Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       move_pages - あるプロセスの個々のページを別のノードに移動する

書式

       #include <numaif.h>

       long move_pages(int pid, unsigned long count, void **pages,
                       const int *nodes, int *status, int flags);

       -lnuma とリンクする。

説明

       move_pages()   は、プロセス pid の指定されたページ pagesnodes で指定されたメモリーノー
       ドに移動する。 移動の結果は status に反映される。 flags では移動されるページに関する制約を
       指定する。

       pid  is  the  ID  of  the  process  in  which  pages  are  to be moved.  If pid is 0, then
       move_pages()  moves pages of the calling process.

       To move pages in another process requires the following privileges:

       *  Linux 4.12 以前のカーネルでは、呼び出し元が特権 (CAP_SYS_NICE)   を持っているか、呼び出
          したプロセスの実ユーザー  ID  か実効ユーザー ID が ページ移動対象のプロセスの実ユーザー
          ID か保存 set-user-ID のどちらかと一致しなければならない。

       *  The older rules allowed the caller to discover various virtual address choices made  by
          the  kernel  that  could lead to the defeat of address-space-layout randomization for a
          process owned by the same UID as the caller, the rules were changed starting with Linux
          4.13.    Since   Linux   4.13,   permission   is  governed  by  a  ptrace  access  mode
          PTRACE_MODE_READ_REALCREDS check with respect to the target process; see ptrace(2).

       count は移動するページ数である。 count により pages, nodes, status の 3 つの配列の大きさが
       定義される。

       pages  は、移動すべきページへのポインターの配列であり、 各ポインターはページ境界に揃えた値
       を指定すべきである。 pid で指定されたプロセスで見えるアドレスを指定する。

       nodes は、各ページの希望の移動場所を示す整数値の配列であり、  配列の各要素はノード番号であ
       る。 nodes には NULL を指定することもでき、この場合には move_pages()  はどのページも移動し
       ないが、各ページが現在配置されているノードを配列 status に格納して返す。どのページを移動す
       る必要があるかを判断するために、 各ページの状態の取得が必要な場合もある。

       status  is  an  array of integers that return the status of each page.  The array contains
       valid values only if move_pages()  did not return  an  error.   Preinitialization  of  the
       array  to  a  value which cannot represent a real numa node or valid error of status array
       could help to identify pages that have been migrated.

       flags には、どの種類のページを移動するかを指定する。 MPOL_MF_MOVE は、そのプロセスが排他的
       に使用しているページだけを移動することを意味する。 MPOL_MF_MOVE_ALL は、複数のプロセス間で
       共有されているページも移動できることを意味する。 MPOL_MF_MOVE_ALL を使用するためには、その
       プロセスが特権 (CAP_SYS_NICE)  を持っていなければならない。

   status 配列に格納されるページ状態
       status 配列の各要素として、以下の値が返される。

       0..MAX_NUMNODES
              そのページが配置されているノードを示す。

       -EACCES
              そのページは複数のプロセスによりマップされており、  MPOL_MF_MOVE_ALL が指定された場
              合にのみ移動できる。

       -EBUSY そのページが現在ビジーであり、移動できない。後でもう一度試すこと。 この状況は、ペー
              ジが  I/O の実行中であったり、カーネルの他のサブシステム がそのページへの参照を保持
              している場合に発生する。

       -EFAULT
              そのページが zero page であるか、そのメモリー領域はそのプロセスにより  マップされて
              いない。

       -EIO   ページを書き戻す  (write back) ことができない。 ページが dirty で、ファイルシステム
              が dirty なページを移動できるような  移動機能を提供していないため、そのページを移動
              するためにはページを 書き戻さなければならない。

       -EINVAL
              dirty  なページを移動できない。 ファイルシステムが dirty なページを移動するための機
              能を提供しておらず、 ページを書き戻す能力もない。

       -ENOENT
              ページが存在しない。

       -ENOMEM
              移動先のノードでメモリーを確保することができない。

返り値

       On success move_pages()  returns zero.  On  error,  it  returns  -1,  and  sets  errno  to
       indicate the error.  If positive value is returned, it is the number of nonmigrated pages.

エラー

       Positive value
              The  number of nonmigrated pages if they were the result of nonfatal reasons (since
              Linux 4.17).  E2BIG Too many pages to move.  Since  Linux  2.6.29,  the  kernel  no
              longer generates this error.

       EACCES 移動先のノードのいずれかが現在の CPU 集合では許可されていない。

       EFAULT パラメーター配列にアクセスできなかった。

       EINVAL flagsMPOL_MF_MOVE  でも MPOL_MF_MOVE_ALL でもない値が指定されたか、カーネルス
              レッドのページを移動させようとした。

       ENODEV 移動先のノードのいずれかがオンラインでない。

       EPERM  呼び出し元は MPOL_MF_MOVE_ALL を指定したが、十分な特権 (CAP_SYS_NICE)  を持っていな
              い。 または、呼び出し元が他のユーザーに属するプロセスのページを移動しようとしたが、
              それを行えるだけの特権 (CAP_SYS_NICE) を持っていなかった。

       ESRCH  プロセスが存在しない。

バージョン

       move_pages()  は、バージョン 2.6.18 で初めて Linux に登場した。

準拠

       このシステムコールは Linux 固有である。

注意

       ライブラリによるサポートについては numa(7)  を参照。

       現在の CPU 集合で許可されているノードの集合を取得するには、フラグ MPOL_F_MEMS_ALLOWED を指
       定して get_mempolicy(2)  を使用すればよい。 取得した情報は、CPU 集合の手動または自動での再
       構成により いつ何時変化してしまうか分からない。

       この関数を使用すると、ページの位置  (ノード)  が  指定されたアドレスに対して設定されたメモ
       リーポリシー   (mbind(2)    参照)   や指定されたプロセスに対して設定されたメモリーポリシー
       (set_mempolicy(2)    参照)    に違反してしまう可能性がある。    つまり、メモリーポリシーは
       move_pages()  で使われる移動先ノードを制限しないということである。

       ヘッダーファイル <numaif.h> は glibc には含まれておらず、 libnuma-devel か同様のパッケージ
       をインストールする必要がある。

関連項目

       get_mempolicy(2), mbind(2), set_mempolicy(2), numa(3), numa_maps(5),  cpuset(7),  numa(7),
       migratepages(8), numastat(8)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。