Provided by: po4a_0.69-1_all
名前
po4a-translate - PO ファイルをドキュメントフォーマットへ変換
書式
po4a-translate -f fmt -m master.doc -p XX.po -l XX.doc (XX.doc は出力ファイル。その他すべては入力ファイル)
説明
po4a (PO for anything) プロジェクトは、gettext ツールが想定していないドキュメントのような 領域で翻訳をしやすくすること (またより興味深いのは、翻訳文の保守がしやすくなること) を目標 にしています。 po4a-translate スクリプトは、(PO ファイルで行われた) 翻訳から元のドキュメントフォーマット への変換を担当します。与える PO ファイルは、po4a-gettextize(1) で得た POT ファイルを翻訳し たものであるべきです。
オプション
-f, --format 扱うドキュメントのフォーマットです。有効なフォーマットの一覧を見るには、--help-format オプションを使用してください。 -a, --addendum 生成するファイルに追加するファイル (例えば、翻訳者名や「この翻訳について」節) です。挿 入するファイルの先頭行は、追加する位置を指定する PO4A ヘッダです (po4a(7) の 翻訳にお まけのテキストを追加するには 節を参照してください)。 -A, --addendum-charset 追加内容の文字セットです。追加内容では、すべて同じ文字セットを使用することに注意してく ださい。 -m, --master 翻訳するマスタードキュメントのファイルです。 -M, --master-charset 翻訳するドキュメントファイルの文字セットです。 -l, --localized 書き出される地域化 (翻訳済み) ドキュメントのファイルです。 -L, --localized-charset 地域化ドキュメントファイルの文字セットです。 -p, --po メッセージカタログとして読み込むファイルです。 -o, --option 書式プラグインに渡す追加オプションです。有効なオプションやその意味の詳細は、各プラグイ ンの説明書を参照してください。例えば、AsciiDocパーサーには '-o tablecells' を、テキス トパーサーには '-o tabs=split' を渡すことができます。 -k, --keep 生成するファイルを維持する(つまり書き出す)翻訳率のしきい値(既定値:80)。言い換える と、既定値では書き出されるために少なくとも 80% は翻訳されていなければならないというこ とです。 -w, --width 結果のファイルの改行幅です。 -h, --help 短いヘルプメッセージを表示します。 --help-format po4a が理解できるドキュメントフォーマットの一覧を表示します。 -V, --version スクリプトのバージョンを表示して終了します。 -v, --verbose プログラムの冗長度を上げます。 -d, --debug デバッグ情報を出力します。 --porefs type[,wrap|nowrap] 参照形式を指定します。引数 type は、いずれの参照も生成しない none、ファイルを指定する のみで行番号を指定しない noline、カウンタを増加させることで行番号を置き換える counter、完全な参照を含む full のいずれかを指定できます(既定値:full)。 引数にはコンマを続けた後に wrap または nowrap キーワードのどちらかを付けられます。デ フォルトでは、リファレンスは 1 行で書き出されます。wrap オプションは、gettext ツール (xgettext や msgmerge) のようにリファレンスを複数行に折り返します。こちらのオプション の方がより気が利いているため、将来のリリースでデフォルトとなります。元の挙動のままにし ておきたいユーザは、nowrap オプションを使用できます。 --wrap-po no|newlines|number(既定値:76) poファイルの行の折り返し方法を指定します。これにより、適切に折り返されているがgitの競 合につながる可能性のあるファイルか、もしくは自動的に処理しやすいものの人間にとっては読 みにくいファイルかのいずれかを選択できます。 歴史的に、gettext スイートは見た目上の理由で、POファイルを77列目で折り返すよう再フォー マットしてきました。このオプションは po4a の動作を指定します。数値に設定された場 合、po4aはこの列の後と、内容の改行の後でpoファイルを折り返します。newlinesに設定する と、po4aはmsgidとmsgstrを内容内の改行の後でのみ分割します。noに設定する と、po4aはpoファイルでの行折り返しを一切行いません。参照コメントの折り返し は、--porefsオプションで制御されます。 このオプションは、msgidとmsgstrの折り返し方法、すなわちこれらの文字列の内容にどのよう に改行を追加するかには影響しないことに注意してください。
生成されたファイルへの (翻訳以外の) 内容の追加
生成される文書に翻訳以外の内容(翻訳者名や「この翻訳について」節など)を追加するに は、--addendum オプションを使用してください。 追加内容の最初の行は、ドキュメントのどこに配置するかを指定するヘッダでなければなりません (ドキュメント内の任意の部分の前後を指定できます)。 ファイルの残りの部分は、さらに処理する ことなく、結果のファイルにそのまま追加されます。 指定したファイルに追加できないものがあった場合、po4a-translate は翻訳全体を破棄することに 注意してください (見つからないファイルは作者を示すものかも知れず、翻訳のバグ報告をしたい ユーザの妨げになるからです)。 ヘッダにはかなり厳密な文法があります。この機能の使い方や動作の概要は、po4a(7) man ページを 参照してください。
関連項目
po4a-gettextize(1), po4a-normalize(1), po4a-updatepo(1), po4a(7)
著者
Denis Barbier <barbier@linuxfr.org> Nicolas François <nicolas.francois@centraliens.net> Martin Quinson (mquinson#debian.org)
訳者
倉澤 望 <nabetaro@debian.or.jp> Debian JP Documentation ML <debian-doc@debian.or.jp>
著作権とライセンス
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