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名前

       reiserfstune - ReiserFS ファイルシステムのチューニングツール

書式

       reiserfstune [ -f ] [ -j | --journal-device FILE ] [ --no-journal-available ] [ --journal-
       new-device FILE ] [ --make-journal-standard ] [  -s  |  --journal-new-size  N  ]  [  -o  |
       --journal-new-offset N ] [ -t | --max-transaction-size N ] [ -b | --add-badblocks file ] [
       -B | --badblocks file ] [ -u | --uuid UUID ] [ -l | --label LABEL ] device

説明

       reiserfstune は ReiserFS を調整するために使われる。 このプログラムは (ジャーナルサイズと最
       大トランザクションサイズという)  2 つのジャーナルパラメータを変更可能で、 ジャーナルの場所
       を指定された新しいブロックデバイスに移動できる (以前の ReiserFS ジャーナルを使用しないまま
       にすることもできるし、       ユーザーオプションにより破棄することもできる)。      それに加
       え、reiserfstune は不正ブロックのリストを ReiserFS に格納したり、UUID や LABEL  を設定でき
       る。  注意: これを書いている時点では、ジャーナルの再配置は ReiserFS の特別リリース用に実装
       されており、 Linux 2.5 あたりまでは、 メインストリームのカーネルに入れる予定はない。  つま
       り現在持っているカーネルに特別なパッチを適用する必要がある。  このパッチを適用しない場合、
       カーネルは新しく修正されたファイルシステムのマウントを拒否する。  なぜこれが動作しないかを
       説明してほしければ、$25 いただきたい。

       このコードのもっとも重要な応用としては、  ソリッドステートディスクにジャーナルを置くことが
       考えられる。

       device デバイスに対応するスペシャルファイル (例えば、/dev/hdXX は IDE ディスクパーティショ
              ンで、 /dev/sdXX は SCSI ディスクパーティションである)。

オプション

       -j | --journal-device FILE
              FILE  はファイルシステムが現在 (reiserfstune を実行する前に) ジャーナルを置いている
              ブロックデバイスのファイル名である。 このオプションは、メインデータデバイスとは別の
              デバイスに  既にジャーナルが置かれている場合に必要になる (--no-journal-available を
              指定すれば、使わないこともできる)。  このオプションでジャーナルデバイスを指定しない
              場合、 reiserfstune はジャーナルがメインデバイスにあると仮定する。

       --no-journal-available
              現在のジャーナルのブロックデバイスが既に使用不能な場合でも、  reiserfstune に処理を
              実行させる。   このようなケースは、ディスクが故障してジャーナルを削除し   (その後に
              fsck をしている) といった場合に起る。

       --journal-new-device FILE
              FILE  はファイルシステムの新しいジャーナルを入れる ブロックデバイスのファイル名であ
              る。 このオプションを指定しない場合、 reiserfstune はジャーナルデバイスが以前と同じ
              ものであると仮定する。

        -s | --journal-new-size N
              N は新しいジャーナルのサイズパラメータである。 ジャーナルが別のデバイスにある場合、
              ジャーナルデバイスのブロック数がデフォルトサイズになる。 ジャーナルがファイルシステ
              ムと同じデバイスにある場合、   mkreiserfs  で作成されたジャーナルの総ブロック数がデ
              フォルトになる。 どちらの場合でも最小値は 513 である。

        -o | --journal-new-offset N
              N は、ジャーナルが別のデバイスにある場合の ジャーナルの開始オフセット  (バイト単位)
              である。 デフォルトは 0 である。 ジャーナルがファイルシステムと同じデバイスにある場
              合は何も影響しない。  ほとんどのユーザーには、この機能は必要ない。   このオプション
              は、  複数のファイルシステムのジャーナルを同じデバイス上に置きたいが、 そのデバイス
              をパーティション分割したくない、 または分割できないといった場合に使える。

        -t | --maximal-transaction-size N
              N は新しいジャーナルのトランザクションサイズパラメータの最大値である。 デフォルト値
              と指定可能な最大値は  1024  ブロックである。 ジャーナルサイズの半分以下にすべきであ
              る。 不正な値が指定された場合は調整される。

        -b | --add-badblocks file
              file  は、ファイルシステム上で不正とマークされる予定の   ブロックのリストが書かれた
              ファイルの名前である。 このリストはファイルシステムの不正ブロックのリストに追加され
              る。

