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名前

       carg, cargf, cargl - 複素数の偏角を計算する

書式

       #include <complex.h>

       double carg(double complex z);
       float cargf(float complex z);
       long double cargl(long double complex z);

       -lm でリンクする。

説明

       これらの関数は、  z の複素引数 (位相角とも呼ばれる) を計算する。実軸の負の部分に沿って分枝
       切断 (branch cut) がある)。

       複素数は 2つの実数値からなる座標で表すことができる。  直交座標を使うと、以下のように書くこ
       とができる。

           z = x + I * y

       ここで、x = creal(z), y = cimag(z) である。

       また、極座標を使うと、以下のように書くことができる。

           z = r * cexp(I * a)

       ここで、  r = cabs(z) は「半径」、「係数」であり、 z の絶対値である。 a = carg(z) は「位相
       角」であり、 z の偏角である。

       次の関係が成立する:

           tan(carg(z)) = cimag(z) / creal(z)

返り値

       返り値は [-pi,pi] の範囲である。

バージョン

       これらの関数は glibc バージョン 2.1 で初めて登場した。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌─────────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├─────────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │carg(), cargf(), cargl() │ Thread safety │ MT-Safe │
       └─────────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       C99, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008.

関連項目

       cabs(3), complex(7)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2017-09-15                                    CARG(3)