Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       assert - 診断が偽の時にプログラムを中止する

書式

       #include <assert.h>

       void assert(scalar expression);

説明

       このマクロは、プログラマが、プログラムのバグを見つけたり、例外的な場面を (限定的なデバッグ
       出力を行う) クラッシュで処理するのに役立つ。

       expression が偽 (false) の場合 (つまり expression が 0 と比較して等しい場合)、 assert() は
       エラーメッセージを標準エラーに表示し、  abort(3)  を呼び出してプログラムを終了する。エラー
       メッセージには、以下のように、ファイル名、 assert() の呼び出しを含む関数名、呼び出しのソー
       スコードの行番号、引数のテキストが含まれる。

           prog: some_file.c:16: some_func: Assertion `val == 0' failed.

       <assert.h> が最後にインクルードされた時点で、 NDEBUG マクロが定義されている場合、 assert()
       マクロは何のコードも生成せず、したがって全く何もしない。 assert() を使ってエラー条件を検出
       している場合に NDEBUG を定義するのは推奨されない。ソフトウェアの動作が非決定的になってしま
       う可能性があるからである。

返り値

       値は返されない。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌─────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├─────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │assert()         │ Thread safety │ MT-Safe │
       └─────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, C89, C99.  C89 では expressionint  型であることが必要とさ
       れ、そうでない場合の動作は未定義とされていた。 しかし C99 ではどのようなスカラ値でもよいこ
       とになった。

バグ

       assert()  は、マクロとして実装されている。すなわち、評価されている式が副作用を持っている場
       合には、プログラムの振舞いは、マクロ NDEBUG が定義されているかによって異なるだろう。このた
       め、デバッグを有効にすると消えてしまうハイゼンバグ (Heisenbugs) が起こることがある。

関連項目

       abort(3), assert_perror(3), exit(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。