Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       pthread_self - 呼び出したスレッドの ID を取得する

書式

       #include <pthread.h>

       pthread_t pthread_self(void);

       -pthread でコンパイルしてリンクする。

説明

       pthread_self() 関数は、呼び出したスレッドの ID を返す。 得られる ID は、このスレッドが作成
       された pthread_create(3) の 呼び出しで *thread で返されるのと同じ値である。

返り値

       この関数は常に成功し、呼び出したスレッドの ID を返す。

エラー

       この関数は常に成功する。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌─────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├─────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │pthread_self()   │ Thread safety │ MT-Safe │
       └─────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

注意

       POSIX.1 では、スレッド ID を表現するのに使用する型は、  スレッド実装が完全に自由に選択して
       よいことになっている。  例えば、スレッド ID を表現するのに数値型を使っても構造体を使っても
       よい。 そのため、移植性を確保しつつ、 C 言語の等価演算子 (==) を使って、 pthread_t  型の変
       数の比較を行うことはできない。 代わりに pthread_equal(3) を使うこと。

       スレッド識別子はその内部構造を意識すべきではない。 pthreads 関数以外でスレッド ID を利用し
       ようとした場合、 移植性がなくなり、どのような結果が得られるかも分からない。

       スレッド ID の一意性が保証されるのは、あるプロセス内においてのみである。  終了したスレッド
       が  join  されたり、 切り離された (detached) スレッドが終了されたりした後は、 そのスレッド
       ID は再利用されることがある。

       pthread_self() が返すスレッド ID は、 gettid(2) が返すカーネルスレッド ID とは違うものであ
       る。

関連項目

       pthread_create(3), pthread_equal(3), pthreads(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。