解している場合にのみ有効にすること。 唯一の道理にかなっ
              た利用法は、安全なトンネルの中で使うか、  そうでなければ、おそらくは  FXP(訳注: リモートホスト間転
              送) を容易にするためのものである。

              デフォルト: NO

       port_enable
              NO に設定した場合、データ接続の開始において PORT を許可しない。

              デフォルト: YES

       port_promiscuous
              YES に設定した場合、 PORT セキュリティーチェックを無効にし、 制御用の接続と異なる IP  アドレスへの
              データ接続を許可する。 何をしているかを理解している場合にのみ有効にすること。

              デフォルト: NO

       secure_email_list_enable
              匿名ログインで許可する  e-mail パスワードのリストを 指定したい場合にだけ YES に設定すること。 仮想
              的なユーザーを必要とせずに、 低セキュリティなコンテンツへのアクセスを制限する、 面倒の少ないやり方
              として便利である。 YES に設定した場合には、 email_password_file で指定されるファイルに書かれている
              パスワードが与えられない限り、 匿名ログインを許可しない。 このファイルのフォーマットは 1 行に 1 パ
              スワードで、  余分な空白があってはいけない。  デフォルトのファイル名は /etc/vsftpd.email_passwords
              である。

              デフォルト: NO

       session_support
              vsftpd がログインセッションを維持しようとするかどうかを制御する。 vsftpd  がセッションを維持する場
              合、utmp  と  wtmp を更新しようと試みる。 認証に PAM を使用している場合には、さらに pam_session を
              open し、 ログアウト時に close する。 セッションのログ取得が必要なく、vsftpd  をより少ない処理で動
              作させ、  かつ(または)より少ない権限で動作させたいならば、 これを NO に設定することができる。 注 -
              utmp と wtmp のサポートは PAM を有効にしてビルドした場合に限られる。

              デフォルト: YES

       setproctitle_enable
              有効にした場合、システムのプロセスリスト(例えば ps aux コマンド)に  セッションの状態に関する情報を
              表示する。 つまり、表示されるプロセス名が vsftpd のセッションがどうなっているか (idle, downloading
              など)に応じて変化する。 セキュリティ上、これを off のままにしておきたいと思うのが普通である。

              デフォルト: NO

       syslog_enable
              YES に設定した場合、/var/log/vsftpd.log に 行くはずだったすべてのログ出力を、 代わりにシステムログ
              に出力する。 FTPD ファシリティでログ出力をする。

              デフォルト: NO

       tcp_wrappers
              有効にした場合、  vsftpd  を  tcp_wrappers  をサポートしてコンパイルしてあれば、  外から来る接続は
              tcp_wrappers のアクセス制御が適用される。 さらに IP ごとの設定のための仕組みがある。  tcp_wrappers
              で環境変数  VSFTPD_LOAD_CONF をセットした場合 (訳注: /etc/hosts.allow で指定することが可能)、 その
              環境変数で指定したファイルを vsftpd の設定ファイルとして読み込む。

              デフォルト: NO

       text_userdb_names
              ディレクトリリストを表示した場合、 デフォルトではユーザとグループのフィールドが ID  の数値で表示さ
              れる。  このオプションを  YES にすれば、名前を示す文字列になる。 性能上の理由から、デフォルトは NO
              である。

              デフォルト: NO

       use_localtime
              有効にした場合、ディレクトリリストの表示にローカルのタイムゾーンを使用する。 デフォルトは GMT での
              表示である。 FTP の MDTM コマンドが返す時刻もこのオプションの影響を受ける。

              デフォルト: NO

       use_sendfile
              使用しているプラットフォーム上で  sendfile()  システムコールを  使う場合の相対的効果を確認するため
              の、内部的な設定。

              デフォルト: YES

       userlist_deny
              このオプションは userlist_enable が有効な場合にのみ意味を持つ。 NO にした場合、 userlist_file で指
              定したファイルに明示的にリストされたユーザ以外は    ログインが拒否される。    ログインを拒否する場
              合、ユーザにパスワードを尋ねる前に拒否をする。

              デフォルト: YES

       userlist_enable
              有効にした場合、 userlist_file で指定したファイルをユーザ名のリストとして読み込む。 このファイルに
              名前のあるユーザでのログインしようとすると、 パスワードを尋ねられる前に拒否される。 これは暗号化さ
              れていないパスワードが(ネットワーク上を) 転送されてしまうのを防ぐのに効果的である。  userlist_deny
              も参照のこと。

