Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       io_getevents - 完了キューから非同期 I/O イベントを読み出す

書式

       #include <linux/aio_abi.h>         /* 必要な型の定義 */
       #include <linux/time.h>            /* 'struct timespec' の定義 */

       int io_getevents(aio_context_t ctx_id, long min_nr, long nr,
                        struct io_event *events, struct timespec *timeout);

       : このシステムコールには glibc のラッパー関数は存在しない。「注意」の節を参照。

説明

       注意:このページは生の    Linux    のシステムコールのインターフェースについて説明している。
       libaio で提供されるラッパー関数では ctx_id 引数に違う型が使われている。「注意」を参照。

       The io_getevents()  system call attempts to read at least  min_nr  events  and  up  to  nr
       events from the completion queue of the AIO context specified by ctx_id.

       The  timeout argument specifies the amount of time to wait for events, and is specified as
       a relative timeout in a structure of the following form:

           struct timespec {
               time_t tv_sec;      /* seconds */
               long   tv_nsec;     /* nanoseconds [0 .. 999999999] */
           };

       The specified time will be rounded up to the system clock granularity  and  is  guaranteed
       not to expire early.

       Specifying timeout as NULL means block indefinitely until at least min_nr events have been
       obtained.

返り値

       成功すると、 io_getevents()  は読み出したイベント数を返す。 timeout 時間が経過した場合は、
       0  もしくは  min_nr 未満の値が返る。呼び出しがシグナルハンドラーに割り込まれた場合にも、 0
       もしくは min_nr 未満の値が返ることがある。

       失敗時の返り値については、「注意」の節を参照すること。

エラー

       EFAULT events または timeout が無効なポインターである。

       EINTR  シグナルハンドラーにより割り込まれた。 signal(7)  参照。

       EINVAL ctx_id が無効である。もしくは、min_nr または nr が 範囲外の値である。

       ENOSYS io_getevents()  がこのアーキテクチャーでは実装されていない。

バージョン

       非同期 I/O システムコールは Linux 2.5 で初めて登場した。

準拠

       io_getevents()  は Linux 固有であり、移植を想定したプログラムで 使用すべきではない。

注意

       glibc はこのシステムコールのラッパー関数を提供していない。 syscall(2) を使ってこのシステム
       コールを起動することができる。  しかし、たいていは、このシステムコールを呼び出したいのでは
       なく、
        libaio が提供している io_getevents ラッパー関数を呼び出したい 場合がほとんどであろう。

       libaio のラッパー関数では ctx_id  引数に別の型  (io_context_t)  が使われることに注意するこ
       と。 また、libaio のラッパー関数は、エラーの通知が通常の C ライブラリの 慣習にしたがってお
       らず、エラーの場合には負のエラー番号  (エラーの節に列  挙されている値の一つを負にしたもの)
       が返り値となる点にも注意すること。 syscall(2) 経由でシステムコールを起動すると、返り値は通
       常のエラー通 知の慣習に したがってものとなり、エラーの場合には -1 が返り、 errno  にエラー
       を示す (正の) 値が設定される。

バグ

       無効な    ctx_id    を指定した場合、エラー   EINVAL   が生成されず、セグメンテーション違反
       (segmentation fault) が発生する場合がある。

関連項目

       io_cancel(2), io_destroy(2), io_setup(2), io_submit(2), aio(7), time(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。