Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       isgreater,  isgreaterequal, isless, islessequal, islessgreater, isunordered - NaN に対して
       例外を発生せずに、浮動小数点数の大小関係の判定を行う

書式

       #include <math.h>

       int isgreater(x, y);

       int isgreaterequal(x, y);

       int isless(x, y);

       int islessequal(x, y);

       int islessgreater(x, y);

       int isunordered(x, y);

       -lm でリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       ここで説明する全ての関数:
              _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L

説明

       (<、「小なり」のような) 通常の関係操作 (relational operations) は、 オペランドの一方が NaN
       の場合には失敗する。 これは例外の原因になる。 これを避けるため、C99 では以下のリストに示す
       マクロを定義している。

       これらのマクロでは、引数を 1 回だけ評価することが保証されている。 引数には実数の浮動小数点
       数型を指定しなければならない。 (注意: これらのマクロの引数に整数値を渡さないこと。なぜなら
       整数値の引数は実数の浮動小数点型に変換されないからである。)

       isgreater()
              (x) > (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。

       isgreaterequal()
              (x) >= (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。

       isless()
              (x) < (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。

       islessequal()
              (x) <= (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。

       islessgreater()
              (x) < (y) || (x) > (y) を決定する。 x または y が NaN でも例外を発生しない。 このマ
              クロは  x != y  と等価ではない。  なぜなら、この評価式は x または y が NaN の場合に
              true となるためである。

       isunordered()
              引数が unordered かどうか、つまり引数の少なくとも一方が NaN かどうか を判定する。

返り値

       isunordered()  以外のマクロは関係操作の結果を返す。 一方の引数が NaN  の場合、これらのマク
       ロは 0 を返す。

       isunordered()  は xy が NaN の場合 1 を、 それ以外の場合 0 を返す。

エラー

       エラーは発生しない。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌───────────────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├───────────────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │isgreater(), isgreaterequal(), │ Thread safety │ MT-Safe │
       │isless(), islessequal(),       │               │         │
       │islessgreater(), isunordered() │               │         │
       └───────────────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       POSIX.1-2001, POSIX.1-2008, C99.

注意

       これらの関数は全てのハードウェアでサポートされているわけではない。  サポートされていない場
       合は、マクロでエミュレートされる。 エミュレートされる場合は、性能上での不利となる。 NaN に
       ついて心配しなくて構わない場合は、 これらの関数を使わないこと。

関連項目

       fpclassify(3), isnan(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2017-09-15                               ISGREATER(3)