Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       get_kernel_syms - 公開されているカーネルやモジュールのシンボルの取得

書式

       #include <linux/module.h>

       int get_kernel_syms(struct kernel_sym *table);

       注意: このシステムコールの宣言は glibc のヘッダーでは提供されていない。「注意」を参照。

説明

       注意: このシステムコールが存在するのは、カーネル 2.6 より前の Linux だけである。

       get_kernel_syms()   は、  table が NULL の場合、 問い合わせできるシンボルの数を返す。 NULL
       以外の場合、以下の構造体の列 (table) に値を入れて返す。

           struct kernel_sym {
               unsigned long value;
               char          name[60];
           };

       シンボルの中には、 #module-name という形式の、カーネルが空の名前を持っているマジックシンボ
       ル  (magic symbol) が散在している。この形式のシンボルに対応する値は モジュールがロードされ
       たアドレスとなる。

       個々のモジュールから公開 (export) されたシンボルは、マジックモジュールタグ  の後ろに置かれ
       る。また、モジュールはロードされた順番とは逆順で返される。

返り値

       成功すると、 table にコピーされたシンボル数を返す。 エラーの場合、-1 を返し、 errno を適切
       に設定する。

エラー

       返る可能性があるエラーは一つだけである。

       ENOSYS get_kernel_syms()  がこのバージョンのカーネルではサポートされていない。

バージョン

       このシステムコールが存在するのはカーネル 2.4 までの Linux だけである。 Linux 2.6  では削除
       された。

準拠

       get_kernel_syms()  は Linux 固有である。

注意

       この廃止されたシステムコールは glibc ではサポートされていない。 glibc ヘッダーでは宣言は提
       供されていないが、紆余曲折があり、 バージョン 2.23 より前の glibc ではこのシステムコールに
       対する  ABI が公開されていた。そのため、このシステムコールを利用するには、自分のコードの中
       で手動でインターフェースを宣言すればよかった。 syscall(2) を使ってシステムコールを起動でき
       た。

バグ

       table  用に確保したバッファーの大きさを伝える方法がない。 プログラムがシンボルテーブルの大
       きさを問い合わせた後に、カーネルに  シンボルが追加されると、メモリーの内容が破壊されること
       になる。

       公開されるシンボル名の長さが 59 文字に制限されている。

       これらの制限があるので、このシステムコールを使うよりは query_module(2)  を使うのが望ましい
       (現在では  query_module(2)   自身もそのマニュアルページに書かれているように   他のインター
       フェースを使うのが望ましいとされている)。

関連項目

       create_module(2), delete_module(2), init_module(2), query_module(2)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。