Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       get_mempolicy - スレッドの NUMA メモリーのポリシーを取得する

書式

       #include <numaif.h>

       long get_mempolicy(int *mode, unsigned long *nodemask,
                         unsigned long maxnode, void *addr,
                         unsigned long flags);

       -lnuma でリンクする。

説明

       get_mempolicy() は、呼び出し元スレッドもしくは指定されたメモリーアドレスの NUMA ポリシーを flags の設定に
       従って取得する。

       NUMA (非対称メモリーアクセス) マシンでは、CPU により メモリーコントローラーが異なり、距離も異なっている。
       メモリーポリシーは、どのノードからメモリーをそのスレッドに 割り当てるかを定めるものである。

       If  flags  is  specified  as  0,  then  information  about the calling thread's default policy (as set by
       set_mempolicy(2))  is returned, in the buffers pointed to by mode and nodemask.  The  value  returned  in
       these  arguments  may  be  used  to  restore  the thread's policy to its state at the time of the call to
       get_mempolicy()  using set_mempolicy(2).  When flags is 0, addr must be specified as NULL.

       flagsMPOL_F_MEMS_ALLOWED (Linux 2.6.24 以降で利用可能) を指定すると、  mode  引数は無視され、  そのス
       レッドがその後の mbind(2)  や set_mempolicy(2)  で (モードフラグ が指定されていない場合に) 指定できるノー
       ド (メモリー) の集合が nodemask に返される。 MPOL_F_MEMS_ALLOWED を、 MPOL_F_ADDRMPOL_F_NODE と同時に
       指定することはできない。

       flagsMPOL_F_ADDR が指定された場合、 addr で指定されたメモリーアドレスに適用されているポリシーに関する
       情報を返す。 mbind(2)  や numa(3) で説明されているヘルパー関数を使って、 addr  を含むメモリー領域に対する
       ポリシーが設定されていた場合には、 返されるポリシーはスレッドのデフォルトポリシーと違うことがある。

       mode 引数が NULL でない場合、 get_mempolicy()  は要求された NUMA ポリシーのモードと追加の モードフラグmode が指す場所に格納する。 nodemask が NULL 以外の場合、そのポリシーに対応するノードマスクを  この引数が
       指す場所に格納する。  maxnode には nodemask に格納できるノード ID の数、つまり最大ノード ID に 1 を足した
       値を指定する。 maxnode で指定された値は常に sizeof(unsigned long)*8 の倍数に切り上げられる。

       flagsMPOL_F_NODEMPOL_F_ADDR の両方が指定された場合、 get_mempolicy() はアドレス addr が割り当てら
       れているノードのノード ID を mode が指す場所に入れて返す。 指定されたアドレスにどのページもまだ割り当てら
       れていない場合、 get_mempolicy() は、あたかもそのスレッドがそのアドレスに対して読み込みアクセスを  実行し
       たかのようにページの割り当てを行い、ページが割り当てられた ノードの ID を返す。

       flagsMPOL_F_NODE は指定されたが、 MPOL_F_ADDR は指定されていない場合で、かつ そのスレッドの現在のポリ
       シーが MPOL_INTERLEAVE の場合、 get_mempolicy()  は、そのスレッドに対して割り当てられたカーネルの内部ペー
       ジで  次にインターリーブ用に使用されるノードのノード  ID  を、  NULL でない mode 引数が指す場所に入れて返
       す。これには、読み込みアクセス用として MAP_PRIVATE フラグ付きで mmap(2) したプロセスメモリー領域や、 任意
       のアクセス用として MAP_SHARED フラグ付きで mmap(2) したメモリー領域の、メモリーマップされたファイルに対す
       るページも含まれる。

       他のフラグは予約されている。

       設定可能なポリシーの概要については set_mempolicy(2)  を参照。

返り値

       成功すると、 get_mempolicy()  は 0 を返す。エラーの場合、-1 を返し、 errno にエラーを示す値を設定する。

エラー

       EFAULT nodemaskmaxnode で指定されたメモリー領域の一部または全部が、  呼び出し元がアクセス可能なアドレ
              ス空間外を指している。

       EINVAL maxnode  で指定された値がシステムがサポートするノード  ID  の数よりも少ない。  または、  flagsMPOL_F_NODE でも MPOL_F_ADDR でもない値が指定された。 または、 flagsMPOL_F_ADDR が指定されてお
              り、 addr が NULL である。 または、 flagsMPOL_F_ADDR がされておらず、 addr が NULL でない。 ま
              たは、 flagsMPOL_F_NODE が指定されており、 MPOL_F_ADDR が指定されておらず、 スレッドの現在のポ
              リシーが  MPOL_INTERLEAVE  でない。 または、 flagsMPOL_F_MEMS_ALLOWED が指定されており、さらに
              MPOL_F_ADDRMPOL_F_NODE のいずれかが指定されている。 (他にも EINVAL となる場合がある。)

バージョン

       get_mempolicy()  システムコールはバージョン 2.6.7 で Linux カーネルに追加された。

準拠

       このシステムコールは Linux 固有である。

注意

       ライブラリによるサポートについては numa(7)  を参照。

関連項目

       getcpu(2), mbind(2), mmap(2), set_mempolicy(2), numa(3), numa(7), numactl(8)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10  の一部である。プロジェクトの説明とバグ報告
       に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。