        -B | --badblocks file
              file  は、ファイルシステム上で不正とマークされる予定の   ブロックのリストが書かれた
              ファイルの名前である。 ファイルシステム上の不正ブロックのリストは、 file で指定され
              たリストがファイルシステムに追加される前に削除される。

       -f | --force
              通常 reiserfstune は、ジャーナルの再配置コードより以前に作成された ファイルシステム
              のジャーナルの変更はしない。    これはジャーナルを変更すると、    (特別なオプション
              --make-journal-standard を使わずに)  以前のカーネルに戻すことが出来なくなるためであ
              る。  以前のカーネルでは今ある機能が存在せず、 ファイルシステムが使うことができなく
              なる。 このオプションは強制的にジャーナルの変更を行う。 このオプションを 2 つ以上指
              定すると、 確認を行わないようにすることができる。

       --make-journal-standard
              上で述べたように、ファイルシステムに標準的なジャーナルがない場合、 ジャーナルの再配
              置コードがないカーネルではマウントできない。   このような問題を解決することもできる
              が、 標準ジャーナルのメインデバイスの予約領域が 8193 ブロックがなければいけないとい
              う唯一の条件がある    (標準ジャーナルを非標準ジャーナルに変換する場合などに必要であ
              る)。 ジャーナルを以前のものに再配置し直す場合は、 単にこのオプションを指定すれば良
              い。 メインデバイスに既にジャーナルが存在する場合、再配置はしない。

       -u | --uuid UUID
              ファイルシステムの universally unique identifier (UUID) (汎システム的に他とは重なら
              ない識別子)  を UUID に設定する。 (uuidgen(8) を参照)。 UUID のフォーマットはハイフ
              ンで区切った 16 進数の文字列であり、 "c1b9d5a2-f162-11cf-9ece-0020afc76f16"  のよう
              なフォーマットである。

       -l | --label LABEL
              ファイルシステムのボリュームラベルを設定する。 LABEL は最大 16 文字である。 17 文字
              以上の場合、mkreiserfs は文字列を切り詰める。

REISERFSTUNE を使用する可能性のあるシナリオ:

       1. ReiserFS が /dev/hda1 にあり、 デバイス /dev/journal にジャーナルを置いて動作させたい場
       合。

              特別な「ジャーナル再配置のサポート」パッチを適用した
              カーネルでブートし、
              reiserfstune /dev/hda1 --journal-new-device /dev/journal -f
              mount /dev/hda1
              として使用すること。

              トランザクションサイズの最大値を 512 ブロックに変更する場合は、
              以下のようにすること。
              reiserfstune -t 512 /dev/hda1

              再配置可能ジャーナルをサポートしていない別のカーネルで
              ファイルシステムを使おうとする場合は、
              umount /dev/hda1
              reiserfstune /dev/hda1 -j /dev/journal \
                --journal-new-device /dev/hda1 --make-journal-standard
              mount /dev/hda1
              として使用すること。

       2. /dev/hda1 を ReiserFS にして、別のジャーナルに切り替えたい場合
       (ファイルシステムがあるデバイスにジャーナルを置くことも含む)。

              特別な「ジャーナル再配置のサポート」パッチを適用した
              カーネルでブートし、
              mkreiserfs /dev/hda1
              を行う。

              ソリッドステートディスクを使う
              (SCSI ディスクと見なされるので、多分 /dev/sda などになる)。
              reiserfstune --journal-new-device /dev/sda1 -f /dev/hda1

              早朝 3 時に SCSI デバイスが死んで、
              IDE デバイスが余っている場合は、
              reiserfsck --no-journal-available /dev/hda1
              または
              reiserfsck --rebuild-tree --no-journal-available /dev/hda1
              reiserfstune --no-journal-available \
                --journal-new-device /dev/hda1 /dev/hda1
              を実行して、パッチを適用したカーネルで /dev/hda1 を使用する。

著者

       このバージョンの  reiserfstune は、 Vladimir Demidov <vova@namesys.com> と Edward Shishkin
       <edward@namesys.com> によって書かれた。

バグ

       バグは、できる限り多くの情報 (ハードウェア・カーネル・パッチ・設定・  表示された全てのメッ
       セージ)  とともに、 ReiserFS の開発者 <reiserfs-dev@namesys.com> に報告してほしい。 関連す
       る情報があるかもしれないので syslog を調べてほしい。

関連項目

       reiserfsck(8), debugreiserfs(8), mkreiserfs(8)