Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       pthread_tryjoin_np, pthread_timedjoin_np - 終了したスレッドの join を 試みる

書式

       #define _GNU_SOURCE             /* See feature_test_macros(7) */
       #include <pthread.h>

       int pthread_tryjoin_np(pthread_t thread, void **retval);

       int pthread_timedjoin_np(pthread_t thread, void **retval,
                                const struct timespec *abstime);

       -pthread を付けてコンパイルとリンクを行う。

説明

       これらの関数は pthread_join(3) と同じように動作するが、 このページで説明する違いがある。

       pthread_tryjoin_np() 関数は、スレッド thread の非停止 (nonblocking) での join を実行し、ス
       レッドの終了ステータスを   *retval    に入れて返す。thread    がまだ終了していない場合は、
       pthread_join(3) のように停止 (block) せずに、エラーを返す。

       The  pthread_timedjoin_np()  function performs a join-with-timeout.  If thread has not yet
       terminated, then the call blocks until a maximum  time,  specified  in  abstime,  measured
       against  the  CLOCK_REALTIME  clock.  If the timeout expires before thread terminates, the
       call returns an error.  The abstime  argument  is  a  structure  of  the  following  form,
       specifying an absolute time measured since the Epoch (see time(2)):

           struct timespec {
               time_t tv_sec;     /* seconds */
               long   tv_nsec;    /* nanoseconds */
           };

返り値

       成功すると、これらの関数は 0 を返す。 エラーの場合、エラー番号を返す。

エラー

       これらの関数は  pthread_join(3) と同じエラーで失敗する。 pthread_tryjoin_np() はさらに以下
       のエラーで失敗する場合がある。

       EBUSY  呼び出しを行った時点では thread はまだ終了していない。

       pthread_timedjoin_np() はさらに以下のエラーで失敗する場合がある。

       ETIMEDOUT
              thread が終了する前に呼び出しがタイムアウトとなった。

       EINVAL abstime の値が無効である (tv_sec が 0 より小さいか、 tv_nsec 1e9 がより大きい)。

       pthread_timedjoin_np() がエラー EINTR を返すことはない。

バージョン

       これらの関数は glibc バージョン 2.3.3 で初めて登場した。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌───────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├───────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │pthread_tryjoin_np(),  │ Thread safety │ MT-Safe │
       │pthread_timedjoin_np() │               │         │
       └───────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       これらの関数は非標準の  GNU による拡張である。 そのため、名前に "_np" (nonportable; 移植性
       がない) という接尾辞が 付いている。

       以下のコードは、最大 5 秒まで join を待つ。

           struct timespec ts;
           int s;

           ...

           if (clock_gettime(CLOCK_REALTIME, &ts) == -1) {
               /* Handle error */
           }

           ts.tv_sec += 5;

           s = pthread_timedjoin_np(thread, NULL, &ts);
           if (s != 0) {
               /* Handle error */
           }

バグ

       The pthread_timedjoin_np()  function measures time by internally  calculating  a  relative
       sleep  interval  that  is  then  measured against the CLOCK_MONOTONIC clock instead of the
       CLOCK_REALTIME clock.  Consequently, the timeout is unaffected by discontinuous changes to
       the CLOCK_REALTIME clock.

関連項目

       clock_gettime(2), pthread_exit(3), pthread_join(3), pthreads(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。