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名前

       y0, y0f, y0l, y1, y1f, y1l, yn, ynf, ynl - 第二種ベッセル関数

書式

       #include <math.h>

       double y0(double x);
       double y1(double x);
       double yn(int n, double x);

       float y0f(float x);
       float y1f(float x);
       float ynf(int n, float x);

       long double y0l(long double x);
       long double y1l(long double x);
       long double ynl(int n, long double x);

       -lm でリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       y0(), y1(), yn():
           _XOPEN_SOURCE
               || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
               || /* Glibc versions <= 2.19: */ _SVID_SOURCE || _BSD_SOURCE
       y0f(), y0l(), y1f(), y1l(), ynf(), ynl():
           _XOPEN_SOURCE  >= 600
               || (_ISOC99_SOURCE && _XOPEN_SOURCE)
               || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
               || /* Glibc versions <= 2.19: */ _SVID_SOURCE || _BSD_SOURCE

説明

       関数  y0()  と y1()  はそれぞれ x の 0 次、1 次の 第二種ベッセル関数の値を返す。 関数 yn()
       は xn 次の 第二種ベッセル関数の値を返す。

       x は正の値でなければならない。

       関数 y0f(), y1f(), ynf() は、 float 型を引数に取り、返り値として返す。 関数 y0l(),  y1l(),
       ynl() は、 long double 型を引数に取り、返り値として返す。

返り値

       成功すると、これらの関数は x に対する第二種ベッセル関数の値を返す。

       x が NaN の場合、NaN が返される。

       x が負の場合、領域エラー (domain error) が発生し、 各関数はそれぞれ -HUGE_VAL, -HUGE_VALF,
       -HUGE_VALL を返す (POSIX.1-2001 ではこの場合に NaN を返すことも認めている)。

       x が 0.0 の場合、極エラー (pole error) が発生し、 各関数はそれぞれ -HUGE_VAL,  -HUGE_VALF,
       -HUGE_VALL を返す。

       結果がアンダーフローする場合、 範囲エラー (range error) が発生し、 各関数は 0.0 を返す。

       結果がオーバーフローする場合、範囲エラーが発生し、 各関数はそれぞれ -HUGE_VAL, -HUGE_VALF,
       -HUGE_VALL を返す (POSIX.1-2001 ではこの場合に 0.0 を返すことも認めている)。

エラー

       これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7)  を
       参照のこと。

       以下のエラーが発生する可能性がある。

       領域エラー (domain error): x が負である
              errnoEDOM が設定される。 不正 (invalid) 浮動小数点例外 (FE_INVALID)  が上がる。

       極エラー: x が 0.0
              errnoERANGE が設定され、 FE_DIVBYZERO 例外が上がる (ただし「バグ」を参照)。

       範囲エラー (range error): 結果のアンダーフロー
              errnoERANGE が設定される。 このエラーの場合、 fetestexcept(3)  は FE_UNDERFLOW
              例外を返さない。

       範囲エラー (range error): 結果のオーバーフロー
              errnoERANGE  が設定される  (「バグ」の節も参照)。  オーバーフロー浮動小数点例外
              (FE_OVERFLOW) が上がる。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌───────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├───────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │y0(), y0f(), y0l() │ Thread safety │ MT-Safe │
       ├───────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │y1(), y1f(), y1l() │ Thread safety │ MT-Safe │
       ├───────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │yn(), ynf(), ynl() │ Thread safety │ MT-Safe │
       └───────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       double  型の値を返す関数は、SVr4, 4.3BSD, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008 に準拠する。 それ以外
       は非標準の関数で、BSD にも存在する。

バグ

       Before glibc 2.19, these functions misdiagnosed  pole  errors:  errno  was  set  to  EDOM,
       instead of ERANGE and no FE_DIVBYZERO exception was raised.

       Before glibc 2.17, did not set errno for "range error: result underflow".

       glibc  バージョン 2.3.2 以前では、 領域エラーが発生した場合に、これらの関数は 不正浮動小数
       点例外 (FE_INVALID) を上げない。

関連項目

       j0(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2020-06-09                                      Y0(3)