Provided by: manpages-ja-dev_0.5.0.0.20221215+dfsg-1_all bug

名前

       drem, dremf, dreml, remainder, remainderf, remainderl - 浮動小数点剰余関数

書式

       #include <math.h>

       /* C99 版 */
       double remainder(double x, double y);
       float remainderf(float x, float y);
       long double remainderl(long double x, long double y);

       /* 廃止された別名 */
       double drem(double x, double y);
       float dremf(float x, float y);
       long double dreml(long double x, long double y);

       -lm でリンクする。

   glibc 向けの機能検査マクロの要件 (feature_test_macros(7)  参照):

       remainder():
           _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L
               || _XOPEN_SOURCE >= 500
               || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
               || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE
       remainderf(), remainderl():
           _ISOC99_SOURCE || _POSIX_C_SOURCE >= 200112L
               || /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
               || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE
       drem(), dremf(), dreml():
           /* Since glibc 2.19: */ _DEFAULT_SOURCE
               || /* Glibc versions <= 2.19: */ _BSD_SOURCE || _SVID_SOURCE

説明

       これらの関数は  xy で割った余りを計算する。 返り値は x-n*y である。 ここで nx / y
       の値を最も近い整数に丸めたものである。 x-n*y の絶対値が 0.5 の場合、偶数になるように n  が
       選ばれる。

       これらの関数は、現在の丸めモードの影響を受けない (丸めモードについては fenv(3)  を参照)。

       drem()  関数はこれと全く同じ動作をする。

返り値

       成功すると、これらの関数は浮動小数点の剰余  x-n*y を返す。 返り値が 0 の場合、その符号は x
       と同じになる。

       xy が NaN の場合、NaN が返される。

       x が無限大で y が NaN でない場合、 領域エラー (domain error) が発生し、NaN が返される。

       y がゼロで x が NaN でない場合、 領域エラー (domain error) が発生し、NaN が返される。

エラー

       これらの関数を呼び出した際にエラーが発生したかの判定方法についての情報は math_error(7)  を
       参照のこと。

       以下のエラーが発生する可能性がある。

       領域エラー (domain error): x が無限大で y が NaN ではない
              errnoEDOM  が設定される  (「バグ」の節も参照)。 不正 (invalid) 浮動小数点例外
              (FE_INVALID) が上がる。

              これらの関数は、この場合に errno を設定しない。

       領域エラー: y がゼロ
              errnoEDOM が設定される。 不正 (invalid) 浮動小数点例外 (FE_INVALID)  が上がる。

属性

       この節で使用されている用語の説明については、 attributes(7) を参照。

       ┌───────────────────────────┬───────────────┬─────────┐
       │インターフェース属性      │
       ├───────────────────────────┼───────────────┼─────────┤
       │drem(), dremf(), dreml(),  │ Thread safety │ MT-Safe │
       │remainder(), remainderf(), │               │         │
       │remainderl()               │               │         │
       └───────────────────────────┴───────────────┴─────────┘

準拠

       関数 remainder(), remainderf(), remainderl()  は C99, POSIX.1-2001, POSIX.1-2008  で規定さ
       れている。

       関数  drem()   は  4.3BSD  に由来する。  floatlong  double  版の dremf()  と dreml()
       は、Tru64 や  glibc2  のようないくつかのシステムに存在する。  これらの関数の使用は避けて、
       remainder()  などを使用すること。

バグ

       glibc 2.15 より前では、

           remainder(nan(""), 0);

       を行うと、期待通り  Nan が返るが、誤って領域エラーが発生した。 glibc 2.15 以降では、エラー
       なしの Nan (すなわち、領域エラーなし) が返される。

       Before glibc 2.15, errno was not set to EDOM for the domain error that occurs when x is an
       infinity and y is not a NaN.

       "remainder(29.0, 3.0)" を呼び出すと -1 を返す。

関連項目

       div(3), fmod(3), remquo(3)

この文書について

       この man ページは Linux man-pages プロジェクトのリリース 5.10 の一部である。プロジェクトの
       説明とバグ報告に関する情報は https://www.kernel.org/doc/man-pages/ に書かれている。

                                            2020-06-09                               REMAINDER(3)