Provided by: login_4.11.1+dfsg1-2ubuntu1_amd64 bug

名前

       /etc/login.defs - shadow パスワード機能の設定

説明

       /etc/login.defs  ファイルは  shadow  ログイン機能に対するサイト固有の設定を定義する。 この
       ファイルは必ず存在しなければならない。  このファイルが無くてもシステム運用は可能であるが、
       おそらく望まない結果となるだろう。

       このファイルは読み取り可能なテキストファイルで、  ファイル中の一行につき一つの設定パラメー
       タを設定している。 各行では、設定パラメータの名前とその値が空白で区切られて示される。 空行
       とコメント行は無視される。 コメント行は `#' 記号で始まる。 記号`#'はその行での空白以外の最
       初の文字でなければならない。

       パラメータ値は四つの型を取ることができる。 文字列・ブール型・数値・倍精度数値、である。 文
       字列には全ての印字可能文字を使える。 ブール型パラメータの値は ``yes'' か ``no'' のいずれか
       でなければならない。 値の指定されていないブール型パラメータや、 ``yes'', ``no'' 以外が指定
       されたブール型パラメータの値は  ``no''とされる。  (単精度および倍精度)  数値は、 10 進数、
       (数値の前に ``0'' を付けた) 8 進数、 (数値の前に ``0x'' を付けた) 16  進数のいずれかで指定
       する。 単精度・倍精度数値パラメータの最大値は計算機に依存する。

       以下に示すような設定項目がある:

       CHFN_AUTH (ブール値)
              もし  yes なら、 chfn, chsh 両プログラムは、スーパーユーザが起動したのでない限り 何
              らかの変更を行なう前にパスワードを尋ねる。

       CHFN_RESTRICT (文字列)
              このパラメータは passwd ファイルの gecos フィールドのうち、  一般ユーザが  chfn  を
              使って変更できるフィールドを指定する。 指定する文字列は f, r, w, h 各文字の任意の組
              み合わせで、それぞれフルネーム、部屋番号、   職場電話番号、自宅電話番号を意味する。
              指定されなかった場合は、スーパーユーザだけが全ての項目を変更できる。 最も制限をきつ
              くしたい場合は、 chfn を SUID ではインストールしなければよい。

       GID_MAX (数値)

       GID_MIN (数値)
              useradd プログラムおよび groupadd プログラムがグループ ID を選択する時の範囲。

       MAIL_DIR (文字列)
              メールスプールディレクトリ。 あるユーザアカウントが修正・削除された際に、  そのユー
              ザのメールボックスに対する作業のために必要となる。 指定されないと、コンパイル時のデ
              フォルト値が用いられる。

       PASS_MAX_DAYS (数値)
              一つのパスワードを使える最長日数。 パスワードがこの日数よりも古い場合は、変更するよ
              う強制される。 指定されていない場合は -1 となる (この制限機能を無効にする)。

       PASS_MIN_DAYS (数値)
              パスワードを変更してから次に変更できるようになるまでの最短日数。 この日数が経たない
              うちにパスワードを変更しようとしても拒否される。 指定されていない場合は  -1  となる
              (この制限機能を無効にする)。

       PASS_WARN_AGE (数値)
              パスワードの有効期限が来る前に警告を発する期間の日数。 ゼロにしておくと、期限切れの
              当日にのみ警告を行い、 負の数を指定した場合は一切警告を行わない。  指定されていない
              場合は警告を行わない。

       PASS_MAX_DAYS,  PASS_MIN_DAYS, PASS_WARN_AGE はアカウントを作るときにだけ利用される。 これ
       らの設定を変更しても、既存のアカウントには影響しない。

       UID_MAX (数値)

       UID_MIN (数値)
              useradd プログラムがユーザ ID を選択する時の範囲。

       UMASK (数値)
              許可属性マスクをこの値に初期化する。  指定されていない場合は、許可属性マスクは  077
              に初期化される。

       USERDEL_CMD (文字列)
              定義されていると、ユーザを削除するときにこのコマンドが実行される。 削除されるユーザ
              (最初の引き数に渡される) の at/cron/print  ジョブなどを削除するコマンドにしておくと
              よい。

参照表

       以下の参照表は、  shadow パスワード機能のどのプログラムが どのパラメータを使用するかを示し
       たものである。

       chfn        CHFN_AUTH CHFN_RESTRICT

       chsh        CHFN_AUTH

       groupadd    GID_MAX GID_MIN

       newusers    PASS_MAX_DAYS PASS_MIN_DAYS PASS_WARN_AGE UMASK

       pwconv      PASS_MAX_DAYS PASS_MIN_DAYS PASS_WARN_AGE

       useradd     GID_MAX GID_MIN PASS_MAX_DAYS PASS_MIN_DAYS PASS_WARN_AGE UID_MAX UID_MIN
                   UMASK

       userdel     MAIL_DIR USERDEL_CMD

       usermod     MAIL_DIR

バグ

       shadow  パスワード機能によって提供されてきた機能の大部分は、 現在は PAM によって処理されて
       いる。 したがって、 login(1), passwd(1), su(1) などのプログラムは、もはや  /etc/login.defs
       を用いない。 対応する PAM の設定ファイルを調べるようにしてほしい。

関連項目

       login(1), passwd(1), su(1), passwd(5), shadow(5), pam(8)

著者

       Julianne Frances Haugh (julie78787@gmail.com)
       Chip Rosenthal (chip@unicom.com)

                                                                                    LOGIN.DEFS(5)