Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       pthread_rwlockattr_setkind_np,  pthread_rwlockattr_getkind_np - スレッドの読み書きロック属
       性オブジェクトの読み書きロック種別の設定、取得を行う

書式

       #include <pthread.h>

       int pthread_rwlockattr_setkind_np(pthread_rwlockattr_t *attr,
                                          int pref);
       int pthread_rwlockattr_getkind_np(const pthread_rwlockattr_t *attr,
                                          int *pref);

       -pthread でコンパイルしてリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       pthread_rwlockattr_setkind_np(), pthread_rwlockattr_getkind_np():
           _XOPEN_SOURCE >= 500 || _POSIX_C_SOURCE >= 200809L

説明

       pthread_rwlockattr_setkind_np() 関数は、 attr が参照する読み書きロック属性オブジェクトの「
       ロック種別  (lock kind)」を pref で指定された値に設定する。 引数 pref には以下のいずれか一
       つを設定できる。

       PTHREAD_RWLOCK_PREFER_READER_NP
              これがデフォルトである。 スレッドは複数の読み出しロックを保持できる。  つまり、読み
              出しロックは再帰的である。  Single Unix Specification では、 読み出し側がロックをか
              けようとした際に、書き込みロックはないが書き込み側が待っていた場合の、動作は規定さ
              れていない。 PTHREAD_RWLOCK_PREFER_READER_NP に設定し、読み出し側に優先度を与えると
              いうことは、 たとえ書き込み側が待っていたとしても、読み出し側が要求したロックを受け
              取ることを意味する。 読み出し側がいる限り、書き込み側は待つことになる。

       PTHREAD_RWLOCK_PREFER_WRITER_NP
              This is intended as the write lock analog of PTHREAD_RWLOCK_PREFER_READER_NP.  This
              is ignored by glibc because the POSIX requirement to support recursive  read  locks
              would    cause   this   option   to   create   trivial   deadlocks;   instead   use
              PTHREAD_RWLOCK_PREFER_WRITER_NONRECURSIVE_NP   which   ensures   the    application
              developer will not take recursive read locks thus avoiding deadlocks.

       PTHREAD_RWLOCK_PREFER_WRITER_NONRECURSIVE_NP
              ロック種別をこの値に設定すると、  読み出しロックが再帰的に行われない限りは、 書き込
              み側の待ちを避けることができる。

       pthread_rwlockattr_getkind_np() 関数は、  attr  が参照する読み書きロック属性オブジェクトの
       ロック種別属性の値をポインター pref に入れて返す。

返り値

       成功すると、これらの関数は       0      を返す。      有効なポインター引数が渡された場合、
       pthread_rwlockattr_getkind_np()              は常に成功する。               エラーの場合、
       pthread_rwlockattr_setkind_np() は 0 以外のエラー番号を返す。

エラー

       EINVAL pref にサポート外の値が指定された。

バージョン

       関数  pthread_rwlockattr_getkind_np() と pthread_rwlockattr_setkind_np() は glibc 2.1 で初
       めて登場した。

準拠

       これらの関数は非標準の GNU による拡張である。 そのため、名前に "_np" (non-portable; 移植性
       がない) という接尾辞が付いている。

関連項目

       pthreads(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。