              デフォルト: NO

       virtual_use_local_privs
              YES  に設定した場合、仮想ユーザにローカルユーザと同じ権限を使用する。 デフォルトでは、仮想ユーザは
              anonymous ユーザと同じ権限を持ち、  それは(特に書き込み権限に関して)より制限されたものになりがちで
              ある。

              デフォルト: NO

       write_enable
              ファイルシステムを変更するようなすべての  FTP コマンドを 許可するかどうかを制御する。 対象となるコ
              マンドは STOR, DELE, RNFR, RNTO, MKD, RMD, APPE, SITE である。

              デフォルト: NO

       xferlog_enable
              有効にした場合、ログファイルにはアップロードとダウンロードの詳細が記録される。  デフォルトでは、ロ
              グファイルは /var/log/vsftpd.log として置かれるが、 vsftpd_log_file の設定によって変更することが可
              能である。

              デフォルト: NO (ただし、サンプルの設定ファイルでは有効になっている)

       xferlog_std_format
              有効にした場合、wu-ftpd で使われているような標準的な xferlog フォーマットで 転送ログファイルを作成
              する。 既存の統計情報を生成するプログラムを再利用できるので、これは便利である。 しかしデフォルトの
              書式は、より読み易いものである。 この形式のログファイルのデフォルトの場所は /var/log/xferlog  であ
              るが、 xferlog_file の設定によって、これを変更することが可能である。

              デフォルト: NO

数値オプション

       以下は引数に数値をとるオプションである。 数値は非負整数でなければならない。 8 進数は umask オプションで便
       利なのでサポートされている。 8 進数で指定するには、先頭の数字を 0 にする。

       accept_timeout
              リモートのクライアントが PASV でデータ接続を確立するまでの タイムアウト秒数。

              デフォルト: 60

       anon_max_rate
              anonymous (匿名) クライアントの最大データ転送レート。 秒あたりのバイト数。

              デフォルト: 0 (無制限)

       anon_umask
              anonymous (匿名) ユーザが生成したファイルの umask 値。 注意!  8  進数で指定したければ、先頭の  "0"
              を忘れないように。 そうしないと、指定した値は 10 進数の値として扱われてしまう。

              デフォルト: 077

       connect_timeout
              PORT でのデータ接続において、リモートクライアントが応答するまでの タイムアウト秒数。

              デフォルト: 60

       data_connection_timeout
              データ転送に何ら進捗がない場合に、タイムアウトと見なすまでの秒数。  タイムアウトが発生した場合、リ
              モートクライアントは蹴り出される。

              デフォルト: 300

       file_open_mode
              ファイルがアップロードで作成された場合のファイル・パーミッション。 この値の上に umask がさらに適用
              される。 実行可能なファイルのアップロードを許可したければ 0777 に変更すればよい。

              デフォルト: 0666

       ftp_data_port
              PORT  での接続の場合の、送信元のポート (かっこう悪い名前の connect_from_port_20 が有効である場合の
              み)。

              デフォルト: 20

       idle_session_timeout
              制御接続において、FTP コマンドが何もない場合に タイムアウトと見なすまでの秒数。 タイムアウトが発生
              した場合、リモートクライアントは蹴り出される。

              デフォルト: 300

       listen_port
              スタンドアロンモードの場合の、 FTP 接続を待ち受けるポート番号。

              デフォルト: 21

       local_max_rate
              ローカルユーザの最大データ転送レート。 秒あたりのバイト数。

              デフォルト: 0 (無制限)

       local_umask
              ローカルユーザが生成したファイルの umask 値。 注意!  8 進数で指定したければ、先頭の "0" を忘れない
              ように。 そうしないと、指定した値は 10 進数の値として扱われてしまう。

              デフォルト: 077

       max_clients
              スタンドアロンモードの場合に、接続可能なクライアントの最大数を指定する。  最大数を越えて接続したク
              ライアントには、エラーメッセージを渡す。

              デフォルト: 0 (無制限)

       max_per_ip
              スタンドアロンモードの場合に、同じ送信元 IP アドレスからの接続の 最大数を指定する。 この制限を越え
              て接続したクライアントには、エラーメッセージを渡す。

              デフォルト: 0 (無制限)

       pasv_max_port
              PASV でのデータ接続に割り当てるポートの最大値。 ファイアウォールで指定するポートの範囲を狭めるのに
              使用できる。

              デフォルト: 0 (任意のポートを使用)

       pasv_min_port
              PASV でのデータ接続に割り当てるポートの最小値。 ファイアウォールで指定するポートの範囲を狭めるのに
              使用できる。

