Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all
名前
nan, nanf, nanl - 無効値 ('Not a Number') を返す
書式
#include <math.h> double nan(const char *tagp); float nanf(const char *tagp); long double nanl(const char *tagp); -lm でリンクする。 glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7) 参照): nan(), nanf(), nanl(): _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L
説明
これらの関数は、SIGFPE シグナルなしの無効値 (NaN) を示す表現を返す (どの表現を使用するかは tagp で指定する)。SIGFPE シグナルなしの NaN をサポートしていない実装では 0 を返す。 nan("char-sequence") を呼び出すのは、以下と等価である。 strtod("NAN(char-sequence)", NULL); 同様に、 nanf() や nanl() を呼び出すのは、 strtof() や strtold() を呼ぶのと同じである。 引数 tagp の使い方は規定されていない。 IEEE 754 準拠のシステムでは、NaN にも複数の表現が存 在し、 tagp はその選択に使用される。 他のシステムでは、何の意味もないかもしれない。
バージョン
これらの関数は glibc バージョン 2.1 で初めて登場した。
属性
この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。 ┌──────────────────────┬───────────────┬────────────────┐ │インターフェース │ 属性 │ 値 │ ├──────────────────────┼───────────────┼────────────────┤ │nan(), nanf(), nanl() │ Thread safety │ MT-Safe locale │ └──────────────────────┴───────────────┴────────────────┘
準拠
C99, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008. IEC 559 や推奨関数になっている IEEE 754/IEEE 854 の付録 も参照すること。
関連項目
isnan(3), strtod(3), math_error(7)
この文書について
この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの 説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。