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名前

       po4a-updatepo - ドキュメントの (PO フォーマットの) 翻訳を更新

書式

       po4a-updatepo -f fmt (-m master.doc)+ (-p XX.po)+

       (XX.po は出力ファイル。その他すべては入力ファイル)

説明

       po4a (PO for anything) プロジェクトは、gettext ツールが想定していないドキュメントのような
       領域で翻訳をしやすくすること (またより興味深いのは、翻訳文の保守がしやすくなること) を目標
       にしています。

       po4a-updatepo スクリプトは、PO ファイルの更新を担当し、オリジナルドキュメントのファイルに
       行われた変更を反映します。そのため、ドキュメントファイルを POT ファイルに変換
       し、msgmerge(1) を呼び出して、この新しい POT ファイルを PO ファイルに適用します。

       複数の PO ファイルと (複数の言語を一度に更新する場合)、あるいは複数の文書ファイル (複数の
       ドキュメントの翻訳を同じ PO ファイルに格納したい場合) を指定することもできます。

       マスター文書に非ASCII文字がある場合、このスクリプトは(まだ変換されていない場合)POファイ
       ルをUTF-8に変換し、非標準文字を透過的に扱うようにします。

オプション

       -f, --format
           扱うドキュメントのフォーマットです。有効なフォーマットの一覧を見るには、--help-format
           オプションを使用してください。

       -m, --master
           翻訳するマスタードキュメントを含むファイルです。

       -M, --master-charset
           翻訳するドキュメントを含むファイルの文字セットです。すべてのファイルが、同じ文字セット
           を使用していなければならないことに注意してください。

       -p, --po
           更新する PO ファイルです。ファイルが存在しない場合、po4a-updatepo が作成します。

       -o, --option
           書式プラグインに渡す追加オプションです。有効なオプションやその意味の詳細は、各プラグイ
           ンの説明書を参照してください。例えば、AsciiDocパーサーには '-o tablecells' を、テキス
           トパーサーには '-o tabs=split' を渡すことができます。

       --no-previous
           This option removes --previous from the options passed to msgmerge. This helps
           supporting old versions of gettext (before v0.16).

       --previous
           このオプションは、msgmerge に渡すオプションに --previous を追加します。gettext 0.16 以
           降が必要で、デフォルトで有効です。

       --msgmerge-opt options
           msgmerge(1) 用の追加オプションです。

       -h, --help
           短いヘルプメッセージを表示します。

       --help-format
           po4a が理解できるドキュメントフォーマットの一覧を表示します。

       -V, --version
           スクリプトのバージョンを表示して終了します。

       -v, --verbose
           プログラムの冗長度を上げます。

       -d, --debug
           デバッグ情報を出力します。

       --porefs type[,wrap|nowrap]
           参照形式を指定します。引数 type は、いずれの参照も生成しない none、ファイルを指定する
           のみで行番号を指定しない noline、カウンタを増加させることで行番号を置き換える
           counter、完全な参照を含む full のいずれかを指定できます(既定値:full)。

           引数にはコンマを続けた後に wrap または nowrap キーワードのどちらかを付けられます。デ
           フォルトでは、リファレンスは 1 行で書き出されます。wrap オプションは、gettext ツール
           (xgettextmsgmerge) のようにリファレンスを複数行に折り返します。こちらのオプション
           の方がより気が利いているため、将来のリリースでデフォルトとなります。元の挙動のままにし
           ておきたいユーザは、nowrap オプションを使用できます。

       --wrap-po no|newlines|number(既定値:76)
           poファイルの行の折り返し方法を指定します。これにより、適切に折り返されているがgitの競
           合につながる可能性のあるファイルか、もしくは自動的に処理しやすいものの人間にとっては読
           みにくいファイルかのいずれかを選択できます。

           歴史的に、gettext スイートは見た目上の理由で、POファイルを77列目で折り返すよう再フォー
           マットしてきました。このオプションは po4a の動作を指定します。数値に設定された場
           合、po4aはこの列の後と、内容の改行の後でpoファイルを折り返します。newlinesに設定する
           と、po4aはmsgidとmsgstrを内容内の改行の後でのみ分割します。noに設定する
           と、po4aはpoファイルでの行折り返しを一切行いません。参照コメントの折り返し
           は、--porefsオプションで制御されます。

           このオプションは、msgidとmsgstrの折り返し方法、すなわちこれらの文字列の内容にどのよう
           に改行を追加するかには影響しないことに注意してください。

       --msgid-bugs-address email@address
           msgid のバグレポートを送るアドレスをセットします。デフォルトでは、生成した POT ファイ
           ルに Report-Msgid-Bugs-To フィールドはありません。

       --copyright-holder string
           POT ヘッダの著作権者 (copyright holder) を設定します。既定値は "Free Software
           Foundation, Inc." です。

       --package-name string
           POT ヘッダのパッケージ名をセットします。デフォルト値は "PACKAGE" です。

       --package-version string
           POT ヘッダのパッケージバージョンをセットします。デフォルト値は "VERSION" です。

関連項目

       po4a-gettextize(1), po4a-normalize(1), po4a-translate(1), po4a(7)

著者

        Denis Barbier <barbier@linuxfr.org>
        Nicolas François <nicolas.francois@centraliens.net>
        Martin Quinson (mquinson#debian.org)

訳者

        倉澤 望 <nabetaro@debian.or.jp>
        Debian JP Documentation ML <debian-doc@debian.or.jp>

著作権とライセンス

       Copyright 2002-2020 by SPI, inc.

       本プログラムはフリーソフトウェアです。GPL の条項に基づき再頒布と変更を行うことができます
       (COPYING ファイルを参照してください)。