              デフォルト: 0 (任意のポートを使用)

       trans_chunk_size
              これを変更したいとは思わないだろうが、 しかし、より滑らかな帯域制御をしたければ、 これを 8192 のよ
              うな値に設定してみること。

              デフォルト: 0 (vsftpd がふさわしい値を選ぶ)

文字列オプション

       以下は引数に文字列をとるオプションである。

       anon_root
              このオプションは、anonymous  (匿名) ログイン後に変更する ディレクトリ名を表す。 ディレクトリ変更の
              失敗は、静かに無視する。

              デフォルト: (なし)

       banned_email_file
              anonymous ユーザのパスワード (e-mail アドレス) のうち、 許可しないもののリストのファイル名を指定す
              る。 オプション deny_email_enable が有効の場合にのみ、このファイルは参照される。

              デフォルト: /etc/vsftpd.banned_emails

       banner_file
              誰かがサーバに接続したときに表示するテキストを格納するファイル名 を指定する。 このオプションが設定
              された場合、 ftpd_banner で指定される文字列よりも優先される。

              デフォルト: (なし)

       chown_username
              anonymous (匿名) でアップロードされたファイルの所有者となる ユーザのユーザ名を指定する。  このオプ
              ションは、関連するもう一つのオプション chown_uploads が有効な場合にのみ意味を持つ。

              デフォルト: root

       chroot_list_file
              ホームディレクトリ内の  choot()  jail  に入れられる ローカルユーザのリストを示すファイル名を指定す
              る。 このオプションは、 chroot_list_enable が有効な場合にのみ意味を持つ。もし chroot_local_user が
              有効であれば、このリストは chroot() jail に入れられ*ない* ユーザのリストになる。

              デフォルト: /etc/vsftpd.chroot_list

       cmds_allowed
              (ログイン後に)許可する FTP コマンドのリストを、コンマで区切って指定する (USER, PASS, QUIT は、ログ
              イン前なら常に許可する)。 指定しなかったコマンドは拒否する。 本当に FTP サーバを閉じ込めるのに強力
              な手段となる。 例: cmds_allowed=PASV,RETR,QUIT

              デフォルト: (なし)

       deny_file
              すべての手段でアクセスを許可しない、 ファイル名(やディレクトリ名)のパターンを指定する。 この影響を
              うけるファイル/ディレクトリを隠しはしないが、 それらに対するあらゆる試み (ダウンロード、そのディレ
              クトリへの変更、ディレクトリ内で何か影響するものなど)  を拒否する。 このオプションはとても単純なの
              で、本格的なアクセス制御に用いるべきではない。  そのような場合には、まず先にファイルシステムのアク
              セス制御を用いること。 しかしながら、ある種の仮想ユーザの設定には便利である。

              deny_file  で指定した文字列を含むか、deny_file で指定した 正規表現にマッチする名前を持つものへのア
              クセスが拒否される。 vsftpd の正規表現のコードは単純な実装で、完全な正規表現の部分集合  になってい
              るので、注意すること。 よって、このオプションの使用するときは、注意深く、 徹底的にテストする必要が
              ある。 また、あらゆる重要なセキュリティティーポリシーに対し、 ファイルシステムのパーミッションを使
              用することを、 その偉大な信頼性から推奨する。 例: deny_file={*.mp3,*.mov,.private}

              デフォルト: (なし)

       email_password_file
              secure_email_list_enable を設定したときの代替ファイルを設定する。

              デフォルト: /etc/vsftpd.email_passwords

       ftp_username
              anonymous  FTP を取り扱うときに使用するユーザのユーザ名を指定する。 指定したユーザのホームディレク
              トリが anonymous FTP のルートとして 使用される。

              デフォルト: ftp

       ftpd_banner
              接続が最初に来たときに vsftpd が表示する挨拶メッセージを指定する。

              デフォルト: (なし。vsftpd のデフォルトのバナーが表示される)

       guest_username
              guest  ログインの説明については、真偽値設定の  guest_enable  を参照して欲しい。   このオプションで
              は、guest ユーザが実際に割り当てられるユーザ名を指定する。

              デフォルト: ftp

       hide_file
              ディレクトリリストから隠すべきファイル名(やディレクトリ名)  のパターンを指定する。 ファイル / ディ
              レクトリは隠されているが、      ファイル名を知っているクライアントからは自由にアクセス可能である。
              hide_file  で指定した文字列を含むか、hide_file で指定した 正規表現にマッチする名前を持つものが隠さ
              れる。 vsftpd の正規表現のコードは単純な実装で、完全な正規表現の部分集合  になっているので、注意す
              ること。 例: hide_file={*.mp3,.hidden,hide*,h?}

              デフォルト: (なし)

       listen_address
              スタンドアロンモードの場合に、listen するアドレスを指定する。 デフォルトは、すべてのローカルインタ
              フェースである。 IP アドレスを(数値で)指定すること。

              デフォルト: (なし)

       listen_address6
              listen_address と同様だが、(listen_ipv6 が指定された場合に使用される) IPv6  での接続を待つアドレス
              を指定する。 フォーマットは、標準的な IPv6 アドレスである。

              デフォルト: (なし)

       local_root
              ローカルログイン(すなわち、非  anonymous ログイン)の後に 変更するディレクトリを指定する。 ディレク
              トリ変更の失敗は、静かに無視する。

              デフォルト: (なし)

       message_file
              ユーザが新たなディレクトリに入った場合に 探すファイルの名前を指定する。 中身がリモートのユーザに表
              示される。 このオプションは dirmessage_enable オプションが有効の場合にのみ意味を持つ。

              デフォルト: .message

       nopriv_user
              特権を必要としなくなった場合に  vsftpd が使用するユーザの ユーザ名を指定する。 注意: nobody を使う
              のではなく、専用のユーザを使用すべきである。  多くのマシンでは、どちらかと言えば、むしろ多くの重要
              な事に
               nobody ユーザが使われる。

              デフォルト: nobody

       pam_service_name
              vsftpd が使用する PAM サービス名を指定する。

              デフォルト: ftp

       pasv_address
              PASV コマンドへの応答において、vsftpd が伝える IP アドレスを指定する。 IP アドレスを(数値で)指定す
              ること。

              デフォルト: (なし。接続されたソケットからアドレスが決められる)

       secure_chroot_dir
              このオプションは空のディレクトリの名前にすべきである。 また、そのディレクトリは ftp ユーザが書き込
              めてはいけない。 ここで指定するディレクトリは、 ファイルシステムへのアクセスが必要ないときに使用す
              る、 安全な chroot() jail に使われる。

              デフォルト: /usr/share/empty

       user_config_dir
              この強力なオプションによって、 マニュアルページにあるいかなる設定オプションも ユーザーごとに上書き
              することができる。 使い方は簡単で、以下の例で示す。 user_config_dir/etc/vsftpd_userr_conf に設
              定し、ユーザ "chris" がログインした場合、  そのセッションの間  /etc/vsftpd_user_conf/chris  という
              ファイルにある設定が適用される。 このファイルの書式は、 このマニュアルページにかかれているものと同
              じである。 ただし、すべての設定がユーザーごとに効果があるわけではないことに 注意してほしい。  例え
              ば、多くの設定はユーザーのセッションが開始される前に使用される。  設定例の中で、ユーザーごとの動作
              に影響しないものには、 listen_address, banner_file, max_per_ip, max_clients, xferlog_file などが含
              まれる。

              デフォルト: (なし)

       user_sub_token
              このオプションは、仮想ユーザーと組み合わせるときに便利である。  テンプレートを元に、各仮想ユーザー
              のホームディレクトリを自動的に生成するのに使用する。 例えば、 guest_username  によって実ユーザーの
              ホームディレクトリが /home/virtual/$USER に設定されていて、 user_sub_token$USER に設定されてい
              れば、仮想ユーザー fred がログインすると、最終的に  (通常は  chroot()  されて)  /home/virtual/fred
              ディレクトリに移動される。  このオプションは、 local_rootuser_sub_token を含んでいる場合にも効
              果がある。

              デフォルト: (なし)

       userlist_file
              userlist_enable オプションが有効な場合に読み込まれるファイルの ファイル名を指定する。

              デフォルト: /etc/vsftpd.user_list

       vsftpd_log_file
              vsftpd スタイルの転送ログを記録するファイルのファイル名を指定する。 xferlog_enable  が設定されてい
              て、かつ    xferlog_std_format    が設定されていない場合にのみ、このログは記録される。    もしくは
              dual_log_enable オプションを設定すれば記録される。 もう一つさらに複雑なこととして、  syslog_enable
              を設定した場合にはファイルには出力されず、出力は システムログへと送られる。

              デフォルト: /var/log/vsftpd.log

       xferlog_file
              wu-ftpd  スタイルの転送ログを記録するファイルのファイル名を指定する。 転送ログは xferlog_enablexferlog_std_format が設定されている場合にのみ記録される。 もしくは dual_log_enable  オプションを設
              定すれば記録される。

              デフォルト: /var/log/xfer.log

著者

       chris@scary.beasts.org

                                                                                                  VSFTPD.CONF(5)